921 :【SS】高坂兄妹+チューペット=うへぇ 1/2 :sage :2011/07/24(日) 10:51:14.82 ID:Pd9BCzJ3P(4)
>>889
これはいい2828w
しかし、『ごちゅう告』や『ねっちゅしょう』なんてものを書いてしまう俺だとこうなってしまったり。以下SSです


「アイスが食いてえ」

 とある夏の日の日中、受験勉強をしていたら無性にそんな欲求にかられた。
 もともとクーラーのない俺の部屋は扇風機以外に涼をとる方法がなく、そんな部屋で勉強をしていた俺が
何か冷たいものを欲するのは必然と言えるだろう。
 いい加減麦茶にも飽きてきてたところだ。時間も丁度いいし一息入れるか。
 空になったコップをもって部屋を出た俺は、冷蔵庫にアイスがないかと期待しつつリビングへと向かった。



「お、桐乃、それどうしたんだ?」
「ふぁい?」

 リビングへと入った俺が見たのは、上手そうに顔を綻ばせながらチューペットを咥えた桐乃だった。
 ちなみに、桐乃の服装は丈の短いタンクトップに超短いホットパンツだ。暑いから仕方がないと言ってしまえば
仕方ないんだろうが、その格好はあまりにも刺激てkゲフンゲフン!……目の毒だ。 へそだしルック最高です。

「んぐ。はぁ~……どうしたって、冷蔵庫にあったからそれ食べてるだけだケド?
 こうも暑いとアイスも食べたくなるでしょ。冷蔵庫覗いてみたらあったからそれ食べてるの」

 そう言った桐乃の片手には、溶けてアイスが垂れないように一口だけかじったもうひと片方が握られていた。

「何? あんたも欲しいの? ちゅっちゅアイス」
「――ぷっ」

 そういえば忘れてたが、小さいころはチューペットをちゅっちゅアイスなんて言ってたか。すっかり忘れてたぜ。
 いまだにその言い方が抜けない辺り、桐乃も子供っぽいところがあると見える。
 変な話であるが、こういうところを見ると桐乃が中学生であることを実感する。そんなところも可愛いんだが。

「何笑ってんの?」
「いや、何でもねえよ」

 つい笑ってしまったのを誤魔化しつつ冷蔵庫を覗き込んだ。しかしそこにはどこにもチューペットの姿がない。

「あ、言い忘れてたけど、アイス、あたしが食べてるので最後だから」
「マジか」

 ごそごそと中を漁ってみるが、確かに桐乃が食べてるものが最後のようだ。空になった袋も桐乃が捨てていたようで、
チューペット――なんか言いにくいな。もうちゅっちゅアイスでいいか――があった形跡すら綺麗になくなっていた。
 くそ、こんなことならアイスを自分で買って置いとくべきだったか。
 アイスがないことで欲求が満たされないことは非常に遺憾だが仕方がない。今は我慢して後で自腹で買ってくるか。
 そう思って冷蔵庫を閉めた俺の背後から声がかかった。

「あんた、そんなにアイス食べたかったの?」
「なんか無性に食べたくなってな。部屋暑かったし。ま、ないなら仕方ねえし後で自分で買ってくる」
「あっそ。…………ねえ」
「あん?」
「そんなに食べたい?」
「何がだよ」
「だから、アイス」
「そりゃ、食えるもんなら食いたいね」

922 :【SS】高坂兄妹+チューペット=うへぇ 2/2 :sage :2011/07/24(日) 10:52:57.98 ID:Pd9BCzJ3P(4)
 つってもないもんは食えんだろ。何が言いたいんだ桐乃は。

「ふ~ん。そんなに食べたいんだ。……京介次第だケド、この残ってるやつあんたにあげてもいいよ?」
「マジで!?」

 もはやそれが溶けかけとはいえ、アイスが食べたくて仕方がない俺はその桐乃の提案に思いっきり飛びついた。
 それが桐乃の食べかけであることも忘れて。

「うん。そのかわり条件付きだから」
「わかった。わかったから早くその条件を言え」

 早くしないとその握られたちゅっちゅアイスが溶けてしまうだろう!

「はいはい。条件はね……」

 そこで桐乃は一息つき

「これの名前の通りのことしてくれたら……あげてもいいよ」

 そう言った。

「名前の通りだと?」

 名前の通りといわれても、お前が握ってるそれの名前はちゅっちゅアイ……まさか!?
 自分の考えが思い違いだと思い桐乃を見てみれば、桐乃は顔を真っ赤にしてるわけで……。
 た、確かに、俺たちはそういうことをしてもおかしくない仲になっちゃってるわで、
そういうことがご無沙汰だったといえないこともないわけだが、これは――

「ど、どうする?」

 ――まぁ、仕方ないよな。俺はアイスが食べたくて食べたくて仕方ないんだし。アイスを食べるためには仕方がない。
別に俺が桐乃とちゅっちゅしたいとかそういうんじゃないから。アイスが食べたいだけだからね、俺。
 顔を真っ赤にしてる桐乃が可愛くて我慢できなくなったとかそういうんじゃねえから。

「わかった。じゃあするからじっとしてろよ」
「し、仕方ないからあんたの言う通りにしてあげる」

 そう言って目をつむる桐乃に顔を近付けていって――



 どこか遠くから『うへぇ~』という声が聞こえた気がした。




 それからというもの、ウチの冷蔵庫にはちゅっちゅアイスが常備されることになったとか、
それを食べる時は必ず二人で分けて食べるようになったとか、そのたびに名前どおりのことをするようになったとかいうのは、
まったくもって別の話である。


-END-




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最終更新:2011年07月27日 19:49