396 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/04/05(火) 17:39:10.70 ID:of5dJjOY0
アニメしか見ていないにわかだが、>>384をみて即興で書いてみた。
地の文を中心に全体的におかしいのは仕様です。
話はいつものように唐突に妹に呼ばれたことで始まった。
厄介事の予感しかしねーのに付いていく俺もどうかと思うけどな。
「ここに座る」
中学英語の教科書のような必要最小限の言葉で指示された場所は、桐乃の隣だった。
「??? 何をたくらんでいるんだか知らんが……まぁいい、コレで良いのか?」
「なんで上から目線なのよ。 そしたら目を閉じる」
「上から目線はお前の方だろ」
「ちゃんと目を閉じた? ずるしてないわね?」
「大丈夫だよってぇ!! お、おまえいったい何を」
いきなり頭がふわりとした感触に包まれた。
「くすぐったいから暴れるな」
「いや、何が起きたの? なんで俺は頭を抱きかかえられてるの?」
「だ、だからおとなしくしろっての。
それともなに? 胸が顔に当たって恥ずかしいって? 妹になに欲情してんのよ、シスコン、キモ」
いや、胸が顔に当たっているのは事実だが、そんなこと気にかける余裕はなかった。
相手が桐乃だとか妹だとか関係ない。そんな些細なこと頭から吹き飛ぶぐらい、この体勢は恥ずかしすぎる。
しかし。
「おまえ震えてるのか?」
「ちがっ、コレはアンタが暴れるからくすぐったくて」
「わかったよ、これで良いんだろ? それで一体何の真似だ?」
「それはその、だから、あの。 最近兄貴も頑張ってるみたいだし?」
「俺は妹にご褒美をもらうほど落ちぶれたつもりはないんだが」
「話の腰を折らないでよ。 そうじゃなくってね、そうじゃなくって……」
何を言っているのかと思う間もなく、俺の頭を抱きかかえている手に力がこもる。
「たまには、私を頼ってもいいんだよ?
あたしのことだから憎まれ口を叩きながらになるけど、それでも頼られたら絶対にこたえるから」
桐乃の体から震えが伝わってくる。
俺は思わず桐乃の体に腕をまわしていた。
「ん、まぁそのうちな」
兄として妹に頼るのには抵抗があったが、俺は思わずそう答えていた。
そのうちというあいまいな返事、それでも桐乃は満足したのか頭に回された腕から力が抜け、さらに頭の上にもふたがされた。
ちょうど頭頂部のあたりに桐乃の吐息を感じる。
さっきよりももっと恥ずかしい体勢だが、とても落ち着く体勢だった。
「ハイ、もう終わり」
桐乃が突然始めた奇妙なひと時は、同じく桐乃の手で唐突に終わった。
「なによ、捨てられた子ネコみたいな顔して。 そんなに気持ちよかったの?」
「そういうんじゃねーよ。 なんつーか、とにかくその時はよろしくな」
「任せなさい」
桐乃の浮かべた頼もしげな笑顔は、可愛いというよりは綺麗というべきものだった。
-------------
最終更新:2011年04月06日 00:10