155 名前:【SS】黒猫の逆襲[sage] 投稿日:2011/03/07(月) 00:57:14.75 ID:+jSY88kX0

6巻を想定しています。
3巻既読前提です。
あと、別にNTRではありません。
いつもの口ゲンカですw




――深夜0時。
俺は勉強していたが、隣では桐乃がなにやら電話をしているようだった。
――口調からして黒猫だな。
しかし、うっせーなぁ。
時間が時間だろう。少しはボリュームを落としてしゃべりやがれ。


「――マスケラの二期終わっちゃったけどさー、今あんた、一番面白いアニメってなんだと思う? やっぱり、メル……」
「だから打ち切られたみたいな言い方はやめろ!」
「うわっ!! びっくりしたー」
「……フン、まだ私も他のファンも諦めてないわ」
「ふぅん。ま、いいけどさー。でもやっぱりあの主人公はダメでしょ?」
「な、なに言ってるの、あなた。真夜――漆黒がいなければあのセカイは動かないわ」
「ってかさー、あれ、主人公のくせに目が腐りすぎ。あと、ヒロインになびきすぎなのがキモい。主人公を変えるという前提で3期もしくはOAD希望というのならアンケ出すのに協力してやってもいいよ?」
「――ブチ」
「ん? なんか言った?」
「いえ、別に」

「――フッ、面白い趣向を思いついたわ」

「なになに?」
「今からあなたに質問する。もしあなたが私を満足できるような答えを出せるようなら、――そうね、一日付き人、いえあなたの奴隷になってもいいわよ?」
「キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!」
「ちなみに私が満足できなかった場合でも、別にあなたが奴隷になる必要はないわ」
「なにそれ? ……なんかやけに自信があるじゃん?」
「すでにあなたの苦しみもがく姿が目に浮かんでるからかしら、フフ」
「……なにすでに勝ち誇ってんの? あたしが勝つに決まってんじゃン。じゃ、あんたを奴隷にしたら、まずそうだなー、あのバカ……」
「あのバカ? なぜここで先輩、あなたのお兄さんが出てくるのかしら?」
「い、い、いや、そうじゃなくて!」
「なにかしら、……! ま、まさか『あのバカのはじめてを奪いなさい』とでも言うつもりだったのかしら?」
「な、なに言ってんの! ざけんな!」
「そうやってベルフェゴールに復讐をするつもりわけね? クッ、せ、先輩となんてありえないことだけど、奴隷となった場合は、し、仕方がないわね」
「だから、違うってんでしょ! こ、このエロ猫!」
「あら、以前『こんなんでいいなら、幾らでもあげる。つか、キモいから持って帰ってくんない』と言っていたわよね? ビッチの発言だからお持ち帰りしろということではなくて?」
「そ、そういう意味で言ったんじゃない!」
「フフ。あなたら当然そんな発言はありえないわよね。なら違う意味ということは……」
「な、なによ? またとんでもないことを言うんじゃないんでしょうね?」
「『あのバカとあたしがキスをするところをカメラでおさめなさい』ということ?」
「な、な、な、な!」
「……とんだブラコンね。ま、キスくらいならいいわ。私のEOS kiss x3で記念に綺麗に撮ってあげましょう」
「キスをキスで? って、ち、ちがーーーう!」
「これもちがう? ……ま、まさかあなたの望みは『あのバカとイチャつくところを撮れ』ということ? ……それはさすがにムリね」
「ぐががが……!」
「ククク、あら、ついに人語がしゃべれないケモノになったかしら?」
「……こ、こ、このクソエロ猫ーーーーーー!」




