373 名前:飛び入り王子様【SS】[sage] 投稿日:2011/04/04(月) 23:54:42.99 ID:Pjah/H+UO [2/2]
>>296から連想
高坂家秘蔵のビデオライブラリーより
「今日は桐乃のおゆうぎ会に来ています。桐乃のクラスは『白雪姫』の劇をやります。
桐乃が、なんとびっくり、主役の白雪姫をやってます」
「お母さん、桐乃はとっても可愛いんだから白雪姫やるに決まってるよ!」
「あらあら、うちの王子様からお叱りの言葉が。
さて、そろそろはじまるみたい」
舞台の幕が開いて、劇が始まる。
「うわあ、桐乃のお姫様、かわいいな」
「京介、もうちょっと静かにしなさい♪」
劇は終盤、魔女の毒りんごによって眠りについた白雪姫は
王子様のキスで目をさます……はずなのだが……
「どうしたのかしら、桐乃が起きないわね」
「桐乃に何かあったのかなあ」
王子様役の子がキスの演技をしたのだが、白雪姫の桐乃はいっこうに起き上がらない。
ざわつき始める場内。そこで園長先生が舞台に登場。
「皆様、どうぞお静かに……白雪姫さん。王子様がキスしたんだから起きないと駄目じゃないの?」
「…きりの、じゃなかった。しらゆきひめは、本もののおうじさまのキスじゃないとおきれないの」
「あらまあ。それじゃあ白雪姫さん、本ものの王子様はどこにいますか?」
「あたしのおうじさまは、今日おかあさんといっしょにここにきてます」
「ちょ、桐乃っ。まったくうちのお姫様ときたら…」
なんだかんだ言いながらも、佳乃の口調はこのハプニングを楽しんでるように聞こえる
「ええ、では白雪姫の本ものの王子様、来てくれますか?でないと劇が終われません」
場内が笑いに包まれる中、舞台に向けて駆け出す京介。
「王子様が来てくれました。それでは王子様、あとは頼みましたよ」
そう言うと園長先生は舞台から降りる。
「駄目じゃないか桐乃。ちゃんとおゆうぎやらないと」
「ごめんなさい。でも、きりのは、おにいちゃんのキスじゃないとおきないもん」
「じゃあ、キスするから、あとはちゃんとやるんだぞ」
「うん」
チュッ♪
「…これで何事もなかったのように、というのは流石に無理があるけど
とにかく白雪姫の劇はなんとか終わりを迎えました。めでたしめでたし」
※※※
「ほんと、バカップルにも程があるわよね、あんたたちは。
って、あら?二人ともいない」
現代の高坂家。リビングで母子3人で懐かしのビデオを見てたはずなのだが、
兄妹はいつのまにか姿を消していた。
「最後にとっておきを用意したんだけど、流石にこれは毒が強すぎたかしら♪」
(やれやれ、お袋ときたら、なんてモノ見せてくれるんだ)
京介が自室に戻ると、そこにはベッドに横たわり目をつむる桐乃の姿が
(これって、おい……)
「まったく、しょうがない奴だよ。うちの姫さまは」
京介はそう言うと部屋の扉を閉めた。
えっ、この後どうなったかって?言わせんな恥ずかしい
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最終更新:2011年04月06日 00:08