307 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/05/22(日) 00:53:59.43 ID:Fk6raj470

【SS/大学生京介の同棲疑惑】

桐乃スレ45-140様および145様の構成を元に、勝手ながらSSを作成いたしました。
妄想主の希望に近い展開であったら幸いです。


――――――――オープニング――――――――――
高校を卒業し、東京都(とっても23区外だけどよ)にある○○大学に通う大学生となった俺、1年半前までは平凡な人生を歩んできた高坂京介。
今、季節は初夏。新生活にも馴染み初め、徐々に勉強漬けだった1年前の生活と180度違う環境を楽しめるようになってきた。


そう、当初、入学するはずだった地元の国立大学を蹴り、更にワンランク上の東京の大学を受験し、見事現役で合格した。
こういう風に現状に甘んじず、上を目指そうと思ったのは、一番身近な頑張り屋の影響であることは否定しない。
でも、合格しても浮かれてばっかりにはいかなかった。
それはそれは深刻な二つの問題点があって、その一つが通学するのに1時間半位かかることだ。
通えない距離でもないので、サラリーマンよろしく長距離通学を覚悟した矢先、両親から薦めてもらい自由な一人暮らしすることが許された。
よし、オーケィ、一つ目の問題点はクリアできた。だが、もう一つの問題点である『桐乃』はどうか。
もう自認しているが、重度のシスコン野郎である俺は、桐乃と離ればなれになる事を恐れたわけだ。
しかーし、決して桐乃と毎日逢えなくなるのが淋しくて辛いわけじゃない。あいつに近づく男がいてもブン殴れないのが悔しいのである!!
チクショウ!!こんな事なら麻奈実と一緒の地元大学に入学するんだった!!
桐乃は、そんな俺の気持ちを察してか、大学合格し、一人暮らしをすることが決まった後、こう言ってきた。
「京介、あんたは病的なシスコンだから、あんまり逢えない時間が長いと、久々に帰った来た時に、あたしが襲われるかも知れないし…。だから、毎週そっちに行ってあげるから感謝しなさいね!!」
「ふぇ!!」
「キモい声出すな!!あたしが居ないと寂しくて死んじゃうんでしょ!?あたしも襲われないし、京介も死なないし良いこと尽くめじゃん!!」
顔を焼きリンゴみたいに真っ赤にして俺を励ます桐乃が可愛くて愛おしくて死にそうになった。
「…、桐乃?やっぱり、お前が一番だな!!俺は、桐乃の一番傍に居れて本当に嬉しいぞ!!」
「!!!!!!!!!!!」
不意に抱き着こうとしたら、俺の胸を両手で突き飛ばし、急いでリビングから出て、ドタドタと自室まで戻っていった。



その後、なぜか桐乃主導で、俺の住む場所を相当こだわった条件のもと決め
(オートロック、間取りは絶対に1LDK、宅配ボックス付、脱衣所付、と社会人並のスペックを要求され、相当難儀したんだが…)
いざ、大学に入学したものの、知ってるやつは一人も居ないし、当初は不安だらけだった。
けど、体育会、文化会、サークル合同の新入生歓迎会(各々が自分たちはどういう事をやっているか説明するプレゼンの場だ)
の後にふと目についた『写真』サークルへの入会が俺の大きな転機となった。
「写真」なんてこれっぽっちも興味はなかったが、桐乃の笑顔を向けているその先にカメラマンがいることを考えると心中穏やかじゃなくなる自分がいた。
水着やミニスカ、その他、露出が多い写真を撮るときに、撮影者はどんな気持なのか?
勿論、プロだし、中学生ごときに欲情するはずもないと思うが、実の兄か異性としても意識せざるおえない魅力を持っている桐乃ならば…?
と、写真サークルの案内版の前で悶々と考えていると、超絶イケメンが声を掛けてきた。
「君、写真を撮ることに興味があるのかい?」

「いえ、身近な奴がモデルでして…。そんで、撮影する側はどんな気持ちなのかと思っていたんですが…」
「へぇ、奇遇だね。実は僕の弟がモデルでさ。でも、普通の雑誌だけじゃなく、こすぷれ?ってやつも嗜むんだよ」
「そうなん…、すか」
「どうかな。もし時間が空いているなら、我がサークルの説明をちょっとだけ聞いていかないかい?」
こうして俺は写真サークルへ入ることになった。

この事を家族や友人たちに話をした時の周りの反応は、親父以外、酷いものばかりだった。
お袋には親子そろって桐乃の写真を撮るのかと冷やかされた。(←将来的にはそうなると思う)
あやせには犯罪者と断定されたうえで通報されかけた。(←思い出しただけでも泣きそう)
黒猫や沙織には桐乃が居るにも関わらず『独占欲が天元突破したシスコン兄貴』と罵られた。(←否定できなかった)
肝心の桐乃は顔を下に向け表情を伺い知ることはできなかったが…、全身をワナワナと震わせていたから怒ってたのかも知れねーな。


