273 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/05/29(日) 21:12:02.35 ID:hLISNqf80 [2/2]

SS高坂桐乃の真相


「桐乃」

とある休日、俺はいつものようにソファーに寝っ転がってる可愛い妹に声をかけた。
あ、えーと、可愛いってのは一般的基準の話な。念のため。

「なによ」
「この間から、ちょっとだけ、気になってる事があってな」
「ふーん?あんた、妹の事が気になって気になってしょうがないんだ~♪
 シスコンマジきもーい♪」
「くっ・・・!」

最近は、何言ってもシスコン扱いされちまうよな。
まあ確かに、おれは自他共に認める重度のシスコンだ!
赤城の野郎にだってぜってー勝てる自信もあるしな!
・・・と、それはともかくとしてだ。
今回のミッション。桐乃にこの段階で気が付かれるわけにはいかねー。

「この前、黒猫と対決したとき、黒猫が色々言ってたろ?」
「ス、ストップ!その話は無しっ!」

いきなり何焦ってんだよ。
つーか、いきなり俺の思惑に気がつきやがった?

「いや、それ自体については聞くつもりはないぜ?」
「そ、そうなの?」
「ああ。そうじゃなくって、おまえ、黒猫にかなり色々な事話してるんだよな?」
「い、色々って?」
「黒猫の相談に乗ってやったりしてたろ?」
「あ、それ?うん。あいつずっとぼっちだったじゃん?人付き合いの方法とか、
 あたしが色々教えてあげないと、バカやるのが目に見えてるじゃん」

バッサリですね。つーか、俺まで悲しくなってきてしまうぜ?
ま、それはそれとして・・・話題に食いつきやがったな?

「ま、たしかにそうだよな。だけど、おまえら初めの頃ケンカばかりしてただろ?
 そういった話題が出始めたのは最近なのか?」
「うーん。そうでもないかなー。たしかにケンカばかりしてたけどさ。
 あたしの大切な友達なのはその頃から変わんないし。
 だって、初めてのお茶会でも、アイツ電波飛ばしまくりで見てられないじゃん?
 こんなぼっち、あたしが見てやらないとどうしようもないじゃん」

あのお茶会では、おまえもハブられてたじゃねーかよ。
と、つい突っ込んでそうだったが、なんとか堪えるのに成功した。
だってよ、俺、こいつがちょっとでも悲しそうな顔すんの見たくねーもん。

「なるほど、それじゃ初めの頃からエロゲーや、陸上、モデルの事とか、
 麻奈実の事や、その他のお前の趣味の事も言いまくっていた訳だ。」
「まあね。陸上の事は少し恥ずかしいから、結構後になってからだけど、
 モデルのこととか結構話したし、地味子の事とか、趣味の・・・事もね」

地味子言うな。
それにしても・・・やはりか。

「そ、それに、あいつエロ同人とか書いてるじゃん?
 エロゲーの話題とかしたって、当然でしょ?
 つっても、あいつはほとんど百合専門だったけどねー」

何ぃ?百合専門だとぉ!?

「あいつは否定すんだけどさー、
 あいつの書くエロシーンって絶対女の子しか出てこないのよねー」
「・・・そりゃ、黒猫が単純に男のエロシーンが恥ずかしくて書けないだけだろ?」
「んーそうかな?」

今なら分かる。黒猫はあまりにも男に対する免疫が無いって事がな!

「そうだろ?だったら初めて男向けのエロゲーの話をしたときの事を思い出してみろよ」
「んー・・・・・・
 そういや、『破廉恥な!』とか『け、汚らわしいわ!』とか、厨二病全開で騒いでたかなー」

やっぱりな。予想通りすぎるぜ。
つまり、黒猫は自分から『男と女の絡み』とか『男女の性的嗜好』、
あるいは『兄妹の情事』について書けるワケがないってことだ。

・・・『兄妹の情事』ってのは、あくまで例えだからな?
この場に桐乃が居るからってそんな事考えたわけじゃねーし、
そもそも、こいつが好きなのが『妹モノ』のエロゲーってわけで、
俺はあくまでも兄貴としてだな―――

「でさあ、さっきから何なわけー?あんた、まだ黒猫の事ひきずってんの?」

口調はいつも通りのからかうような・・・でも、その心の奥底が表情に表れてしまってる。
たぶん、俺しか気がつかないくらい、ほんの僅かな変化。

「安心しろよ、桐乃。俺は今もおまえの事考えてたし、これから先もおまえの事が一番だよ」
「なっ・・・!何言ってんの!あ、あ、あんたっ!」

そうだよ、その表情。恥ずかしそうで、でも嬉しそうで。
たまにしか見せてくれねーけど、俺が一番好きな女の子の表情だよ。

ああ、みんなに言っておくが、『俺が一番好きな』、『女の子の表情』であって、
桐乃の事が一番好きだとか言ってるわけじゃねー。ちゃんと言ったからな。誤解すんなよ?

・・・って、やばいやばい、肝心な所から離れる所だった。本題に戻ろう。
ここまで傍証を固めてればよ?後は本人を尋問するだけだよな?

「これまでにお前から聞いたことを整理してみたんだが、
 やっぱり、でっけー疑問が残っちまうぜ?」
「な、何よ」
「おまえ、パンツ、くんかくんかしてんのか?」

桐乃は一瞬キョトンとした顔を見せて・・・
瞬時に顔が真っ青になった。

「な、な、な、なに、言って、んのよあんたっ!」
「やっぱ、おまえ、嗅いでたんだな?」
「あ、兄貴のパンツなんて嗅いでないっ!」
「・・・俺は、俺のパンツとは一言も言ってないぜ?」
「あっ・・・」

やっぱり、本当に嗅いでやがったか・・・
そうなんだよな。あのウブな黒猫が、パンツくんかとか考え付くワケねーだろ?
男性向けエロ同人書いてるような・・・あのエロメイドだったらすぐに考え付くだろうけどよ。
ぜってー誰かに聞いたに決まってる。
沙織という線も無いわけじゃなかったが、やっぱ、おまえだったわけだな・・・

桐乃はいつか見たような怯えたような顔をしてしまっている。
ちょっとやり過ぎちまったか。
でも、これだけはどうしてもちゃんと聞いておきたかったんだよ。

「ごめんな、桐乃」
「えっ、あ、兄貴!?」
「問い詰めるような事してごめんな。」
「う、ううん。あ、あたしが悪かったんだから・・・」
「それは違うぜ?俺は怒ってなんかいないぜ、嬉しいんだよ。
 俺の事、そこまで想ってもらってたってのが分かったんだからよ」
「あに・・・京介・・・」

ここで名前呼びかよっ!て、照れるな・・・
最近分かったんだけどよ、こいつ、嬉しかったりすると、名前呼びになるんだよな。

「だからな、これからも俺のパンツくれーならいくらでも使っていいからな。」
「う、うん!・・・ありがと、京介」

言ったよ!見たかてめーら!俺の妹はこんなに可愛いんだぜ!
その上目遣いやっべー!!!はい死んだー俺死んだー!

「そ、それでだな」
「な、なに?」

お互い見詰め合って、顔が真っ赤になっちまう。
き、兄妹なのにこの雰囲気、まずすぎだよな?

「相談が・・・あるんだ」
「う、うん」

そう。この一言を言うために、今日ここまで必死に頑張ってきたんだ。



「代わりに、おまえのパンツ、くれないか?」



え?この後どうなったか?
それこそ言うまでもないことだろ?



End.



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最終更新:2011年05月29日 23:15