818 名前:【SS】1/2[sage] 投稿日:2011/04/11(月) 17:26:34.80 ID:4XgLhaVY0 [1/2]
なんかそうやって傍から妄想するのもいいね~
あやせたん視点で眺めてみようぜ
「誕生日おめでとう~!!」
「ありがとー」
今日は桐乃の誕生日、私と加奈子は『思いっきり騒ぎたい!』っていう
桐乃の要望に応えてカラオケパーティルームに来ている。
ここなら食事も注文できるし騒いでも平気だし、
何より皆の家から遠くないから門限の時間いっぱいまでゆっくり出来る。
「もう、今日は思いっきり歌っちゃうからね!」
「加奈子にもちょっとはマイクよこせっての~」
「これ、みんなで食べてみない?新製品だって」
「あ、イイカモ。今日は外で食べてくるって伝えてるからちょうどいいや」
こうやって桐乃と楽しく過ごす時間はとても短く感じる――
でも今日の桐乃はなんだか少しイライラしてるみたい。
昨日お兄さんと喧嘩したって言ってたからそれが原因なのかな?
だとしたら後でとっちめないと――
pppppppp………
突然、桐乃のケータイが鳴り出した。メールみたいだけど誰から?どんな内容?
桐乃の表情がさっきまでとまるで違う。怒ってるの?喜んでるの?
「ごめん…アタシの為にパーティしてくれてるのにホントごめん!」
「どうしたの?」
「ちょっと急用ができたみたいなの!この埋め合わせは今度するから先に帰っていい?」
「ええ~?主役のクセに早退ってどういうことだよぉ?」
「加奈子!桐乃が悪気があってそういうことする筈ないじゃない!」
「まぁそうだけどぉ?チッ、まぁいいや」
「ホントごめんね?」
「いいから気を付けて帰ってね?」
「うん。あやせ、加奈子、今日はアリガト!」
そう言って桐乃は帰ってしまった。
あ~あ、しょうがないか。後でメールしておこう……
でもその日、一晩たっても桐乃からの返事は来なかった――
819 名前:【SS】2/2[sage] 投稿日:2011/04/11(月) 17:27:31.91 ID:4XgLhaVY0 [2/2]
「おはよう、桐乃」
「おはよう、あやせ」
「ねえ何で昨夜メールの返事くれなかったの?」
「あ、ホントごめん!うっかりしてて全然気づかなかったの!ごめんね」
「もう、しょうがないなぁ……あれ?その首のところどうしたの?」
なにか赤く腫れたような指先くらいのアザが出来てる――
桐乃は、はっ!と驚いたような仕草をした後、
首筋を抑えてテレ隠しみたいに「虫に刺された」と言った。
「指も怪我したの?」
左手の薬指の付け根に絆創膏が貼ってある。
「あ、うん。ちょっとね」
さっと隠すように体の後ろに手を回す。どうしたんだろう?
「それより早く教室入ろっ♪」
なんだろう?今日の桐乃はやけに機嫌がいいみたい。いいことでもあったのかな?
「あっ、痛た…」
「どうしたの桐乃?」
「な、なんでもない!!昨日ちょっと足ひねっちゃって歩きにくいだけ!!」
「そ、そうなの?」
腰のあたりを少し抑えるような感じで歩く桐乃――本当に大丈夫なのかなぁ…
「なんか今日の桐乃変じゃね?」
「え、そうかな?どの辺が?」
加奈子は今日の桐乃の様子がおかしいという。
左手を見ながらニヤついたり、
トイレで自分の首を見ながらぶつぶつ言ってたり、
ケータイを開く回数がいつもより多かったりするらしい。
それは私も思う。やっぱり私だけじゃなかったんだ。
いつものように一緒に帰ろうと誘ったけれど、寄るところがあるって断られた。
おかしい、本当にいつもの桐乃じゃないみたいだ。
気になってこっそりつけてみたらお兄さんと一緒に歩いていた――
ねぇどうしてそんな嬉しそうな顔してるの?昨日何があったの?
『昨日、何してた?』end
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最終更新:2011年04月13日 01:01