…、とまぁ、そんなこんなで今に至るわけだ。



―――――――――本編―――――――――――

今日は金曜日、サークルで仲良くなった同期2名を初めてウチに招待し、とある疑惑を晴らす日だ。
実は、頑なに俺が部屋に誰も入れないせいで、彼女との同棲疑惑が持ち上がってしまったわけだ。
勿論、あの約束がある以上、俺には彼女なんていない。
それでも部屋に入れられない原因は押しかけ女房みたいに毎週やってくる桐乃だ。
仕方ねーだろ、桐乃のやつが自分の荷物をどんどん持ち込みやがってよ…。
可愛らしい小物入れ、インテリア、クッション、スリッパ、歯ブラシセット、食器…。と、この位はまぁ良いとしよう。
他にも、入浴なんかしたことねーのに入浴セット、泊まったことなんてねーのに、枕とかブランケット等々、いつ使うんだよっていう代物まであるんだぜ。
正直、俺の私物より多い気がする…。
まぁ、俺も俺で冷蔵庫にプリクラ貼ったり、机の上にツーショット写真を飾ったりしているもだからよ、
傍から見たら彼女とラブラブ同棲しているとしか思えない状況。
てなわけで、あらぬ疑いを掛けられぬよう昨日の夜、桐乃グッズを一通り風呂場に格納し、女のニオイを消し去り、男一人の生活に見せる工作を施し今日を迎えた。


「へぇ、良いとこに住んでるんだな、高坂」
「それほどでもねーよ」
オートロックのエントランスを通り、エレベーターで4階にある我が部屋の前にたどり着き、扉の鍵を開けて部屋の中に入ると…。

「…?」
おかしい、週に2日だけ漂う女の子の部屋って感じの凄く良いニオイがする。
「あれ、あいつの靴があるぞ…」
足元を見ると女物の可愛らしいミュールが行儀よく2足並んでいた。

「ねぇ京介、勝手にあたしの荷物片づけたでしょ!?」

俺が返ってきたことを察したのかリビングの扉が開き、露出の多いミニスカ姿で魅力的な太ももが露わな恰好をしたモデル様がこちらに近づいてきた。
「桐乃!?お前、なんで今日来てんの!?」
「それは…、今日あたしの学校が創立記念日で休みだからだケド…」
俺が突っ込むと、視線を逸らし、ちょっと気まずそうにしている桐乃。
やべぇ、くぁわいいじゃねーか、俺死ぬぞ!!

「すんげー、美人!!高坂、お前やっぱり彼女と同棲してんじゃん!!」
「こんな超可愛い子が居たら、お前がサークルで女子にがっつかないのも分るわ」
そうだろ、絶美人だろ、超可愛いだろ!?
俺の彼女だったらどれだけ良いか。だがな、現実は非情なんだよ!!

「お前ら、落ち付け。こいつは俺の『妹』だ!!」
「ちょ…。んな…、キッパリ…、…ないじゃん…」
桐乃は小声でボソボソと呟いている。ちょっと前まで機嫌良かったのに、拗ねちまったのか?
もしかして、俺たちの部屋に勝手に野郎2名を呼んだことを怒ってんのか?
すまん、桐乃。どうしてもサークルメンバーに俺の同棲疑惑を晴らす必要があってよ…。

「そんな下手な嘘つくんじゃねーよ、全然似てねーじゃねーか」
「どう見ても他人です。本当にありがとうございました」
何度言われたかその『似てない』って科白。いい加減、聞き飽きたぜ!!
「嘘じゃねーし。なぁ、桐乃。この2人に説明してくれよ」
「あれぇ、京介どうしたの?あぁ、そっか~。今日は『兄妹』ってことにするって話だったね」

不意に、腕を絡めて胸を俺の肘に押し付けてくる桐乃。
「ねっ、おにいちゃん!!」
「…おま!?」

満面の笑顔で俺を『お兄ちゃん』と呼んだ桐乃。演技だと判っているのに、くやしい、嬉しくて顔が歪んじゃう!!
「兄妹プレイかよ!!マニアックすぎるぜ高坂!!」
「…、プププ。ごめんなさい。兄貴をからかいたくって少し意地悪をしてしまいました」

桐乃は俺をからかって満足したのか、絡めていた腕を解き、同期2名に向かってペコリと頭を下げた。
「初めまして、あたしは『高坂桐乃』。京介の一応、『妹』です」
「こちらこそ、どうも。へぇー、良かったな高坂。そういう事にしてもらえてよ」
「だーから、違うっての!!」
「それにしてもマジでカワイイな。もし本当にお前の妹なら俺に紹介してくれよ」
「ダメだ!!」

俺はクワッと、あんまりデカくない目を見開いて猛獣2匹を威圧してやった。
「即答かよ!!」
「おまえら、さっきから俺の妹を厭らしい目で見やがって」
俺の目は誤魔化せねーからな!!おまえらが桐乃の太ももをチラチラ見てやがるのはよ!!
「おいおい、チラっと見ただけだろ」
「少しでもダメだ!!」
「もう、あたしは気にしないって。そんなの、いつもの事だし」
いつもだとー!!ぬがぁー、許せん。世の男共は俺の大切な桐乃を何だと思ってんだ!!

