431 名前:もし俺妹の京介が「バレンタイン大作戦」を読んだら【SS】[sage] 投稿日:2011/02/12(土) 23:42:55 ID:m4F39ZczO [2/2]
「…なるほど、そっちの世界では、俺たちがライトノベルの登場人物として存在してるんだな」
「さすがは京介さん、理解が早くて助かります。」
異世界の住人を名乗る人物は、雑誌をコピーしたらしい紙を差し出してきた。
「つまり、そっちの世界のアニメディアって雑誌の『デートプラン』を俺が、桐乃とやれと?」
「その、京介さん?不満でらっしゃいます……か?」
「当たり前だろ!何の因果でバレンタインに兄妹デートなんだ?誰得なんだよ!」
「落ち着いて下さい。タダでとは言いません。お礼にこっちの世界で大評判の、
京介さんが俺妹の登場人物とイチャイチャする同人誌と、
登場人物のセクシーな特大ポスターを差し上げます」
「……分かった。やることにする。報酬を忘れないでくれよ」
※※※
「ちょっとアンタ、どうしてうちの校門前にいるのよ」
「何でもいいだろ。ほら、いっしょに帰るぞ」
俺は桐乃と連れだって歩くが、程なく会話のネタに尽きてしまった。
「………」「………」
「ちょっと、黙ってないで何か話しなさいよ」
「そうだな。じゃあゲームでもするか。
互いに知ってるゲームやアニメの妹キャラの名前を一人ずつ言ってくのはどうだ」
「ハア?、何それ。まあ仕方ないからやってあげるけど、負けたほうが買ったほうに飲み物をおごりね」
ニヤッと不敵な笑みを見せる桐乃
…結果はもちろん桐乃の勝利。てか、なんで俺が生まれる前のアニメの
妹キャラ知ってんだよ、化け物かあいつは???
駅前のマックでおごらされて、とにかくも下校デートは終わった。
さて、あとはイベントデートか。
異世界の住人の話では、家デートは既にやってるわけだからパスでいい。
その代わり休日のイベントデートを充実してほしいとのことだ。
しかし、「タイに現地集合してゾウに乗る」とか、沙織じゃなきゃ無理だろ!
……待てよ、ゾウに乗るだけなら、俺の財力でもいけそうだな……
※※※
「へえ、千葉にこんなところがあるなんてねえ」
桐乃と俺の目の前で何頭ものゾウがショーをしている。
ここは千葉県の中央部に位置する市原市の「市原ぞうの国」
TDLや繁華街ならいざしらず、こういう場所でいいのかとも思ったが、
意外にも桐乃は面白がってるようだ。
ショーを見終わったところで、俺は桐乃に声をかける。
「なあ、ゾウに乗ってみようぜ」
「えっ?乗れるの?」
ゾウの背中に取り付けられた台の上に座って俺たちは場内を一周する。
途中ゾウが大きく揺れた時、桐乃がしがみついてきたのには驚いた。
その直後に記念撮影もしてくれたんだが、桐乃にひじ鉄を食らった後なので、はたしていい顔で撮れてるだろうか。
※※※
「……兄貴にしては、考えた内容じゃん。」
「そう言って貰えると、誘った甲斐があったな」
「……また誘ってくれると、嬉しいんだけど……」
「分かった分かった」
俺はやっと約束を果たしたって満足感で満たされてたが、
それにしても桐乃はやたら喜んでるんだな。そんなにゾウの国が楽しかったのか?
ゾウがそこまで好きだったとは意外だ………
※※※
「……なんだこれは………」異世界の住人から届いた品は
「ブラコン妹がただひたすら兄といちゃいちゃしたい本」ってタイトルの同人誌と
真っ赤なビキニ水着の桐乃が「I Love You」とデコレーションされたチョコを差し出してるポスターだった
「どうしろって言うんだよ、この品々を……」
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最終更新:2011年02月13日 23:32