412 名前：名無しさん＠お腹いっぱい。[sage] 投稿日：2011/05/04(水) 11:32:10.38 ID:/Jt1QtA/0
俺は、高坂京介。
今年で大学生活も二年目になる。
かねてからの約束で、一年間実家から通学したうえで今年からアパートを借りて一人暮らしを始めた。
部屋は一人で住むには結構広い。好立地で日当たりもいい。
近くにコンビ二もある。
こんないい条件なので、友達を呼びたくもなる。
だが、それは出来ない。
なぜなら…。
歯ブラシが二つある。
食器も二人分ある。
俺が開けちゃいけないタンスも置いてある。
ノーパソもひとつ余計にある。
そして極め付けには…ベッドがもうひとつある！！
つまり、どういうことかというとだな！！！
「たっだいまーーー！！」
「ここは俺の家だっ！！！」
「何言ってんの、あんたの部屋はアタシの部屋じゃん？」
「ジャイアンかお前は！！」
そう、毎週土曜日に泊まりにくるこの桐乃のせいである。
まぁ、桐乃が親父に頼んでくれたおかげでこんなにいい部屋をとってもらえたわけだが…。
最初から、こういうことを企んでいたわけなんだよこいつは。
「あのねぇ、あんたは高坂京介。アタシは高坂桐乃。同じ高坂家よ？」
「当たり前のことじゃねーか。」
「そう、当たり前。そして家という概念は建物ではなく人に依るものよ？」
「そりゃそうだ。人の住んでない住居は”家”じゃねぇよ。」
「だから、高坂家の人間のいる住居はつまり高坂家。アンタの住むこの部屋も高坂家。」
「……そう…かぁ？」
「あんたのこの部屋も高坂家の一部！ってことはここはアタシにとって家であって、”ただいま”であるわけよ！」
「ま、また何か微妙に正しいようなそうでないような理屈こねやがって…。」
まぁ何だかんだ言って、俺も嫌ってわけじゃないし、こうして妹が遊びに来てくれるだけ兄貴としては幸せものかもな…。
だけどなぁ…だけどなぁ！
「あのなぁ…お前がここに色々置いてるせいで友達も呼べないっつの。一見して、どう見える？この部屋。」
「まぁ、同棲してるなーと思うよね。学生の身分で。」
「だろ！？歯ブラシとか食器とかタンスはまだいい。このベッドだよ！！ごまかせねぇよ！」
「ごまかさなくていーじゃん。可愛い妹のですって言えば？」
「それ聞いてどう思う？」
「シスコン変態野郎。」
「わかってんじゃねえか！！！」
高校生の二年にもなって顔同様、性格もちったぁ丸くなってはきたがこういうとこは変わんねーなこの妹様は！
「アタシの荷物がここに置いてあれば女が寄り付けないじゃん？」
これである。最近は桐乃は自他ともに認めるブラコンになってきたっていうか…。
違うな。そりゃ多分ずっと前からそうだったんだろうな。
俺がわかってなかっただけで。
だから、こいつはまた昔の冷戦状態より前に戻ってきたんだろう。
俺の行くとこどこでもついてくる素直で可愛い妹にな。
「アタシってばブラコンだからね！」
こう開き直ってやがるから性質が悪い！！
「お前、それ他所でも言ってるのかよ？」
「うん。告られたときは、アタシお兄ちゃん大好きだからごめんって断ってる。すごいよ、一気にそういうの減ったから！」
俺の身元が割れたら剃刀送ってくるんじゃなかろうか…。
「安心したでしょ？兄貴。」
「…まーな、俺はシスコンなんでな。」
「アタシがブラコンでよかったねー、愛されてるよ？お・に・い・ちゃん♪」
「…そーか、お前がブラコンなせいで俺がシスコンになったんだ！」
「いや、逆だし！！兄貴がシスコンなせいでアタシがブラコンになったんだし！！」
多分、卵が先か鶏が先かって話みたいにどっちがってことはないんだろうな…。
「で？今日もエロゲーしにきたのか？」
「”兄貴と一緒に”エロゲーしたいから来たんじゃん。」
実に楽しそうに笑ってやがる。
この密室で兄妹が兄妹モノのエロゲーやるんだぜ？どう思う？
「…ったく、自分の部屋で一人でやりゃあいいじゃねぇか…。」
未だに俺は慣れないんだぜ？このシチュエーション。
「……だめ？」
「…う。」
これである。最近は意図的にこれをやってくる。
素直にお願いされて俺が断れたためしはまずない。
「はぁあ…わかったよ、しゃあねぇなあ…。」
「やった！」
高圧的に強制されるならまだ反論しようもあるが、これは逆に反撃不可能なんだよ。
へっ、シスコンだってか？わかってらぁ、ずっと前からな！
あぁ、そうだこれだけは言っておかなきゃなんねぇ。
「桐乃。ここは家じゃねぇんだから大声で歓声あげるなよ？隣は俺じゃねぇんだからな？」
「わかってるって～。あったりまえじゃん。」
やれやれ、ホントにしょうがねぇ妹だ。
まぁ、今なら声を大にして言えるけどな。
俺の妹はめちゃめちゃ可愛いってさ！
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最終更新：2011年05月05日 21:50
