523 :【SS】膝枕で耳かきあいっこ[sage] 投稿日:2011/06/26(日) 22:09:02.53 ID:cSbNS0I20 [1/3]
【SS】膝枕で耳かきあいっこ
――とある休日前の深夜12時前、桐乃の部屋――
「京介、最近よく耳を掻いてるよね?」
「最近ヘッドホン使って長時間エロゲするようになったから耳あかたまってきたのかもな」
「ちゃんと掃除してんの?」
「ちょくちょくやってんだけどな…。どうもスッキリしねーんだよ」
「ねぇ、あたしが耳かきしてあげよっか?」
「いや、いいって!自分でやるからよ」
「別に兄妹だし良いじゃん。自分でやっててそのザマなんだから、あたしに任せればいいの!」
「分ったよ、任せるわ…(意地張りやがって…。こうなったら引かないもんな、桐乃は)」
「なんで座ったままなわけ?横になんなさい、ココに」ポンポン!!
「…何の真似だ?」
「膝の上に頭を乗っけろって言ってんの。言わせんな、馬鹿!」
「何で膝枕なんだよ!?」
「こうして近くで耳の中を見ないとちゃんと取れないじゃん!!」
(桐乃は今、ホットパンツだし、まぁ良いか…)
「お邪魔します」
「あのねー、膝の上って言ったけど。それじゃ首つっちゃうよ。仕方ないな…」
「グァッ!(頬と首筋に太ももが直接!!)」
「これでよし」カキカキ
(やばい、気持ちいい…。耳かきもそうだけど、顔と首筋に触れている桐乃の太もも。
香水の匂いとは違う…。これは汗の匂い?それとも女の子の匂い?まさか桐乃特有の匂い?
いかんぞ、京介。これ以上は考えるな!!逆側に全神経を集中させて煩悩を殺そう!!
あっ、こっちはこっちで俺の耳を凝視してる桐乃の暖かい吐息がかかってくるのが気に…
!!!!!!!!!!! やばい、バカ者、俺の海綿体よ!!沈まれ!!)
「結構たまってたよ。んじゃ、逆向いて」
「いや、それはまずいだろ。だって、そっち向きは…」
「きょ…、京介は…、まさか、あたしのアレが気になるっての?妹に欲情すんなドエロ!!」
「バカ、欲情とかじゃなくって気まずいんだよ!!視線のやり場に困るんだっ!」
「それなら目を閉じてればいいじゃん?」
「それもそうだな…」
「ちょっと頭おこして。ウェットティッシュ持ってきて耳かきの汚れを取るから」フキフキ
「おう…」
「なんでずっと胡坐かいて窓の方を向いてんの?」
「特に理由はない。全然ない!全くない!!」
「あっそ。続きやるから、ほら、顔をあたしに向けて頭を置いてよ」
(何で俺が桐乃に背を向けていたと言えば、あいつが暴れだしたからだ。だがな、これは不可抗力、妹に欲情したんじゃない。
桐乃の耳かきが気持ちよくてもう一人の俺が偶々元気になっただけだ!)
