395 名前:会員No.1【SS】[sage] 投稿日:2011/04/15(金) 23:19:35.56 ID:VIMZa6NOO
「ねえ、このネットの履歴なんだけど、『高坂桐乃 ファンクラブ』ってフレーズは、一体どういうことなのよ?」
「そ、それはだな……」
「妹のファンクラブに興味津々とか、何考えてんのアンタ?きちんと説明してみなさいよ!」
※※※
最近、モデル活動をしてる桐乃が外の奴らからどう見られてるかが、気になるようになってきた。
謂われのない中傷をされてないだろうか?変質者に執着されてないだろうか?
そうしたことを調べる過程で、ふと、桐乃の私的ファンクラブみたいな物があるのかを検索してみたのだった。
調べてみると確かにファンクラブと名乗るサイトが実在していた。
大きく分けると二種類だ。一つは読モとしての桐乃のファンクラブ、もう一つはおそらく桐乃の同級生による学園アイドル視点からのファンクラブだった。
前者はその、なんだ、こう言っては何だが閲覧していて笑いを堪えるのに必死だったぜ。
というのは、とにかく桐乃が素晴らしい兄思いの妹として美化されまくってるからだった。
何が「こんな超絶妹に愛されてる兄は世界一の幸せ者に違いない、爆発しろ!」だ。
まあ、確かに桐乃が「超絶妹」なのは認めるよ。だがな、その意味はお前らが思ってるのとは天と地の差があるんだよ!!
まあ前者にそんな感想を持つ一方で、後者には、
同級生視点から桐乃の内面に迫ってるんじゃないかと期待してたんだが、
桐乃は学園生活においても隙がないようで、たいした情報は得られなかった。
それよりも気になったのは、同級生によるファンクラブサイトは二つ見つかったんだが、
いずれもほぼ同時期に更新が止まってることだ。
気になってさらに調べると、どちらもコメント欄に「藤崎」と名乗る人物から
接触を求めるメッセージが寄せられてから放置状態となっていた。
まさか藤崎あやか=あやせ?
いやいやいや、これ以上知りすぎるとヤバそうな気がする。詮索は止めておこう。
…とまあ、俺の「桐乃ファンクラブ」探索はこんな感じで幕をおろした訳だ。
しかし思い出してもイラつくのは、
連中が桐乃をモノにするのに兄貴の俺をどう攻略するか、的な分析がなされてたことだ。
ふざけんな!テメエらみたいな底の浅い連中に桐乃を渡せるかよ!!
兄貴を攻略だと?おもしれえ、かかってきてみやがれ!!
…あれ、俺は何を興奮してるんだろうか???
※※※
「…アンタ、話聞いてんの?」
「あ、ああ」
「で、アンタは、その、あたしの…ファンクラブに入りたい…わけ?」
「どうしてそうなるんだよ?」
「アンタがどうしても、あたしを愛でたいっていうなら…考えないこともないケド」
待て待てまて、どうしてそんな方向に話が進んでるんだ?
てか、なんで桐乃さん顔を赤らめてるんすか?
「決めた。アンタ今日からあたしの公式ファンクラブの会員だから」
「えっ、何言ってんの?」
「陰でこそこそシスコン活動しなくても、これからは、あたしが公認してあげるんだから
か、感謝しなさいよね」
「いや、全然わけがわからないんだけど」
「文句あるの?嫌ならこれからあんたのことをユアファイルホストって呼び続けるから!」
「なんでその名前を…てかそれだけは勘弁してくれ!」
「じゃあユアファイルのエロ動画閲覧は不問にしてあげるから、あんたファンクラブ会員決定ね!」
「どうしてこうなった…」
※※※
そんなこんなで俺は、高坂桐乃公認ファンクラブの、今のところ唯一の会員の立場にある。
こんどの休日は、ファン感謝イベントと称して桐乃を遊びに連れていくことになった。
てか、ファン感謝イベントってのは、ファンが企画するもんじゃないだろ。逆だ逆!!
しかしだ、桐乃のやたら嬉しそうな笑顔を見ると、俺はやれやれと思いながらも
あいつの喜びそうなプランをどうにかして作ろうと無我夢中になっていた。
え、何? シスコン乙?うるせえ!!
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最終更新:2011年04月17日 02:03