267 名前:【SS】リモコン[sage] 投稿日:2011/03/01(火) 21:47:34.91 ID:GKsBVZ0VO [2/3]

ある日の帰り道。道端にリモコンと一枚の紙が置かれていた。

んん?・・誰かの忘れものかこれ?なになに?

これを使えば簡単に好感度が10段階まで自由に上げ下げ可能。

モテない君もこれでモテモテだ。

操作は簡単。対象に向けてUPボタンとDOWNボタンの2つを押すだけです。



何だこりゃ?エロゲーじゃあるまいしそんな馬鹿なことがー

「あ、お兄さん」

振り返るとあやせがいた。

「お、あやせじゃないか。何でこんなとこに?は!?もしかして俺が恋しくなってー」

「んなわけないじゃないですか。気持ち悪い事いわないでください。

ちょっと桐乃に用があったのでたまたま寄っていただけです。」


まぁそんなところじゃないかと思ってたよ。

はぁ・・・何でこんなに俺は嫌われてるのかねー?

「というわけなので用事はもう済んだので私はこれで。」

「おう、またなー」

後ろ姿を見送っているとき・・・ふとさっき拾ったリモコンの事を

思い出した。まぁこんなんで好感度が上がったら苦労しないよな・・・

と思いつつもリモコンをあやせに向けて好感度UPボタンを押してみた。

ピピピッ

「・・・何やってんだ俺は。アホらし。」

そう思って我が家に向かって歩きだしたその時ー

「お兄さん!!!」

「!?」

振り返ったその時。遠くにいたはずのあやせが目の前にいた。

何故か手に手錠を持って。

「お、お兄さんい、い、今私の事、あ、頭の中で○しましたよね!?」

「ちょ!?お前いきなり何言ってんのかな!?」

「いーえ!絶対にしました!!間違いありません!こ、こ、こんな通りで・・・

こ、この変態っ!変態っ!私はお兄さんの頭の中で汚されましたっ!

だから・・せ、責任っ!責任を取ってもらいます!」

ガチャリ

「あ、あやせ!?どういうつもりだっ!?」

「さぁいきましょうお兄さん。」

「どこに!?」

「やだなぁーもちろんお兄さんの監禁場所に決まってるじゃないですか〜。

いつかこういう時の為にと思って前々から用意してたんですよ?

いいところですよ?緑もいっぱいで人も絶対来ませんから・・・・フフフ」



やばい・・・このあやせの顔はマジだ。このままでは俺の命の危険が・・

それにしてもどうしてこうなった?俺一切何もしてー

は!!まさか!?

ピピピッ


「さぁ行きましょう!私とお兄さんの愛の巣へ・・・アレ?私何を?・・・

って何でお兄さんと繋がって・・・は!?わ、私な、な、何て事を!??」

正気に戻ったあやせは俺に見た事聞いた事を忘れるよう物凄いオーラで迫ってきた。

俺に何度も誓わせるとひとまず安心してあやせは帰っていった。

「しかし・・・ホントに効くとは・・・」

正直まったく信じてなかった。ってかアレ好感度UPってかむしろ

ヘイトUPしてたような・・・

「ってかどうしよう・・コレ」


正直怖くなったので捨てようとも思ったが・・・

もし誰かに悪用された時のことを考えるとどうしても捨てる事ができず持って帰ってきてしまった。



夕食後。俺は部屋で机に置いたリモコンと説明書を凝視しながらどうするか考えていた。

「まいったなぁ・・・厄介なもの拾ってしまったなぁ」

「何が?ってか何の説明書?」

「いやこのリモコ・・うああああああああああああ!?」

いつのまにかに桐乃が真後ろにいたのだ。

「な、なによ。そんなにびっくりすることないじゃない!」

「お、お前ノックしろっていつもいってんだろうが!!!」

「したっての。あんたが気づいてなかったんでしょうが」

「そ、そうか。す、すまん。っておい!?」

気づくと桐乃がリモコンを手に取っていた。

「何コレ?ドコのリモコン?クーラーのリモコンじゃないよねー

ってかなんかオモチャっぽいし。」


「か、返せっ!馬鹿っ!」

俺が慌てて奪おうとしたがひらりと交わされ、桐乃はベットの上に立っていた。

「な、なによ!そんなマジになって!ただがリモコンじゃないの!」

「そ、それは・・・い、いいから返せって!」

俺もベットに上がり桐乃から奪い返そうとした。

「ちょっ触らないでっ!なんかあんた必死すぎてキモい!ぼ、没収よ!没収!」

「な、なんだそりゃ!?」

「だってあんたなんか普通じゃないし!何なのこのリモコン?答えないと返さないっ!」

ま、まずい・・・何のリモコンかバレたら・・・何言われるか分かったもんじゃねえええ!

