44 名前:ウソカマコトカ【SS】[sage] 投稿日:2011/04/01(金) 02:33:14.73 ID:lulWEUAFO [1/2]
夜遅く、俺が妹様の部屋でゲームに付き合わされてると、
「今日は4月1日だよね」
「ああ、もう日付かわったんだな」
「ウソをついても許される日、エイプリルフール」
ん、いきなり何を言い出すんだ?

「ねえ、将来の進路のことなんだけどさ」
…そう言えば桐乃も、そろそろ将来の方向性を決める頃か…
「あんたのお嫁さんとして永久就職なんてどうかな、って思ってんの」
「ぶっ!」
何のつもりだこいつは?
って、これが4月馬鹿のネタかよ。やれやれ…
案の定、桐乃はニヤニヤしながら俺のほうを見ている。それなら俺も乗らせてもらうか
「いいんじゃね。俺なら桐乃を終身雇用してやるよ」
「…嬉しい。そう言ってくれて」
流石言い出しっぺは違うな。素の桐乃ならいつもはここで
「マジで言ってんの?キモッ、キモッ」くらいの返しがくるはずなんだが。
「で、結婚したら互いになんて呼び合うか?
俺は『桐乃』じゃ正直つまらないから『きりりん』て呼びたいんだが」
「ぶっ!」
今度は桐乃が吹き出す番だった。ざまあw
「あ、アンタ何言い出すのよいきなり!」
「今日は何月何日だっけか、きりりん?」
「わ、わかってるから…
そんならあたしは、あたしはあんたのこと『きょうちゃん』って呼ぶことに決めた!」
「待て、その呼び方はやめろ」
「そっかぁ……『きょうちゃん』って呼ばれるとはずかしいんだ。
じゃあ、ずっとずっと、『きょうちゃん』って、呼んであげるからねぇ」
ぐぬぬ……桐乃が麻奈実の声色真似して語りかけてくるとは!
それなら俺も負けるわけにはいかない!!

「なあ、きりりんは子供を何人欲しいんだ?
俺は、きりりんにも協力して貰って、たくさん子供を作りたいんだが」
「ちょっ……きょうちゃんはマジで変態なんだから。
協力って、あたしの身にもなりなさいよ!」
「うわっ、きりりん顔真っ赤にして可愛いなw」
「きょうちゃんこそ、あたしが『きょうちゃん』って言う度に顔が茹でダコみたいなんですけど!」
俺たちはこの後もやれ子供の名前だの、新居だの、しょうもない話で盛り上がってしまった。

「さて、いい加減寝るわ」
「そっか。でも、ぶっちゃけ楽しかった……あ、これはその、ウソじゃないから」
慌てたように桐乃が言う。
「そうだな、俺も面白いか面白くないかと言えば、圧倒的に面白かった」
「ならよかった。じゃあ、お休み兄貴」
「ああ、お休み、桐乃」


俺が部屋を出ていこうとすると
「ねえ、ウソばっかつき通すのって難しいよね」
「……そうだな」
「どの話がウソで、どの話がマコトだったか?」
「互いの言葉の真実は、神のみぞ知る、ってか」

「……」
「……」

「じゃあ、おやすみ」
「おやすみ」
俺も桐乃も、妙に照れた顔をして、お休みの挨拶をした。



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最終更新:2011年04月01日 16:21