343 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/04/27(水) 23:11:10.96 ID:YwwcRNMR0 [3/3]

SS『変態対決』


「お兄さん、お話があります」

その日、下校途中にあやせに呼び止められた俺は、
また相談があるのかと、内心楽しみにしながら家に戻ったんだが………

「それで、どうしたんだよ、あやせ」
「お兄さんが桐乃の事を愛している事は、わたしも良く分かっています。」
「ま、待て!一体何を!?」

開口一番、あやせから飛び出した言葉は、
俺の想定のはるか斜め上を飛び越えて襲い掛かってきた。

「だから、お兄さんが、桐乃にエッチな事をしたい」
「ちげーよ!だいたい、何を根拠にしてんだよ!?」

なんて事言いやがるこのアマ!?

「そんなの、お兄さんのいやらしい視線を見てれば誰でもわかりますっ!」
「お、俺、いやらしくないぜ?」
「嘘ですっ!桐乃の顔だけじゃなくて、胸もお尻も、穴のあく位に見てるくせにっ!」
「そ、そんなことしてねー!」

見てねーよ!あいつがはしたない格好でうろついてるから、
見えちまってるだけだっての!

「桐乃の、Fカップ88cmの胸だって、ホントいやらしい目で………」
「ちげーよっ!そもそも桐乃は82-54-81のDカップだっての!」
「………やっぱり、スリーサイズだってちゃんと知ってるんですね………」

………はっ!?ハメられたっ!?
つか、あやせたんもなんで知ってんの?

「お兄さん、これでもまだ、言い逃れを続ける気ですか………?」

あやせは、じりじりと俺に近づいてくる。
つか、その後ろに回した手に持っているのは何ですか!?

「わかった認めるさ、そーだよ俺は桐乃の事が大好きだ、愛してると言ってもいい!」
「こっ、このっ………変態っ!」

これまで、何度、あやせたんに変態呼ばわりされてきただろう?
だがっ!

「変態か、その言葉、今の俺にはそよ風に過ぎないぜ」
「くっ、くぅっ………」
「だいたい、俺が誰を好きであろうと、お前には関係ないだろ?」
「関係ありますっ!わ、わたしも桐乃の事愛してますからっ!」

な、何だって?
あやせたんが?桐乃を?アイシテル?

「お、おまえっ、そ、それって」
「わ、わたしはお兄さんのような変態とは違いますからっ!
 純粋に、桐乃の事を愛してるだけですっ!」

そういう問題じゃねー気がするんだが?
いや、よく考えりゃ俺も『普通の』恋愛じゃねーしな。

「それに、わたしの方が桐乃の事愛してます!」
「んなわけねーだろっ!俺の方が桐乃を愛してるに決まってんじゃねーか!
 違うってんなら、具体例の一つでも出してみやがれっ!」

あ、あれ?俺、何言ってんだ?
相手は中学生の女の子だぜ………?

「ぐ、具体例ですね………
 わたし、桐乃の事、いつだって見守ってますっ、
 学校の中なら、トイレの中だって、シャワー室の中だって!」

あやせたん、普通はそういうの、ストーカーって言うんだぜ?

「お、俺だって、桐乃の寝息を確認するまではぜってー起きてるしな!
 それに、あいつが病気になったりしたら看病もするしな!
 おまえにはできねーだろっ!」

なんで俺、あやせたんに突っかかってしまうんだよ!?

「そ、それじゃあ、わたしだって、桐乃と一緒に勉強することも多いですし、
 桐乃によく抱きついたりしてます!」
「何ぃっ!?………お、俺なんか、桐乃のおっぱい揉んだことあるもんな!」

事故だけどね!

「き、桐乃の下着なんて、お兄さんは見たことないですよね!」
「ふっ!俺のベッド下のコレクションを舐めるなよっ!」
「しっ、死ねっ!この変態っ!」
「どうした、おまえの愛はその程度かよ」

フッ………勝ったな

「わ、わたしなんか、桐乃とお揃いのブラつけてますからっ!」
「むぐっ………俺なんて、桐乃のパンツ、毎日嗅いでんだぞ!」
「わたしだって、桐乃の部活後の汗の匂い、殆ど毎日かいでますっ!」
「俺は桐乃の裸を見るような関係だぜっ!」
「わ、わたしだって、毎日お風呂の時間に桐乃の裸を見ていますっ!」
「ラブホテルにだって行ったぜ!」
「桐乃と二人だけで旅行にいきましたっ!」
「………………………」
「………………………」

な、なんつー強敵だ!
まさか、あやせたんまでこんな変態だったとはっ………

「お、おまえもなかなかやるじゃねーか」
「お、お兄さんも、わたしが考えていた以上の変態でした」

お互い、武器を使い果たしてしまったみてーだな。

「今日のところは」
「この辺にしておいてあげます」

このタイミング、ばっちしじゃねーかよ?
そうか、俺は初めてわかったぜ
これが、『強敵』と書いて『とも』と呼ぶ間柄なんだな!



結局、その日、あやせはずいぶんと悔しそうな表情をしながらも
桐乃と話すことも無く帰っていったのだが………
というか、何故か、今、桐乃が俺の部屋にいるわけで………

「兄貴………さっきまであやせと喋っていたようなこと、全部本気?」
「え、えーと、全部聞いてた………のか?」
「う、うん。兄貴があたしのぱんつを盗っていってる事とか、
 そのぱんつを毎日くんかくんかしてることとか………」

う、うぉぉぉぉぉぉ!?し、死にてぇぇぇぇぇーーー

「それに、あたしのこと、あ、愛してるってとことか………」

そ、そうだよな、もう、いい加減覚悟を決めようか!

「ああ、本当だ。愛してるよ、桐乃。」



End.



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最終更新:2011年04月28日 09:34