「何でそんなに縮こまってんの?あんた、まさか…」
「全然違うからな!!」
「あたしがザックリ耳の中を刺すかもってビビってんの?」
「……そうそう、それだ!ふふふ、ばれちまったか…(危なかったぜ。にしても、エロゲやってるのに本当に純情な奴だな)」
「あたしはそんなに不器用じゃないての!もう時間も遅いんだからさっさとあたしの膝に頭を置いてよ」
「すまん、またお邪魔します」
「………」ナデナデ
「!!」
「いつもやられてるから、その仕返し」ナデナデ
「妹にやられるとこそばゆいな」
「兄貴にやられても同じだから、こそばゆいのは」ナデナデ
「そっか…」
「いつもありがとね、京介」ナデナデ
「へん、気にすんな。こっちだって感謝してんだから、桐乃にはさ」
「あっそ。ほら、あたしと交代」
「えっ!!」
「あたしにもやってよ耳かき。感謝しているんでしょ?」
「ああ、分った。が、今は不味い。あと30分位してからにしてくれねーか?」
「もう深夜だし、明日は朝から仕事あるからそろそろ寝たいんですケド」
「なら、明日にしよう!」
「今じゃなきゃヤダ…。お願い、京介…」
「ぐっ、わかった。桐乃、事前に言っておく。男なら仕方のないこと、つまり不可抗力だったんだ!!」
「さっきから変だよ?…まっ、良いか。じゃあ、あたしも京介と同じく左からして」
「おう。んじゃ俺の膝に頭乗っけろ(どうかバレませんように。今のうちに静まるんだ、リヴァイアサンよ!!)」
「あんたのパジャマって洗剤の匂いしかしないね…」
「今日洗い立てのやつだからな、当然だ。汗臭いと思ったか?」
「当たり前じゃん、1か月くらいずっと洗わずに履きっぱなしと思ってたし」
「綺麗好きなお袋でよかったよ。俺が一人暮らししたら、寝間着なんてめったに洗わん自信があるぞ」
「一人暮らしするならしっかりした彼女が必要かもね」
「黒猫と別れちまって、当てのない俺はどうすれば…」
「じゃあさ、あたしがたまに行って洗濯とかしてあげようか?」
「お前、家事できんの?」
「そこは…、これから努力して何とかする!!」
「気持ちは嬉しいが、それなんて通い妻?」
「…ぶっ殺すよ!!勝手にあんたの…、妻になんかすんなっての!!」
「落ち付け桐乃、俺は本当に嬉しいんだって。妻でも彼女でもないけど、だれよりも俺を心配してくれる子が傍にいてくれてよ」ナデナデ
「ばかじゃん…。あんた最近本当にキモすぎ…」
「さてと、耳かき始めるぞ。いい加減、寝ないと不味いんだろ?」
「うん…」
「意外と器用だね、京介(不器用なりに頑張ってんじゃん)」
「そっか?」カキカキ
「うん、気持ち良い…、かも」
「!!!」
「痛、ちょっと奥にツッコミ過ぎ!!(あたしが褒めたから動揺でもしたの、バカ京介?)」
「すまん!…こっちは終わりだ。お前、耳の中も綺麗にしてんだな。ほとんど耳あかなかったぜ」
「当ったり前でしょ。(今、耳の中『も』綺麗って…。さっきの超キモい発言といい、妹を口説いてどうするつもりなの、このシスコン…)」
「なぁ、やっぱり今日はもうこの辺で終了しないか?」
「何で?あと右耳だけじゃん。直ぐ終わるっしょ?」
「分ったよ。だが、さっきの俺が言った通りだから怒るなよ!!」
「意味が全然わかんなケド、分かった…」
「直ぐ終わるだろうから、なるべく目をつむってろ」
「ハイハイ。(あれ、京介のパジャマに妙な皺が…?)」
「いくぞ…」
「(まさか、あれって…。もしかして京介が念を押していた理由…。)」
「………」カキカキ
(!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
京介まさか、アレがアレしちゃってんの?そんでアレしたアレがあたしの目の前にあるの!?
ありあえない!!でも、今下手に動いたら耳をザックリやられちゃう!!!
どうしよう!?ああ、顔が熱くなってきた…。
ダメダメ、これ以上考えたら顔どころか首まで真っ赤になって流石の京介にもバレちゃうじゃん!!
目を瞑って考えを逸らすのっ、メルちゃんの神シーンを想起して!!)
「終わったぞ?」
「………。ヘンタイ、部屋から出て行って」
「おまっ、だからこれはだな!!」
「言い訳すんな、とっとと出てけ!!」ゲシゲシ
「悪かったから小突くな!んじゃ、おやすみ」スタスタ、バタン
「ふん!!!」
(生理現象なんて科白ですべて片づけられると思ってんの?こっちはそうはいかないんだから!!
あーあ、最悪。さっきまでの暖かい気持ちを返せ!!でも、アレしたってことは京介はあたしを…。
ならちょっと嬉し…、バカバカ、考えるな!!そんな事無いから、絶対にありえないから!!)
その日、高坂兄妹は一睡もできなかった。
桐乃は隈消しが大変だったようでメイクさんに怒られ、京介は勉強する予定が昼寝に変わり一日無駄にするという散々な結果となりました。
終わり
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最終更新:2011年06月30日 00:09