159 名前:【SS】二人の予定[sage] 投稿日:2011/07/01(金) 20:29:55.23 ID:GbD2GJoC0 [2/3]
登場キャラ全員好きな俺は普通に9巻が楽しみ。だがフェイトさん、テメェは駄目だ。
「これはシステム手帳か?」
俺はリビングにおいてあった手帳を手に取った。
「一体誰のだ?」
ぺらりとめくると、スケジュールがびっしりと書き込まれている。
「この文字は桐乃か。
それにしてもすげぇな」
スケジュールの内容もさることながら、その密度がものすごい。
15分毎に隙間なく予定が書き込まれている。
「比翼恋理、rewrite、メルルのアトリエ・・・
ゲームの予定まで書かれていやがる。なるほど、このペースでやればあんだけの速さでクリアできるわけだぜ」
・・・よく見ると、一日の時間が合計で24時間を越えているような気がする。
桐乃の部屋だと時間が経つのが遅いと思っていたが、あの部屋は精神と時の部屋か何かなのだろうか。
「あいつ、無理してるな。体壊さなきゃ良いんだが・・・」
もしあいつの体調が悪く見えたら、絶対に止めてやらなきゃな。
「それにしても何だこの、『KLT』『KKP』『APK』ってのは」
KLTは不定期、KKPは毎日平均で30分、APKは週に一度日曜日に一時間取られている。
「KKP?キックキックパンチ?なんかの略称か?」
そういえば、KLTだけ、アニメやゲームの時間とかぶっているな。
遊びながら出来る事なのだろうか。
そういえばこの時間て―
「あ、あんた何見てんの!?」
最近のことを思い出していたとき、突然後ろから現れた桐乃に手帳を奪い取られた。
「す、すまん」
俺はとっさに土下座して謝る。最近分かった事だが、土下座で謝ると、暴力による追撃まではされないらしい。
「み、見た?」
桐乃は手帳を胸に抱き、怒りで顔を赤らめながら俺を見る。
「あ、ああ。おまえ、すっごい頑張ってるんだな。
正直感動した」
怒られる前に、素直に感想を言う。怒られてからだと言いづらいからな。
「~~!
ふん、そんなのは当たり前だっつーの!」
桐乃はプイと横を向く。そこまでは怒っていないようだ。
俺は立ち上がると、桐乃の頭を撫でる。
「まったく、すげーよ。
俺もおまえと同じくらい頑張らなくちゃな」
「あんたならあたしの倍は頑張らなくちゃ成果でないから」
桐乃が撫でる手を払う。
「遊ぶ時間と寝る時間を削ってもまだ足りないな」
「そうだね。だから、あんたはこのままでいいから。
その、――する時間がなくなっても困るし」
「? そうだ桐乃、『KKP』とか『APK』ってのはなんだ?」
俺の言葉に、桐乃は赤みが薄れてきていた顔を先ほどよりも朱に染め、
「あんたには絶対教えてあげない!」
と言うと、駆け足で二階へと向かう。
「おい桐乃!」
去り行く桐乃の背中に声をかける。
「今日は八時におまえの部屋に行けば良いんだな?」
桐乃はこちらを振り返ると、小さく頷いた。
この日から、時々俺の部屋の机に手帳が置かれるようになった。
手帳には日付と時間と、『KLT』とだけ書かれている。
・・・・・・今年のクリスマスイブも、桐乃と一緒に過ごすことになりそうだ。
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最終更新:2011年07月02日 03:24