「桐乃ちゃんは心が広いねー。まぁ、こいつも普段は寛大なヤツなんだけど。」
「桐乃ちゃんとか言うな。馴れ馴れしく近づくな、話しかけんな!!桐乃がよくても俺がダメだ!!いいか、てめぇら、よーく聞け!!桐乃に近づいていい『男』は俺だけだ、桐乃は俺だけのもんだ!!!」

「…、京介?」
「ハッ…!?」
耳まで真っ赤にして恥ずかしかがる桐乃を見て俺は我に返った。

「分った、分った。俺たち、もう帰るわ。すまんね、カップルの時間を邪魔しちまって」
「お前ら…、何度言わせるつもりだ!!」
「だから、分ってるって!!サークルのみんなにはこう言っておくよ。現在、妹?と同棲中。そんで、シスコンだから妹?以外に興味がないって!!」
「待てーぃ!!」
我が同期2名はこっちを厭らしい目で覗き見るようにゆっくりと玄関ドアを閉めて帰っていった。
聞き耳を立てているような予感がして玄関ドアを開いてみたが素直に帰ってくれたようだ…。


「ああああああああああああ!!!!」
玄関ドアを閉め、リビングにあるクッションに顔をうずめ、思わず叫んでみたが過去は何も変わらねー!!
終わった、俺の大学生活オワタ\(^o^)/
完全に誤解された。彼女と同棲していることは間違いだと証明されたが、妹と同棲しているというトンデモナイ誤解が生まれた。
しかも、桐乃は俺のものなんて超はずかしい科白をはいちゃったよ、俺!?
もう駄目だ、明日からあだ名がシスコンになっちまう…。
「もしかして、あたしが彼女だって思われて落ち込んでるの?それともシスコンってバレたから?」
「………」
「そっか、同棲してるってこともかぁ…」
「………」
「フヒヒ。もう、そんなに落ち込むなっつーの。『全部本当の事』でしょ?」
「シスコン以外は違うだろ?」
俺に追い打ちを仕掛ける桐乃の口撃を無視してたが、『全部本当』なんて冗談は流石に聞き逃せなかった。

「やっと口聞いたね。でも、これで判ったでしょ?あんたが授業参観に来た一年前、あたしがクラスメイトの前でどんだけ恥掻いたかって」
「ぐす…、そうだな。全力で逃げ出したくなるぜ…」

ちきしょう、俺が大恥かいてやたら嬉しそうじゃねーか。
また一つ、桐乃に弱みを握られちまった…。
今すぐ桐乃とあいつらの記憶を消し去りたい!!そんで俺の記憶も消し去りたい!!
ああああ、どうにもならんが、どうにかしたい…。
「桐乃!?」
気が付くと、桐乃は後ろからあの時と同じように暖かく優しく抱擁をしてくれていた。

「京介、こうされるのは嫌、かな…?」
「もうちょっとだけこうしていただけると助かります、桐乃さん」
「しょーがないな、この甘えん坊は」
「なぁ…、桐乃?」
「なーぁに、京介?」
「お前、9か月前よりおっぱいでかくなった?」
「エロ、バカ、変態!!妹にセクハラ発言すんな!!」
「バカ、兄に向ってセクハラとは何だ!!こういう風に後ろから抱き着かれると、どうしても体がくっついてる場所を意識しちまうんだよ!!」
「あたしは、あんたが落ち込んでるから慰めてあげようって思っただけなのに、そういうエロい感想しか言えないワケ!!」
「グッ…」
「さっきは、友達のまえで『俺の妹を厭らしい目で見るな』って叫んでたのに!!京介が一番そういう目であたしを見てるじゃん!!」
「反論の余地もございません。申し訳ございませんでした」
「でも…。ちょっと恥ずかしいけど、京介なら良いよ。それに、あたしも、ちょっと嬉しいし…」
「んっ…、何でだよ…!?」
「それは…、言わせんな、察しろっての!!」
「ぐぇ、アームロックは止めて、じぬ…」
 
 
その後、普通の仲のいい兄妹なら当然の流れで、腕を組みつつ買い物に出かけ、お袋直伝のカレーを二人で作って食べたり、
桐乃がアマゾンで発注してココに届いた新作エロゲを肘をくっ付けながらプレイしたりして夕方まで過ごした。
 
FIN?



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最終更新:2011年06月10日 01:03