175 名前:【SS】[sage] 投稿日:2011/03/16(水) 17:49:04.77 ID:pW7mzDQo0 [1/6]
第10話の挿入話
あやせから桐乃の誕生日プレゼントの相談を受けたが、どうしようかな、まずは桐乃に探りをいれてみるか。
あやせと会った後、公園から帰宅する途中のことだった、ごみ集積所に、まだ新しいっぽいビデオカメラのようなものがある。
ちょっと興味が出て、手に取ってみる。ん、なんかメモが貼ってある。
<字幕投影装置です、必要な方にさしあげます> だって。そんなの初めて聞くな。
ためしに「REC」を押して自分に向けてみる、えーと、何かしゃべろうかな「こんにちは、コレ何でしょうか」
録画を止めて、再生してみると、自分の顔とともに画面の下に
<こんにちは、コレ何でしょうか>って字幕が出る。おーそういうことか、なんか面白いな、音声を変換できるってすごいな。
こんな機器は初めてみた。なんか面白そうだ。俺は持って帰ることにした。
帰宅したら桐乃はリビングで雑誌を読んでいた。さっそくキッチンにこの機械をセットして、桐乃の方に向ける。
で、もうすぐ誕生日だけど、って切り出したが、桐乃にキれられてしまった。まったく。
しょうがないか、でもプレゼント探すってあやせに言っちゃったしどうしようかな。沙織や黒猫に聞いてみようかな。
そんなことを思いながら、部屋でさっきのビデオを見直す。
「はぁ?あんたあたしにプレゼントでもしたいの?」
<あたしは兄貴がいるだけで充分だから。一緒にいてくれるだけでいいの>
「あれは取材の一環だからノーカウント」
<プレゼントありがとね。ホントあれで充分だから、もうモノはいらないの>
「ていうかあんた、あたし抜きで沙織や黒いのにも会ってるでしょ」
<あやせや加奈子なんか美形だから兄貴なんかコロッとなっちゃうかも、そんなのダメ、絶対。それに
なんで可愛い妹がいるのにあたしと遊んでくれないの、百歩譲ってもあたしも連れてけっつーの。もっとあたしと遊んでよ>
「(バシッ)(無言)」
<妹だから、彼女になれないからこんなんなっちゃってるんでしょうが。あーもう察し悪い、ムカつくなーもう>
なんだこれ、喋ってることと字幕が全然違うじゃないか。なんでだろうな。俺の時はちゃんと変換できたのに…
女の時は逆になるのかな?ちょっとわからなかった。何にしろこれじゃ使えない機械だ。
俺は無駄な物拾ってしまったな、と後悔しながら、もしかして、と思う。
もしかすると心の中を字幕化する装置かも… いやありえねぇ、俺の妹がこんなに可愛いわけがない。
ってね。
end
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最終更新:2011年03月20日 22:23