270 名前:【SS】妹婚[sage] 投稿日:2011/05/29(日) 20:50:33.92 ID:Z8l+hzoE0
とある土曜日の昼のこと。
リビングで雑誌を読んでると桐乃がリビングに入ってきた。
くそっ、今日も目に毒な格好をしてやがる・・・・。
今日の桐乃はホットパンツを履いていて、形のいい足を強調させている。
・・・・・俺以外の男にそんな格好見せるなよ?
俺は気づかれないように雑誌越しに桐乃の太ももを見つめる。
とりあえず挨拶くらいはしないとな
「よう」
「うん、雑誌読もうと思って」
何でもない挨拶を交わすと桐乃はいつものソファーに座って足を組んだ。
うおおおおおお 足を組む瞬間見逃しちまったあああああ
はぁ、早く足組み直さねーかな
気になってしょうがないので、俺は桐乃の足に視線を集中させることにした。
勿論、雑誌でカモフラージュして桐乃には気づかれないように
それにしても相変わらず綺麗な足してるよなぁ、こいつ
モデルだから細くて長いのは当たり前なんだろうが、桐乃の足は程よいむっちり感で、見ていると触りたくなってくる。
・・・・・なんだか俺、変態みたいだな
「ねえ」
俺の視線に気づいたのか、桐乃が話しかけてくる。
ヤバイ、どうやって誤魔化そう
①話を変える
②言い訳をする
③逆に足を褒める
とりあえず①は却下だな。話を変えて逃げようとすると余計に怒りそうだ。
そうなると②か③だが・・・・
「ねえ、聞いてる?」
そこまで考えていると、桐乃が再び話かけてきた。
「お、おう。どうした?」
やっぱり褒める方が無難だよなー、とか考えてると
「あのさ、もしもの話なんだけど・・・・・あたしが義妹だったらどうしてた?」
予想外の質問が来た。
結論から言うと、俺たちは実の兄妹だ。
一週間前にも確かめたから間違いない。
今になって聞いてくるのは・・・・・
今、家の中には俺たちしか居ない。
リビングには時計の秒針の音だけが聞こえている。
俺が予想外の質問に答えかねていると桐乃が口を開いた。
「あたしは正直、血が繋がってるって知った時は残念だった。
それで京介はどう思ってるのか知りたくなったの」
桐乃は雑誌を脇に置いて、自分の手を胸の前で組みながら俺の方を真っ直ぐ向いている。
真剣に答えなくちゃいけないと思った。
このことは俺たちにとって他の兄弟や姉妹よりも重要な意味を持つ。
俺は今の生活が気に入ってはいるが、もしも俺と桐乃の血が繋がってなかったら今とは違う生活をしてるだろうから・・・・・
「桐乃」
「うん」
「俺は今のままが良い。
俺も一週間前に調べに行ったときに、多分お前と同じことを考えてた。
もしお前と俺の血が繋がってなくて・・・・・・結婚できたらどうなるだろうかって」
「あたしは・・・・今でも子どもの名前を考えることがある。
男の子だったら、とか・・・・・あたしたちみたいに兄妹だったら、とか」
俺だって考えたことがないわけじゃない。実を言うと、娘に甘くして桐乃に叱られる夢を見たこともある。幸せな夢だったと思う。
それでも・・・・・
「それでも、俺は実の兄妹で良かったと思う。
例え法律上は結婚できたとしても、今まで兄妹として生活してきたお前と結婚したら世間的には疎まれるだろうし、気軽に外も歩けないかもしれない。
だから・・・・」
「最初から結婚できないなら結婚した後の苦労を考えなくていいからってこと?」
「・・・・・・」
「それって・・・・結局あたしたちが結婚出来ないことには変わりないじゃん!
・・・・・・あたしは京介と結婚したいのに!」
「・・・・俺もだ」
「それなら!」
「それなんだけどさ、血が繋がってるってことはお前は俺と同じ戸籍なんだよな。
それなら、お前は生まれた時から俺の嫁ってことになるだろ」
「なっ・・・!」
桐乃は突然顔を真っ赤にして目を見開いた。
「前にお前に借りたエロゲーで言うと、『俺の嫁は妹で、お前の旦那は兄貴。』ってとこだな。
俺は美人で努力家の嫁と妹を同時に貰えて幸せなんだよ。」
桐乃は下を向いて震えている。
「・・・・そ、そーいうことならいいんだケド・・・・・」
桐乃が顔を上げて照れくさそうに俺を見てくる。
ちょっと前じゃこんな表情なんとも思ってなかったけど・・・・顔がニヤけるのを抑えきれない。
くそ・・・・っ、反則だ。俺が告白しておきながらこんな顔させられるなんて
お前にも同じことを言わせてやる。
「お前は俺のこと、どう思ってるんだよ?」
「・・・・・・大好き。アンタ以外の男の人を好きになったことないし
あの時兄貴に相談してて本当に良かった。
・・・・これからも、あたしの人生相談聞いてよ」
少しの間があって桐乃は答えた。組んだ手を幸せそうに見ている。
桐乃の視線で思い出したが、今日は桐乃の20歳の誕生日だ。
そして・・・・・・それと同時に
「今日で四年目なの、覚えてなかったでしょ?」
そう言いながら桐乃は俺に近づいて左手を差し出す。
桐乃の薬指が指輪についた小さなダイヤモンドで輝いている。
忘れもしない、四年前に俺がプレゼントしたものだ。
俺は桐乃の16歳の誕生日にプロポーズした。
厳密には結婚は出来ないが、事実婚とは言っていいだろう。
次の年から俺は、毎年同じ日に愛の告白をすることになっている。
桐乃は「浮気性なアンタを縛るためよ!」とか言ってたが、何度もプロポーズを聞きたいだけに違いない。
「桐乃」
「はい」
「俺は・・・・・・。」
fin
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最終更新:2011年05月29日 23:15