698 :白い日【SS】 :sage :2011/03/20(日) 22:53:55.30 ID:qvTj4jOQ0
ある日コンビニから帰ってきてリビングに戻ると、妙にそわそわした桐乃が居た。
「ただいま」
「ん、お、おかえり」
おまけに素直に挨拶を返してくる。明日は雨か?
その後も落ち着かなげにして、こっちをチラチラ見てくる。
というより、俺の手に提げられたビニール袋を見ているような……。
ははあん。なるほどな。
「ほらよ」
「え?」
俺は袋からクッキーの箱を出して渡してやる。
こいつお菓子が欲しくてこっちを見てやがったんだな。
まったく変に子供っぽいやつだ。
「な、なに? くれんの?」
「欲しかったんだろ?」
「なっ……!」
急に耳まで真っ赤にしだす桐乃。そんなに恥ずかしいか?
「そ、そんなワケないじゃん!? だ、誰が、アンタからなんかの……」
「んだよ、良いから受け取っとけ。ほら」
「……ま、まぁアンタがどうしてもって言うなら? 受け取ってあげなくもないケド」
「じゃあどうしてもだ」
しゃあないから、今日はこっちが折れてやるよ。
いつもとか言うなよ。悲しくなるから。
「ん……あ、ありがと」
消え入りそうな声でポツリと呟く桐乃。
そして両手で抱えるように箱を受け取る。
こいつそんなにクッキー好きだったかな。
俺はそのまま部屋に戻り、特にする事もないので明日の準備でもする事にした。
えーと明日は何日何曜日だったか……カレンダーを見ると3月15日の火曜日か。
時間割は~っと。
End
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最終更新:2011年03月26日 23:14