835 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/04/19(火) 01:15:31.08 ID:4JJpNy+v0
>>834
むしろ、どれが京介の反応がいいか試しているのかもしれんなw

さて、788ですが、>>794さんをネタに、また書いてみました。

一応、次のスレ番が38なので、それもかけて書いてみました。

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題名 「運命の誓い」

今日は桐乃と料理することになった。
珍しい。というか、初めてだ。
おやじとおふくろは、めずらしく1泊2日の旅行に行くことになって、週末は桐乃と二人きりとなったわけだ。
・・・本当は、麻奈美の家やら外で飯を食べるのもよかったが、
「べつにー、あんたは外でご飯食べてもいいけどー?そのかわり、あんたの性癖を英語でばらすから。
 busty girlとかbig boobsとか」
と俺のプライドと世間体とを引き換えに交渉しやがったから、家で料理をすることを喜んで選択しましたよ。
ちくしょー!あの時の俺、キャッシュの消し方やら検索履歴の設定くらいは覚えておけよ!

「お前から料理するって言うのは珍しいな・・・」
料理と言ってもカレーだけどな。
「はぁ?いつ、あたしが料理したくないなんて言ったの?勘違い乙」
「い、いや、けどな、お前、ほとんど部活とかモデルの仕事とかで料理したことねーだろ」
「はぁ?あんたが見えないところで練習してるかもしれないじゃん。そういう思い込み、うざっ」
「俺が見る限りお前が料理しているところを見かけた覚えはない。断言する!」
「だ、断言するって!なに、あ、あんた、あたしのことずっと観察してるわけ!?きもっ、きもっ、マジきもっ!」
「観察じゃねーよ。わざわざ観察しなくても、お前が料理をする時間がとれないのは明らかだろう。」
「はんっ!ば、馬鹿にしたね、あんた。カレーくらい簡単に作ってみせるんだから、みてなさいよ!」
「って言ったそばから包丁振り回すんじゃねー!?」
「うっさい!あんたは黙ってあたしが料理している様を見てればいいのよ!」

・・・・・・・
・・・・・
・・・

――案の定、目の前には、塩酸で溶かされた固形物みたいな、ドロドロしたおぞましい料理が出てきた。

「はあああ。ったく、できないならできねーって素直に言えばいいだろー。」
「・・・・・だって、あんたが、馬鹿にするから・・・」
「あー、うん、それは、すまんかった。」
「・・・・・・・いいけど、これ、どうしよ」
「・・・よし、ここからリカバリーしようぜ。まず包丁持てよ。」
「う、うん」

桐乃の右手に包丁を持たせ、俺が桐乃の右側に立ち、包丁の扱い方からレクチャーする。

「まずは持ち方こうだ。それで、こうやって野菜を切るんだ」
「う、うん」

ぎこちなく野菜を切る。
ザクッ・・・・ザクッ・・・・ザクッ・・・

「おう。その調子だ。」
「そ、そぉ?ま、この程度、あたしだったらすぐマスターできるけどねー。」
「って言ってるそばから危ねーよ、バカ!」

―しばらく野菜を切る練習をした後、だいぶコツが分かってきたのか、材料を切る速度が早くなってきた。

「おー、いい調子だー。」
「あ、あたりまえじゃん。あたしの実力、やっとわかった?」
「へーへー。しかし、お前、料理までできちまったら、もう完璧超人で嫁いでも恥ずかしく無いだろうな」

うひひっと笑いながら、からかい半分でつい桐乃をかまってみると、

「へ? よ、嫁? 嫁ぐ? あ、あたしが誰に・・・って、いたっ!」
「お、おい、大丈夫か!すまん!」

桐乃の左手小指から、血が流れているのが分かった。

「う、うん。小指少し切っちゃったけど」
「待ってろ、ちょっと消毒液持ってくるからな!」

ドタドタドタ――

「おい、ほら傷口見せてみ」
おずおずと左手を出す桐乃。

「・・・ねぇ」
「おい、動くなって」
「・・・やだ」
「あ?やだって、おい」

桐乃は、血が流れている小指で俺の手の甲をなぞった。

「な、なにしやがる!」

それでも桐乃は血の文字を描き続ける。

「ねぇ、あたしたちってさ、血繋がってるじゃん。」
「は、はぁ?んなもん、当然だろ。」

そんなこと、いちいち確認して何があるって言うんだ。

「この血は間違いなく私の血だけど、あたしってパパとママから生まれたんだよね。だから、この血は、
 あたしだけの血じゃなくて、パパとママの血でもあるよね。」
「あ、あぁ。」

肯定するだけで精一杯だ。

「あんたもさ、パパとママの子だし、そして、あたしの兄なわけじゃん。
 だからあんたに流れている血は、あたしの血でもあるって思わない?」

 丁寧に、ゆっくり、一つ一つ言葉をつむぐ桐乃。

「なんかさ、まるで赤い糸みたいじゃん。見えないところで繋がってるって感じで。」
「・・・・」
「あたしの、これぐらいの思い込みぐらい、許されてもいいよね?」
「違うぞ、桐乃」
「え・・・?」
「見えなくねーよ。ほら、ちゃんと繋がってるだろ」
「・・・あ」

俺は、ギューッと桐乃を抱きしめる
桐乃は最初目を丸くして驚いたが、次第に子猫が安心して眠りにつくように、幸せそうに目を細めながら京介に身をゆだねる

「俺は、とんでもないシスコンだ」
「・・・うん、知ってる・・・」
「お前が思っている以上にだぞ。」
「・・・・そう、なんだ。」

嬉しそうに、頬を赤らめながら。

「俺の38(身は)、お前を守るために生まれてきたのかもな。それも前世から運命づけられていてな」
「・・・・・うん。絶対そうだって・・・そうじゃなきゃわたし・・・嫌だもん。
 あんたが、あんただけいれば、私はずっと、側にいてあげるんだから・・・」
「・・・だったら俺は、側にいてあげられるぜ」

結局、夕飯は白米だけになった。

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最終更新:2011年04月19日 14:55