しかしこのままだとコイツ絶対意固地になるよな・・・ここは一芝居打つか・・

「い、いやさ。コレ実は・・・・俺のコンポのリモコンなんだよねーハ、ハハハ」

「・・・」

うあー無茶怪しんでる・・俺・・・役者になれねーな・・絶対・・・

「ふーんならいいわ。ならホントか試してあげる」

「!?」

桐乃はコンポに向けてリモコンを向けた。

そう・・・俺の真後ろにあるコンポに。俺越しにだ。

「いかん!やめー」

とここで俺の意識は途切れてしまった。


気づくと朝になっていた。いつのまにかに俺は何故か裸で寝ていたようだ・・・

「ふう・・・しかし・・妙な夢だったなー・・・んん?」

「スー・・・スー・・」

そう、俺の横で桐乃が・・・何故か幸せそうな顔をして寝ていた。


そして・・・・昨夜の事を段々思い出してきた。


「・・・いかん!やめー」

ピッ

「は。!やっぱり何も反応しないじゃない!やっぱり嘘だったのね!!

さぁ白状しなさいっ!これはいったい・・・って兄貴?」

「・・・なぁ桐乃」

「な、なによ・・・いきなりマジな顔し、して・・」

「お前俺の事好きか?」

「え?!」

「俺はお前のこと・・・好きだぞ。お前は俺の事嫌ってるだろうけどな」

「ちょ・・・いきなりどうしたのよ・・?」


「ずっと気になってたんだ。俺はお前が居なくて寂しいっていったよな?」

「う、うん・・・」

「だからお前が帰るって決めてくれた時はうれしかったよ。

俺はお前が少しは俺の事考えてくれて帰ってきてくれたのかな?って。

でもさ。

お前はいつもどうりで・・・俺は正直寂しかった。

ああ。お前はやっぱり俺の事嫌いなんだろうなってさ。」

「・・・」

「でもやっぱりお前には俺は好かれたいんだよ。だからさー」

「何よそれ・・・」

「ん?」

「あ、あたし・・・あんたのこと・・・嫌いじゃ・・ないし」

「え・・・だってお前いつもキモいとか馬鹿とか・・・」

「それは・・言ってるけど!嫌いだなんて思ってない!」

「そ、そうなのか・・・?」

「そ、そうよ!ど、どう?う、嬉しいでしょ!このし、シスコン!」

「ああ。嬉しいよ。ありがとよ桐乃。」

「・・・ってかあんたホントどうしたのよ・・・いきなり・・?」

「んーなんでだろ?急に言いたくなったんだよなー」

「・・・まさかとは思うけど・・・ねぇちょっとあんたの机にある説明書見ていい?」

「ん?別にいいぞー」

「なになに・・・・嘘でしょ?!そんな馬鹿なことが・・・

でも・・・アイツあんな必死だったし・・・急に態度変わっちゃったし・・・」

「どうした?桐乃リモコンなんか持って。ってか手震えてるぞ?お前」

「・・・こ、これは!・・・そ、そうっ!お、試しよっ!だ、だから・・・・」



ピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピッ



「・・・なぁ桐乃」

思い出してしばらくすると桐乃も目が覚めて起きていた。

「・・・・」

「なんで限界まで上げまくったんだ?お試しなら何もあんなに連打しなくてもよかったろ?」

「ごめんなさい・・・」

そう言った桐乃の顔は今にも泣きそうだった。

「ま。いいわ。」

「え?」

「昨日俺がいった事・・・・まんざら嘘ってわけじゃないし。

それに・・・まぁ・・・こうなっちまったけど後悔してないぞ俺は」


「あ、兄貴・・」

「だからそんな顔すんなって・・な?」

「う、うん!」


俺が頭を撫でてやるといつもの元気な明るい顔になって頷いた。


「よっし。その前に・・・」


俺は家の道具入れからハンマーを持ってきた。


「それ・・・壊すの?」

「ああ。もう必要ない」

「そっか・・・」

「それにこんなものなくても・・・な」

「え?」

「順番は逆になっちまったが・・・聞いてくれるか?」

「うん」

「桐乃。俺の彼女になってー」



END

















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最終更新:2011年03月02日 00:34