――深夜0時30分。
俺はまだ勉強していたが、隣ではまだ桐乃が電話をしているようだった。
まじで、うっせーなぁ。
俺が受験生であることを理解しやがれ。

「……ぜーぜー、ク、クソ猫、あ、あんた、わかっていてやったんでしょうね?」
「ええ、すべてわかているわ。『あなたのお兄さんへの気持ち』は」
「だから、ちがーーーーう!」
「あら、私は『あなたのお兄さんへのバカにする気持ち』と認識していたのだけど、違うのかしら?」
「!? そ、そうよ、わ、わかってんじゃん?」
「でも、違うと言ったわよね。やはり『あなたのお兄さんへの愛す……」
「ぬあーーーーー!」
「ククク」
「――決まった。スク水セーラー服ハイニーランドセル猫耳しっぽのかっこであたしのことを『お姉ちゃん』と呼ばせる。絶対に呼ばせる」
「――属性多すぎないかしら? そういえばメガネはないようだけど?」
「メガネはいらない」
「あと、先輩の前でもその羞恥の姿をさらして『お兄ちゃん』と言わなければならないのね?」
「そう――……って! いや、それはなし。想像しただけでキモすぎる」
「あなたって本当に分かりやすいわね」
「なんか言った?」
「別に」
「あっそ。あと、あんただけがペナルティがあるというのはフェアじゃないからあたしが負けたらその格好で奴隷やる」
「本気? あなた私がどういう勝負を仕掛けてくるかまだ分かっていないでしょう?」
「それでもあたしは勝負をする以上、手抜きもしたくないし、フェアでやっていきたい」
「『さすが、私のライバル』とでも言ってておこうかしら」
「あんたなんかライバルのうちに入らないけどねー。ま、今だけならいいけどさー」
「……相変わらずね、フッ」
「……あんたもね、フッ」
「それでもあなたはまだ私が出す勝負内容を知らないからすでにフェアではないと思うわ。だから格好だけでいいわよ」
「ま、いいや、とりあえずわかった。負けたときにまた考えるよ。ま、負けないけどねー」


「では、いくつか前提となる質問をさせてもらうわ。それらを元にして本題を最後に質問するけど、私が想定する質問が出せない場合でも私の負けでいいから」
「……本当に自信があんのね」
「怖気づいたかしら?」
「まさか」
「――あなたが好きなゲームやアニメは『妹と恋しよっ』『妹たちとあそぼ』『おにぱん』『しすしす』……私が覚えているのはこれくらいだけど、これらに共通するのはストーリー、イラストのいずれか、もしくはすべてが良ければ買ったり好きになっているように見えるけど違くて?」
「そうだけど? ……へー、あんたやっぱり分かってきたじゃん?」
「……イラストも良さそうなら『パケ買い』もしていると?」
「買わないで後悔するより買ってから後悔しないと」
「フ、キモオタの鏡ね」
「キモオタではないけど、当然っしょ」
「……なら『妹』もしくは『兄』というキーワードがついてのゲームはどうかしら?」
「どういう意味?」
「つまり、『タイトル買い』をしているかということよ。ゲームタイトルに『妹』もしくは『兄』というものがついていれば」
「出来ればそうしたいけどねー、妹ゲー好きのあたしとしては。でも、さすがにそれやるととあたしのコレクションを置く場所がなくなっちゃうからそれはよしてる」
「なるほど。或る程度調べてから購入しているというわけね」
「そういうこと」
「もし調べてから、それが、ストーリーが空虚、つまりあの手のCGが90%以上の、いわゆる男性向け実用重視だったと分かったとしても買うと?」
「そ、そ、それはイラスト次第かな」
「ふーん、そうなの、フフ」
「な、なに。いーじゃん、か、可愛ければ、さ」
「そうね。可愛ければね」
「なにか文句ある? ……なんかまわりくどいなー、さっさとしてよ」
「では本題に行くわ。答えてみなさい。……答えることが出来るのならば」
「……言ってみなさいよ」

