189 名前:【SS】[ssige] 投稿日:2011/04/14(木) 00:30:32.56 ID:Sawn328a0 [1/4]
【SS】治療薬
ある日、学校が早く終わり家に帰ってみると珍しく親父がリビングにいた。
眉間に深く皺を寄せ、腕組みしながらソファに座っている。
「…ただいま」
「…帰ってきたか」
「めずらしいな、平日に親父が家にいるなんて…」
「…京介、話がある」
ソファから立ち上がり。
「着替え終わったら、俺の部屋に来い」
「あ、ああ。わかった」
親父はそう言って、リビングから出て行った。
俺もすぐに自分の部屋で、着替えて親父の部屋に向かった。
[親父の部屋前]
コンコン
「親父」
「…入れ」
ガチャ
「なんだよ親父、話って?」
「………」
「実はな京介。―この前、署での健康診断があってな」
「診断で異常が見つかり、すぐに病院で精密検査してもらったのだ」
「!?」
それって、やばいじゃないか?
「検査の結果…『コウサカキリノクンカ症候群』と呼ばれる、最近見つかったばかりの未知の病気だ」
「この病気は初期には自覚症状が無いが悪化すると禁断症状のような幻覚、幻聴に襲われ、最悪の場合は死に至るらしい」
「しかも、その病気は治療による完治は不可能で、投薬により症状を抑えるしかないのだが、どこの医療機関でも薬は作れずにいるらしい」
「!!」
どうするんだよ親父!
「しかし、幸いなことにある掲示板では視覚を通して作用する治療薬を配布されているらしい」
「そうなのか」ホッ
「そこで、京介。お前の部屋のパソコンを使わせてほしい」
「わかった」
[京介の部屋]
京介と大介はパソコンの前に座り
パソコンを立ち上げ、準備する。
「で、何処の掲示板なんだ?」
「ああ、これが医者に紹介された掲示板のアドレスだ」
親父がアドレスが書かれたメモを渡し、京介がアドレスを打ち込む。
「おっ、ここか」
ページが開くと誰かに似たAAが出迎えてくれた。
「なんだこれは?これが治療薬なのか?」
「違うだろ。掲示板のTOP絵みたいなもんだろ」
「そうか、だがよくできているな」
掲示板をスクロールして下を見てみる。
「普通の掲示板とあまり変わらないかな。【SS】って書かれてる奴が多くあるけど、長そうなので飛ばすか」
「京介。ここにアドレスが載っているぞ」
「おっ、本当だ。ここから治療薬が配布されているのか?」
カチッ
「「ブーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっつ!?」」
*映し出された絵を見て、盛大に吹く二人。
*(桐乃と京介がイチャコラしてる神絵師の絵を各自で選んで妄想してくれ)
目を引ん?いた極道面で俺に掴み掛る親父。
親父マジ怖ええ!
「なんだああ!これは!?」
「俺が知るか!!」
「ま、まさか京介! こ、こ、こんなことをしているのか!?」
「し、し、してわけないじゃないですか!?」アセアセ
「…そうか」
俺を離して、画面に映し出された桐乃の絵を見つめている。
「………最初は驚きはしたが、これはいいものだな…」
「…ああ」
俺もそう思う。
画面に映し出された絵の中で桐乃は病気なんて吹き飛ぶような、晴れやかな満面の笑顔だった。
―まあ、最近見たばかりだけどな!
―それから、数日後。
夕飯を食べ終わり、部屋に戻ってパソコンを起動したとき
コンコン
「京介、少しいいか?」
「ああ、俺も今入ろうとしたところだよ」
「そうか」
親父も俺もすっかりあそこの住人になってしまっていた。 ‐完‐
*おまけ*
最近、兄貴とお父さんが妙に仲が良い。
夕食のあと、兄貴とお父さんは兄貴の部屋でなにかやっているみたい。
時折、部屋から
「「きたあああああああ!」」
「「ヤバイ、ヤバイ!」」
「「でゅふふふふ」」
と奇妙な声が聞こえる。ゲームでもしているのかな?
一度、入ってみようかと思ったが、やめた。
だって、あの強面のお父さんがもしエロゲーでもやっていたらこわいもん。
今度の兄貴とのデートのとき、さりげなく聞いてみようかな?
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最終更新:2011年04月17日 01:33