778 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 14:20:24.11 ID:/36sj9iD0 [3/3]
※オリキャラ有り
今日は小学校の同窓会。
高校でも一緒のやつらもいるが、大部分のやつらとは、久しぶりの再会だ。
………そう、期待して、楽しみにしてたんだ………………………
「キモっ………」
「な、なにをいきなり言いやがる!?」
同窓会に行く前、リビングで準備をして居た俺に、いきなり桐乃が棘のある言葉を投げつける。
つか、おまえなんでキレてんの?
「あんた、顔がにやけすぎ。マジキモイ。」
「しょ、しょうがねーだろ?久しぶりに小学校の同級生と会うんだしよ?」
「で?小学校の同級生の女に会えるからってデレデレしすぎ。」
「デレデレなんてしてねーよ!?」
そもそも、俺が小学生のときは―――って………まあ、いいか。準備準備。
「とりあえず、トイレ行ってくるわ」
俺は、携帯と財布をテーブルに置き、トイレに向かう。
トイレから戻ってきた時にも、桐乃は何故かリビングに居た。
「ケータイと、財布。忘れんな。」
「お、おう?」
俺がトイレに行く前と違って、何故か上機嫌そうに、携帯と財布を渡してくる桐乃。
俺はその姿に既視感を感じたんだが、時間も迫ってきてたし、あまり気に留めなかった。
思えば、コレが失敗だったんだ………
同窓会では、小学校の頃から成長した、皆の姿を見る事ができた。
俺と同じように、受験生やってるやつが大半だったが、中にはもう就職してるやつも居たし、
結婚して、子供までできてるやつまで居た。なんかうらやましいよな?
先生も当時と比べるとだいぶ年とっちまって、それでもまだ、教壇に立っておられるようだ。
そんなこんなで、お互いの近況を話しているときだった。
「そういえばよー、高坂?きり姫は元気かー?」
「ブッ………な、なんだって?」
「だからよー?きり姫だって。お前妹の事、きり姫きり姫っていつも楽しそうに話してただろ?」
「えー、なにーそれー?聞きたい聞きたいー」
「ま、まて、みんな落ち着け。」
な、なんでこんなとこまで、あいつの話になっちまうんだよ!?
「いやさ、高坂さー、妹とむっちゃくちゃ仲良しでさ?
同じクラスになるとさ、休み時間の間中妹の自慢話ばっかりされてさぁ!」
「うっそー!?高坂くん、シスコン!?」
「い、いや!?ち、ちげーぞ?お、おれがあいつの事好きなわけが!?」
「え?マジ!?好きなの!?」
な!?こいつらどういう誤解をしてやがんだチクショー
「そうそう、毎日毎日、よく話すネタがつきねーもんだなーって、すっげー感心したもんな!」
「でも、高坂クンの妹さん、本当に自慢できるくらい凄いみたいよ?」
「んー?何か知ってんの?」
「ほら、この雑誌。」
そういうと、いきなり皆の前に雑誌を差し出してくる。これは………ファッション雑誌か?
まて、それは桐乃がモデルやってる雑誌じゃねーか!?
「このページの………ほら!この子、高坂桐乃さんって!」
「すっげー!マジかわいいじゃん!」
「モデルかよ!すげェな!」
口々に、桐乃を褒め称える俺の同級生達。まあ、たしかに可愛いんだが………
お前らに桐乃はやらんからな?
「そういえばこの子、どっかで………あ、そうだ!」
「何?どっかでみたことあんの?」
「い、言っちゃっていいのかなぁ………」
な、なんだ?その奥歯にモノの挟まったようなもの言いは?
あいつ、何やってんだ?仕方ねえ、俺に心配させんじゃねーよな。
「言ってかまわねーぜ?むしろ言ってくれ。」
「う、うん。………えとね、去年の冬なんだけどぉ」
去年の冬?あいつがインフルエンザにかかった頃か?
まさかあいつ、俺の目の届かないトコで、出かけてやがったのか!?
「なんかね、渋谷で男の人と歩いてる、その子を見かけたんだけどぉ」
「うんうん。」
なんだと!あいつが病気なのをいいことに、連れ出しやがったヤツがいるのか!?
それに、こいつら、人の妹の事だと思って興味深そうに聞いてんじゃねーよ!
「なんか、女の子はずぶ濡れでぇ、二人でラブホに入って行こうとしてたの。」
「えぇー!?中学生でしょー?進んでるぅー!」
「ずぶ濡れ?なんかあやしーかんけー」
むかつく。マジむかつく。俺の妹がそんなことするわけねーだろ?
どうせ、見間違いかなんかだろ?
「それでね?なんか男の方が見た事あるかなーって思って、前に回りこんでみたの!」
「えー!あぶないじゃん!」
「おめー、意外と大胆だなー!」
知ってる男?誰だよそいつ、事と次第によっちゃ、殺すしかねーよな。
「そ、それでっ………その………高坂君だったんだよねー………」
「………………………………」
「は?」
な、なに?俺が、桐乃と?去年の冬?ラブホ?
………………………………って、あぁぁぁぁぁーーーー!?
「ちょ、ちょっと待て、ご、誤解だっ!」
「わたしさぁ、マジびっくりしたし。あの高坂君が、クリスマスデートでラブホなんてさ。
その相手が妹さんだったなんて、ほんっと、びっくりだよぉ」
「俺もビックリだぜ?おめー、妹以外全然見えてねーって。ああ、それで妹とラブホかぁ」
「ホンモノ?本当に妹さんと愛し合ってんだぁ!」
「ち、違―――」
もう、やだ、助けて。
と、その時―――
「おにいちゃん」
「桐乃!?」
いきなり、桐乃の声が俺の後ろからしてくる、振り向いても誰もいねーし………
って、俺の尻で震えてんのは………携帯の着信音!?
「おにいちゃん。桐乃はね?」
な、なんつー気色わりー声だしてんだよっ!?
「きょーすけおにいちゃんのこと、だいすきっ♪」
俺はその場で号泣したよ。
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最終更新:2011年03月06日 03:09