795 名前:【SS】[sage] 投稿日:2011/05/23(月) 23:15:59.04 ID:jz9b6PaLP [4/4]

「あんたにさぁ、ちょっと言いたいことがあるんだケド」
「なんだよ。やぶからぼうに」

 とある夜の深夜。
 いつかのように桐乃の部屋へと連れ込まれた俺は、いつもの位置関係(桐乃ベッド、俺座布団)でそんなことをいわれた。
 いきなりなんだ? 何か言われるようなことをした覚えは(ここ最近)ないんだけど。

「結構前々から思ってたんだけどさぁ、あんた女の子相手に無防備すぎ」
「どういう意味だよ?」

 いきなりそんなことを言われてもさっぱりわからんぞ。
 無防備も何も、女の子の知り合いなんて数えるぐらいしかいない(言ってて悲しくなってきた)上に、
そういう知り合いとはそれなりの仲を築けてる。そんな相手に今更警戒する必要もないと思うんだが。

「あんたがどう思ってるか知らないけど、女の子ってあんたが思ってるほどキレイなもんじゃないから」
「そーいわれてもな……」

 桐乃は一体何を言いたいんだろうか。
 まあね? 俺も男だし、カワイイ子とかキレイな子が目の前に出てくればそら舞い上がったりもするけどさ。
 でも、それだけで簡単に懐に入らせるようなマネは……してたね、うん。なんかごめん。

「いい? 女の子って、男が甘い顔するとそこにつけ込むような子も結構いるの」
「お前もそうだっての?」
「バカじゃん。んなわけないでしょ」

 とかいうけどさぁ、お前俺が断らないのわかってて無理難題吹っかけてきたこと結構あったきがするんだけど?
 まあ、こんなこと言っても「あたしは妹だからいいいの」とか今なら言いそうでアレなんだが。
 俺もそれで許してしまいそうなのがなんとも複雑だ。
 シスコン桐乃得、ブラコン桐乃得。あれ、俺なんも得してねえ。

「何が言いたいかっていうと、とにかくよく知らない女の子相手になれなれしくして油断すんなってこと」

 俺ってそんなに無防備に見えてたんだろうか? この間は麻奈実に甲斐性なしだって言われるし、流石にへこむぞ。

「もちろん知り合いだからって気を抜くのもダメ。これはあたしからの『ちゅう告』だから。ありがたく思っときなさいよ」
「へいへい。わかったよ……言いたいのはそれだけか?」
「はぁ……やっぱあんた何もわかってないわね」
「何がだよ?」
「だから、油断すんなって言ってんでしょ? そんなだから……」
「あん? 誰も油断んん!?」

 へ、ちょ、何が起きてんだこれ? 俺の目、桐乃しか映してないんだけど。上手くしゃべれないし。え、あれ?

「んはっ……こ、こうなるの! わ、わかった!?」

 正直、何が起こったのか、イマイチリカイできてない、が

「……わかった。でもな桐乃。それはお前にもいえるんじゃねえの?」
「は、はあ? あたしが油断なんてするわけないんんん!?」

 ぶっちゃけ俺何してんだろ? とは思わなくもないんだが、もうやっちまったもんは戻らないわけで。

「……わかったか? お前も男の前じゃ油断するなよ。これは俺からの『ちゅう告』だ」
「~~~~~~~っ」

 顔を真っ赤にして口をパクパクさせる桐乃にそういい残し、桐乃が爆発する前に俺は部屋を脱出した。

 そうして部屋に戻り、ベッドに横になって…………


 俺は死んだ。



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最終更新:2011年05月23日 23:44