186 :もしも桐乃が○○に目覚めたら「1/2」【SS】:2011/03/07(月) 12:32:31.78 ID:DFNl2Tjs0
ふと思いついたのでSS書いてみましたw 
 
 ある日の夜。俺はまた,いつぞやのように桐乃の部屋に呼び出されているわけだが……
 桐乃の奴,自分から呼んでおきながら一向に話を切り出そうとしねえ。
「なあ,話ってなんだよ」
「う,うん……あのね,せなちーのお兄さんいるじゃん。あんたの友達の」
 せなちーのお兄さん……赤城のことか。
「ああ,俺と同じクラスだよ」
「ふーん……で,どんな感じなの?」
 なんだこいつ。妙にそわそわしやがって。
「どんな感じって……まあ基本いい奴だよ。妹に頼まれて深夜にホモゲー買いに
 行くような重度のシスコンだけどな」
 瞬間,桐乃がビクッと反応した。しまった,こいつ瀬菜が大のBL好きだって知らなかったんだっけか。
 瀬菜に悪いことしちまったな……
 しかし桐乃はさほど気にする様子もなく,上目遣いでさらに尋ねてくる。
「へぇ……それだけ?」
 さっきからなんなんだ,こいつ。俺の知り合いの事聞いてくるのすら珍しいってのに,
 桐乃に似合わず顔を真っ赤にしてモジモジしている。
 こんなのまるで―――――――――――――――――――おいおい,冗談じゃねえぞ。

206 :もしも桐乃が○○に目覚めたら「2/2」【SS】:2011/03/07(月) 18:00:42.88 ID:DFNl2Tjs0
>>186の続きです

「で,でね!今度せなちーとお兄さんも一緒に,4人でご飯食べに行かない?次の日曜とか―――」
「断る」
 あんまり聞きたくはないんだが……ここはハッキリさせておかないと気が済まねえ。
「な,なんでよ」
「お前……あいつの事,好きなのか?」
 別にこいつが誰を好きになろうと知ったこっちゃないが,あんな救いようのない
 シスコン変態バカ兄貴に俺の妹をやるわけにはいかねーだろ!
 しばらく桐乃はきょとんとしていたが,ようやく質問の意味を理解したのか,表情を一変させて怒鳴りつけてきた。
「は,はあ!?なんでそーなんの!そんなワケないでしょ!!だってあたしが好きなのは……」
「好きなのは……なんだよ」
「ッ……,な,なんだっていいでしょ!いいから行こうよ!あたしたちは邪魔しないからさ」
 あたしたちは邪魔しないって……何言ってるんだこいつは。
「大体なんでそのメンツで飯食いに行かなきゃなんねーんだよ!」
「はあ!?せっかくせなちーと一緒に二人を会わせる口実作ってやったってのに,何その言いグサ」
 さっきから妙に話が噛み合ってない。それになんだ,この寒気は……
 俺の脳裏に巨乳メガネの後輩の姿が浮かぶ。そういやこいつら,あの夏コミ以来仲良くなって,
 最近はあやせや黒猫達そっちのけで遊ぶようになってたな。
「ねぇ,ホントに……せなちーのお兄さんの事,何とも思ってないの?」
 嫌な予感はますます膨らむ。さっきとはまた別種の,しかも比べ物にならないほど嫌な予感が。
「さっきから気になってたんだが……お前が後ろ手に隠してるのは何だ?」
「!!こ,これは……」
「いいから見せてみろ」
 俺は立ち上がって桐乃が隠し持っていた物を取り上げようとする。桐乃は必死に抵抗したが,
 その拍子にそれは床の上に投げ出されてしまった。
「!!」
 嫌な予感は的中した。床に投げ出されたそれは……
 いつか赤城が深夜販売に並んで買っていた,ムキムキの男たちが表紙に描かれたゲーム,「ホモゲ部」
 桐乃は静かにそれを拾い上げると,こちらを振り向かずに言った。

「ねぇ,こういうの好きでいちゃ……おかしいのかな」  ―完―



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最終更新:2011年03月10日 00:36