633 名前:つながるキモチ【SS】[sage] 投稿日:2011/03/20(日) 09:07:08.64 ID:SfGaQ9eFO [2/2]
「ところで、『京介さん』とはその後、うまくやってんの?」
「ちょっとランちん、いきなり何言いだすの!」
「まあ、ホントはこんなこと聞くまでもなく二人がラブラブなのは分かってるけどねー」
「ち、違うし…ラブラブとか…」
「顔真っ赤にして否定しても否定になってないからw」
「もぉ、やめてよー」

※※※
「ぶっちゃけ、傍から見てると完成されたバカップルなんだけどさ、
でもそんな二人も、ここだけは見てて初々しいなあ、って思うとこあるんだよね」
「いつの間にチェックしてんのよ!」
「まあまあ、細かいところは置いといて。
あたしが気になったのは『手を繋ぐ』とこかな」
「え?」
「腕組んで歩いたりしてるのは平気そうでも、手を繋ぐのには抵抗あるような感じなんだよねー」
「そ、それは…」
「お兄さんと手を繋ぐのはイヤ?」
「…イヤ、じゃないこともないこともないけど…」
「どっちなのよ!」

※※※
「アイツが、手を繋ぐことをどう思ってるか、わからないし…」
「お兄さんのほうから手を繋いでくるとか、ないわけ?」
「ない!」
「ふーん。まあ手を繋ぐってのは腕組むより肌と肌が直に触れ合うぶん
照れるっちゃ照れるのは確かだよね」
「そう。だから、もし手を繋ごうとして拒否られたらと思うと…」
「うーん、あたしが思うに、お兄さんが
桐乃がこんだけ純情乙女だってのを理解できればもっと上手くいく気がするんだよね」
「ちょ、純情乙女って…」
「加奈子から聞いたけど、桐乃がお兄さんと話すときって、言葉と本心とが逆になってることが多いみたいじゃん」
「ま、まあ、そういう時もあるかな…」
「何でも、その会話の真意を解読するには『きりりんがる』って能力が必要なんだけど、
お兄さんはイマイチそれを会得できてないとかって話だよ」
「加奈子、そこまで…」
「少しずつでいいからさ、お兄さんの前では、あたしらと話すときみたいに
もっと素直な桐乃を出してみなって」
「う、うん……」

※※※
後日、兄妹二人で出かける時
「あ、兄貴!」
「なんだよ桐乃?」
「その……手を、繋いでも、いいかな?」
「駄目だ、って俺が言うとでも思ったのかよ?」
「…不安だったから。本当の気持ちがわからなくて、不安だったから」
「不安、か。確かに、俺も、桐乃の本心が読めないうちは不安な時があったな。
でも、今はなんとか分かるような気がする」
「そしたら、手、繋ぐね」
「おう」

きゅっ

「あったかいな。凄いドキドキしてるんだけど、兄貴と手繋いでると、なんだか、ほっとする」

「何だか、桐乃にこうストレートに気持ちを伝えられると、ちょっと照れるな」
「あのね、これからは兄貴にはできるだけ素直になるつもりだから…」
「それなら、これからは『わけがない』を外さないとな」
「えっ何?」
「『俺の妹がこんなに可愛い』ってことだよ。言わせんな恥ずかしい」



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最終更新:2011年03月20日 22:42