282 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/04/23(土) 01:00:58.30 ID:JvqYdHah0 [2/2]
んじゃ飲み物とか
なんか前日譚の風呂場のようなくすぐったいような空気感が好きなのさー

リビングに入ると冷蔵庫の灯りが見えた。
あん? お袋のやつが何かつまんでんのか?
「なぁ、麦茶くれよ」
暗くてよく分からず言ってからしまったと思ったよ。
そこにいたのはライトブラウンの髪をなびかせた俺の妹だったからな。
「…………ウザ」
辛辣な言葉がさっそく俺に投げかけられる。
「チッ」
あ~~夜でもコイツのムカつき具合は変わんねえぜ。
頭をかきつつリもう近づいちまったので踵を返して戻るのも癪な気分だ。
せめてさっさと冷蔵庫からどいてくれ、麦茶がとれやしねえぜ。
なんてことを思っていると、
「……………ん」
「え?」
「なに? いるんじゃないの?」
「お、おう……」
あり得ねえことに桐乃が麦茶のパックを寄越してきた。
呆けたように受け取ってそのままコップにつぐ。
どうやらこいつも喉が乾いたのか手には同じ飲み物を持っている。
「……コク、コク…………」
「…………ゴク……」
時計は深夜1時を回ろうとしていた。
普段は話すことも近づくこともしない妹と、暗がりの中で麦茶を無言で飲む。
チラリと横目に見ると――、

てな感じの

288 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/04/23(土) 08:08:30.98 ID:HSRm3szsP [1/3]
>>282の続きな感じで書いてみた


――はたと目が合った。
一瞬、予想外の出来事に俺は体を硬くする。
が、ふい、と何事もなかったように目を逸らされた。
……ま、そりゃそうか。
結局のところ、俺たちの関係とはそういうものなのだ。
こいつにとっては俺は道端の石ころのようなもんで、大して気にする相手でもないということだ。
さっき麦茶を取ってくれたのも、何かの気まぐれだったんだろう。
桐乃は俺が嫌い。俺も桐乃が嫌い。
だからこいつは俺を無視するし、俺もこいつのことなんか気にもしない。
つまりはそういうことだ。
今更ハラをたてることでもない。

コトリ、と物を置く音がした。
どうやら俺がいらんことを考えてるうちに桐乃は飲み終えていたらしい。
「麦茶、しまっといてよ」
へいへい、言われなくてもわかってるよ。
まだ少し喉が渇いていたから、もう一杯飲むつもりだったし。
もともと俺の返事なんぞ期待してなかったのか、桐乃はスタスタと俺の横を通り過ぎていく。
そんな桐乃を横目にみるが、暗がりのせいで表情はよく見えない。
見えたところでどうというわけでもないが。
リビングを出ていこうとする桐乃の後姿を見やり、俺はもう一杯のお茶をつぐ。
「――――」
は?
俺は思わぬ科白を聞いたような気がしてリビングの出口のほうを向くが
パタン、と既に戸は閉まった後だった。
あいつ……もしかして今「おやすみ」って言ったか?
一体今日はどういう日だというのか。
普段話すこともない、近付きもしない、そんな妹とのひと時の会合。
その終わりに投げかけられた思いがけない言葉。
別にそれは気にするようなもんでもないんだろう。ないんだろうが……悪い気はしなかった。
だからかね。既に部屋に戻った妹に対して、聞こえもしない科白を吐いちまったのは。
「おう、おやすみ」
暗闇に溶けていく自分の言葉を聞きながら、俺は残った麦茶を全て飲み込んだ。




実は前日譚持ってないから雰囲気がよくわかってなかったり……
それっぽく書いてみたがなんか雰囲気違ってたらスマン



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最終更新:2011年04月23日 20:11