804 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/04/18(月) 23:48:59.46 ID:Z85vDN3X0
んだば俺も乗っかって赤い糸ネタのSSを
痛ててててて………まいったなこりゃ。
学校の体育の授業中、飛んできたボールが顔面強打。
パンダにならなかっただけマシだがこの痛み何とかならないか?
保健の先生に眼科に行けと言われ帰りがけに寄ったが異常無し。
とりあえずホっとしたものの痛みがひどい。
「ただいまぁ」
「あら京介、遅かったわね」
「ちょっと病院に寄ってきたから」
大雑把に事情を説明して遅れた理由を話し、ギリギリ間に合った夕食にありつく。
「痛みがひくまで目を酷使するようなことはよせ。念の為だ」
「へ~い」
親父からのお達しだ。今日はツイてなかったと思ったが、
これで桐乃のシスカリに付き合わずに済む理由が出来た。
こういうのを怪我の功名って言うのかね?
「あれ?お袋、左手になんかついてるみたいだぞ」
飯を食い終わった時にお袋の左手に何かついているのを見つけた。
糸クズのような赤い何か――なんだろう?
「へ?どこに?」
「その小指のところ」
「何もないわよ。ねぇ本当に目は大丈夫?」
ええ~?はっきり付いてるだろ、なんか妙に長い糸が!
「京介。ちょっと目を見せてみろ」
親父がおもむろに俺の左目を覗き込む。
「ふむ、出血しているようには見えないが……」
「あれ?親父の手にもなんかついてないか?」
「うん?」
「その左手の小指……」
お袋と同じように赤い糸クズのようなものが―――
「何もないぞ。どんなものが見えるんだ?」
「赤い糸が……親父の小指とお袋の小指に………?」
辿っていくと親父の小指にある赤い糸がお袋の小指へと繋がっていた。
「バ、バカモン!!親をからかうんじゃない!!」
珍しくほほを染めた親父が妙な感じで俺を叱り飛ばす。
お袋は何かスッゲーニコニコし始めて親父に寄り添ってきた――
「京介もなかなか気の利いたこと言ってくれるようになったわねぇ。
ご褒美にもう一人弟か妹あげましょうか?」
「いらねーよ!!」
桐乃だけでもう十分だって!!
しっかし『子供の前でよしなさい』と慌てふためく親父の姿が面白かったな。
意外と尻に敷かれてるのか?
――でも本当に見えてるんだけどな、赤い糸が。
もしこれが本当に『運命の赤い糸』というやつなら、
親父とお袋は運命で結ばれた者同士ってことか。
っかー!羨ましいね!そういう相手がちゃんといて!
「……それなら俺はどうなんだ?」
ふと自分の左手の小指に目をやる。そこにはしっかりと赤い糸が結ばれていた。
――もし本物なら、この糸の先には俺の運命の相手がいることになる。
糸はリビングのドアの先、玄関を出て外へと繋がっていた。
「ちょっと出かけていいか?すぐ戻るから」
両親に声をかけて靴に履き替える。
いつまでこの糸が見えるのかわからないから、今のうちに確かめておきたい。
ものすごく遠い所まで伸びていたらどうしよう?
そんな不安もあったが余計なお世話だった。糸は近所のコンビニの中へ続いている。
「いらっしゃいませー」
中に人は少ない。俺だけに見える糸を辿りながら店内を進むと、
見慣れたライトブラウンの髪の毛が目に飛び込んできた――
「き、桐乃?なんでここにいるんだ?」
「ハァ!?アンタこそ目ぇ休めとけって言われたのに外出なんてしてんのよ」
「ちょっと買い物だよ。お前は?」
「………予定消えたから時間つぶし」
そんなにシスカリ対戦したかったのかよ。やれやれ…………………あれ?
不機嫌そうに雑誌をまた読み始める桐乃の左手の小指にある赤い糸が目についた。
コ、コイツの相手も見えてしまうのか!?だ、誰なんだ!?
……でもコンビニから出てた糸は一本だけだったよな?
恐る恐るその糸の先を探る――おいおい、神様これは何の冗談だ?
その赤い糸の先はしっかりと俺の左手の小指に行きついたのだ―――
最終更新:2011年04月19日 14:53