326 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/04/09(土) 11:06:08.45 ID:xl6vnQUaO [7/14]
ろりりんあめねたはいただいた
童謡「あめふり」の全歌詞をこの歳になって知ったw
※※
「あめあめ ふれふれ おにいちゃんが
じゃのめで おむかえ うれしいな
ピッチピッチ チャップチャップ
ランランラン♪」
「桐乃、そんなに大きな声で歌ってると、はずかしいだろ」
「だってうれしいんだもん♪」
「おにいちゃん、『じゃのめ』ってなに?」
「うーん、なんだろう?」
そんなこんなで兄妹が歩いてると
「ねえ、おにいちゃん。あそこに…」
「ん?」
見ると、柳の木の下に、傘を持たずに女の子が一人たたずんでいた。
桐乃が声をかける。
「ねえ、どうしたの」
「雨がやむのをまっているの」
「カサはもってないの?」
「……家にある」
「お母さんがおむかえにくるの?」
「こない。だから雨がやむのをまってるの」
「それなら、これをつかって」
桐乃が女の子に自分の傘を差し出す。
「桐乃!」
「だっていつ雨がやむかわからないでしょ!
あたしは、おにいちゃんのカサにはいるからいいんだもん!
だからこのカサ、つかってよ」
「ほんとうに、カサをかりていいの?」
「いいの、いいの。じゃあね」
「……ありがとう……あっ、まって、あなたの名前とお家を…」
でもその時には、もう高坂兄妹は離れたところを歩いていた。
「あたしなら いいんだ おにいちゃんの
おおきな じゃのめに はいってく
ピッチピッチ チャップチャップ
ランランラン♪」
「桐乃、叫ばないでもっと上手に歌えよ…」
「おにいちゃんとあいあいがさ、うれしいな♪」
「そんな歌じゃないだろ。もう、周りの人が笑ってるじゃないか!」
「行っちゃった、でも、ありがとう。
……おにいちゃん、か……」
おかっぱ頭の女の子は、桐乃のカサをさして家路につく。
※※※
「ねえさま、しつもんがあります」
「あら、どうしたのかしら?」
「おし入れにしまってあるカサは、どうしてつかわないのですか?」
「あのカサは、大事な大事な思い出の品物なの。
だから大切に取ってあるのよ」
「そうだったんですか」
名前のかかれてない小さなカサは、今も大事に大事に五更家の押し入れにしまわれている……
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最終更新:2011年04月10日 01:36