705 名前:【SS】kiss[sage] 投稿日:2011/06/12(日) 14:41:44.61 ID:dQC4b85eP [2/4]
>>686
桐乃の頬に手を添える。
これからすること考えると顔から火が出るほど照れくさいが、今更引き下がるわけにもいかない。
「あ……」
桐乃は不安そうに、でも期待したような目を潤ませて俺を見つめてくる。
……可愛いじゃねえか。
「どうしたよ?」
「え、と……なんか、ドキドキする」
「ハハ、なんだよ。エロゲじゃこんなシーンありふれてんだろ?」
「ば、バカ! いつも言ってんじゃん。二次元と三次元は別物だって!」
「あーはいはい。そうだったな」
添えた手からは震えが伝わってきて、桐乃がどうしようもないほど緊張してるのがわかっちまう。
「うー……なんであんたはそんなに落ち着いてんのよ……」
そりゃ、お前がそんなに緊張してるせいだな。逆に冷静になっちまったよ。
「そんなことないぜ? 今俺、ムチャクチャドキドキしてるもん」
「……ホントに?」
「おう」
そのセリフに嘘はない。実際、心臓の鼓動は恐ろしくはやいし、酷くうるさい。
でもそれを知られるのは悔しいので、思いっきり見栄を張ってるだけだ。
あーくそ、何で俺はこんなに桐乃のことが――好きなんだろうな?
「ほら。エロゲじゃこの後、どうしてた?」
「……バカ。もっとムードとか考えろっての。まったく」
ぶつくさ言いながらも『そういうシーン』を思い出してるんだろう。
桐乃は顔をさらに赤くして、目を細めた。俺はそんな桐乃から目が離せない
「あたし、初めてだから」
「俺だってそうだよ」
「優しくしないと――許さないからね」
「そりゃ怖いな」
こんなときでもらしい桐乃に、内心苦笑する。でも、こんなののほうが俺達らしいかもな。
開いてたほうの手を桐乃の肩にかけて、グイッと引き寄せた。
「これ以上はもう、引き返せないよ?」
「ばーか。覚悟の上だっての。今更そんなこと、言うな」
「……うん。そうだね」
「目、瞑ってくれよ」
「うん」
閉じられる目。
それを合図にするように俺は桐乃に顔を近付けて、俺達は人生で初めての、お互いをこれから一生縛り付ける――最高のキスをした。
初キスシーン想像して書いてたらむしろこっちが真っ赤になりそうになった!
こんなこと想像させるなんて……なんて罪作りな兄妹なんだ!
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最終更新:2011年06月12日 19:02