488 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/06/11(土) 17:52:30.19 ID:3kZ1LHZB0 [15/31]
【SS】少し未来の、少し近い二人。大人京介の逆襲
大学卒業後、東京の大学の院へと進学した俺は一人暮らしを始めた。
桐乃とは毎日電話はしているものの、可愛い可愛い妹と離れ離れってのはなかなかに辛いもんだから、週一回必ず東京のどっかしらで待ち合わせして、デートっぽいことをしていただいている。俺ってば、シスコン?ま、シスコンだわな。
そんなシスコンな俺だが、今回の待ち合わせに2分も遅刻しちまった。しかしこうした危機的状況すらチャンスに変えるのが真のシスコン。

ハチ公の前で時計みながらイライラしている超絶美少女にこっそり近づき、後ろから抱きしめる。

「おおごめんネ。ステキなキミのことを思うと夜も眠れなくて、寝坊しちゃったヨ」

歯の浮くようなセリフを鼻に抜けるような声で吐いてみた。聞いた桐乃の表情はみるみるうちに怒りに染まって真っ赤となり、次いで険悪となり、終いには舌打ちをした。

意外とリアクション薄いな。もうちょっと戸惑うかなーなんて思ったが、ま、こんなこともう慣れっこだししょうがねえか。

「……ハァ?頭にウジわいて死んでもらいたくなるくらいキモいんですケド。世界のみんなに顔向けできないから呼吸を止めてくんない?」


「ヒィィヤッホォオオオ!! 出た出た! 出ましたよ妹様の肘鉄アーンド罵りがぁ!」

「い、妹に罵られて喜ぶなっての!」

フヒヒサーセン。でも、マゾヒズムは紳士の嗜みだし怒られてもな。

「ヒヒッ、でもしょうがないだろうよ俺お前のこと大好きだsッ」

言いかけたところで桐乃様の愛情手加減チョップが見舞われた。ガスッと気持ちよく入ったそれは俺を少しだけひるませる。

「またそういうことを軽々しく言う」

「フヒヒサーセン」

「そのフヒヒサーセンって笑い方と謝り方、最高に気持ち悪いからやめて!」

「うぉお…………!!」

「だ! か! ら! どうしてきょ、京介は気持ち悪いとか言う度に頬を赤らめんの!? アンタってばホント救い難いシスコンね」

本当に不思議そうに、困惑した様子で首を傾げる。罵りに声を張ったせいか顔が若干まだ赤い。
桐乃は身体を張って俺を幸せにしてくれるので、イジメがいがあるぜ。

「フヒヒヒヒヒッ顔真っ赤にして怒っちゃってよお桐乃。そんなに大好きなお兄ちゃんが待ち合わせに遅刻してきたことがご不満か? え?」

「・・・・・・!?あ、アンタのことなんかっ、全然す」


「『一番じゃなきゃイヤッ!』」

いつだかこいつが叫んだセリフを真似てみる。

「な、ななっ!それは反則!ノーカン!ノーカンだから!」

忘れろ、忘れろぉと、うめきながら俺の胸元をポカポカ殴る。
あんまりにも俺の妹が可愛いものだから、ついいつだかの仕返しをしたくなった。

「キモいキモい。このブラコンマジキモーい」end




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最終更新:2011年06月12日 18:52