「あなたはなぜ『鬼畜兄貴』を買ったのかしら?」

「――え!?」
「私の質問がこれよ。……あのとき、あの沙織からのお題ゲームのとき、あなたが強烈なプレッシャーを放っていたために、さすがの私でもひるんでしまって聞くことが出来なくて流してしまったけれど」
「え、え、え、え、え、え、」
「あら、答えられないのかしら?」
「ちょ、ちょ、ちょ」
「うんざりするほどあなたから『メルル』や『しすしす』はいろいろ話を聞かせてもらったけど、確かに……これらが大きいお友達向けであったとしても、なんとかあなたがファンになるというのは分かる。でも、『鬼畜兄貴』だけはどうしても理解出来ない」
「い、いや、あれはだから、あれはホモゲーだったことが分かったんだけど……」
「それは、買ってからの話。私が聞いているのは『なぜ買ったのか』ということよ」
「そ、そ、それは」
「まさか今更純情少女のふりをして『鬼畜』という言葉が理解できないわけではないでしょうね?」
「い、い、いや」
「『鬼畜』というキーワードから残酷で精神的苦痛をあたえる行為、または性的行為を含む非道な行為と関連することが容易に想像できるでしょう。もしこのタイトルを含んだゲームを作るとしたら、ストーリーを必要としない、口にすることすら汚らわしいくらい、女性を人として扱わない、淫靡な内容になるとしか考えられないけど、どうかしら?」
「く、く、」
「『鬼畜兄貴』というキーワードを見て、『キタコレ!』と思って、思慮が働かずに購入したのではなくて?」
「う、う、う、」
「しかも絵師が誰かなども、ましてやメーカーも調べずに」
「あ、あ、あ、」
「つまり、実はあなた、……ククク……本当は、深層心理では、嬲られて陵辱されるくらいにメチャクチャにされ……」
「あ、あ、あ、あ、あ、あたしがあいつとそんなことをするなんて望んでるわけが……!!」
「あら? 私は『嬲られて陵辱されるくらいにメチャクチャにされるゲームの妹を見るのが楽しいのでしょ』と言おうとしただけど? ……これでも相当アレな人にしか見えないけど。 ……別に『あなたのお兄さん』のことは一言も言っていないけど?」
「ぬあぁあああああああああああ!」
「フフフ……あなたのそういうところが一番かわいいわ」
「い、いや、だからーー!」
「ふぅ、まあ、いいわ。私の気は済んだわ」
「……え?」
「勝負はなし。ノーカウントで結構よ」
「…………くっ、いい。別に負けだと思ったわけじゃないけど、勝ったとも思ってない」
「あら?」
「あたしがペナルティを受ける」
「……私は結構って言ったけど?」
「いい! やってやるわよ! やればいいんでしょ!」
「往生際が悪いというか、潔いというべきか。まあ、分かったわ。では受けてもらいましょう。次の日曜日にでも…………」




――日曜日
俺は勉強していたが、隣では桐乃たちがバタバタとうるさい。
どうも黒猫が来ているらしいが。
で、朝飯の後、

「今日、絶対にあたしの部屋に入んないでよ! 入ったら殺す! 確実に殺す!」

と、命令された。
命令しなくても、お前の部屋には鍵がついているんだから入れるわけないだろう。

『……あら、来客にお茶やお菓子は出すのは当然でなくて?』
『……く、あんた、別に奴隷やらなくてもいいつったじゃん。』
『……それは別に奴隷とは関係ないでしょう。いつもお茶くらい出してくれたわよね?』
『……わかったわよ、じゃ、ちょっと待ってて。服……』
『……あら、お茶だけなのに、そんなに時間がかかるの?』
『……ぐぬぬぬ、わ、わかったわよ! 今すぐ出せばいいんでしょ!』

また、いつものようになんか張りあってんな。
ま、いいか。
勉強頑張ったせいか、のどが渇いたからなんか下で飲むか。


ガチャ。

……ガチャ。

俺が部屋から出たら、桐乃も部屋を出るところだった。


………………。


時が止まった。ような感じがした。
なぜそのように感じたかというと、俺も桐乃(?)も止まったからだ。
ただ、桐乃(?)は微動だにせず、しかしどんどん真赤になっていく。

……えと、上だけ制服? パンツじゃなくて水着だよな? ハイニーソックス? 猫、いやきつね耳? しっぽ? で、なんでランドセル? あと、これ桐乃?

何も認識できない。
そこで、かろうじて出てきた言葉は、


「……おまえ、そのコスプレ、なに?」


「死ねーーーーっ! このシスコンッー!」


俺は気を失う前に、本当にあれはなんのゲームのコスプレか考えてしまった。あんな格好のキャラクタが出ているエロゲーってやったっけ?


おわり。



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最終更新:2011年03月10日 00:35