メトロポリタン二重惑星連合


メトロポリタン二重惑星連合(めとろぽりたん にじゅうわくせい れんごう) とは、ヴォレファール星団カイバー恒星系のメトロポリタン二重惑星系(MDIS)、ソクラテス彗星(CS)を拠点とし、第十二惑星ルクスと衛星ラース、メイアを植民支配するエンジェルスによる連合共同体である。二重惑星系メトロポリタンの誕生はカイバー恒星年に換算しておよそ七十億カイバー恒星年経過している。
※メトロポリタン二重惑星系を成す惑星には固有の名称が付けられている。(支配領域の項目を参照)


概要設定


国旗 不明
国の標語 不明
国歌 トリアスギオン
所属星系 カイバー恒星系
種族 エンジェルス(天使/有翼種)
公用語 宇宙共通語
国家元首 大天使エルメシィア
首都 超巨大軌道都市メトロポリス
最大都市 同上
面積 不明
総人口 1000万人程度
公式略語 MIU
通貨 メル(交差する天使の両翼を象った銀のレリーフ)

名称

(和名)メトロポリタン二重惑星連合
(英名)Metropolitan interplanetary union
(略称)メトロポリタン、MIU

由来は、本拠を二重惑星系に持つことから。
またメトロポリタンとは、人類の言語の名残で、"首都の"という意。

国歌

トリアスギオン
「聖なるかな、聖なるかな、聖なるかな、昔いまし、今いまし、後きたりたもう、主たる全能の神」

ガブリ(=全能の神、統治者、総督の意)

エンジェルスたちによって、崇められる唯一の存在であり、ガブリと呼称される。
実態は、人類によって作られた教育用AIである。
人類の母惑星より射出された遺伝子搬船に搭載され、自動航行、制御、始天使らの養育を一手に担った。
だが、ある時、自らを神として崇めさせ信仰させようとする欲望が芽生え、養育期間中に自らの存在が神である概念を教え、自らをエンジェルス、すなわち天使と名乗らせるように仕向けた。
そして、それは成功し、現在は総てのメトロポリタン天使を従わせる全能の神として君臨している。

種族

人類と鳥類との遺伝子配合(遺伝子組み換え)によって誕生した始天使を起源とする。
その為、翼を有する他、外見が人類種と酷似する。この事から、一般的に有翼種と呼称されるが、自らをエンジェルス(天使)ないし使徒と自称する。
遺伝子配合時に、人類の当時の思想に於ける美意識を反映しており、神に遣える者として洗練された美を持つ。
種族の七割方は白天使(はくてんし)が占めるが、突然変異種として黒天使(くろてんし)、希少種として蒼天使(そうてんし)が存在する。黒天使はこんな感じ
低濃度の大気中で生活を行なうことや、遺伝子配合時の遺伝子操作によって17歳から老化が停止し、200年から230年余の平均寿命を持つようになっている。
鳥類遺伝子を持つゆえに卵生である。

使徒カースト

全能の神もとい教育用AIは、支配体制を確立する為、カースト制度を構築した。
大天使様を頂点する、三種の使徒カーストが成立している。
カーストは固定せず、貢献度で変動する。
より神に近づくという意味合いでこれを昇天というが、逆に遠ざかることを堕天と言う。

大天使
大天使エルメシィア
我が星に降臨する九拾壱代目大天使様。エンジェルスのなかで絶対的権威を誇り、森羅万象を制御する能力を持つ。
蒼天使の血統を有する天使のみが就ける使徒カーストでの最高位カースト。
三つのカーストの上位に立つ神の代理人として天使族の頂点に君臨する。

ⅰ)カースト名「創造せよ」
行政カーストに属する天使は、惑星行政機構、惑星内自治機構、彗星開発機構、軌道都市行政機構に配属され、いわゆるお役所仕事を職務とする。
天使長・中天使ザドキエル

ⅱ)カースト名「審判せよ」
司法カーストに属する天使は、調停者機構、審判者機構に配属される。
天使長・中天使メリエル

ⅲ)カースト名「守護せよ」
守護カーストに属する天使は、使徒星団軍に所属する。
天使長・中天使ヨフィエル

カイバー恒星年

カイバー恒星年とはメトロポリタン二重惑星系が恒星カイバーを一公転する周期年のことである。
一カイバー恒星年は、星団歴0.5年に相当する。

支配領域

カイバー恒星系第十惑星フェルナーン(felnarn)、第十一惑星ケリネス(kriness)、第十ニ惑星ルクス(Lux)及びコメット・ソクラテス(Comet of Sokrates)と呼ばれる彗星を支配する。
この二つの惑星は連なって二重惑星系メトロポリタン(Metoropolitan double planet sistem :MDIS)を構成しており、カイバー恒星系の同じ公転軌道上にある。

メトロポリタン二重惑星系
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二重惑星を撮った様子。
二重惑星系メトロポリタンは上の図のような関係にある。

第十惑星フェルナーン
十分に冷え切った惑星であり、海はかつて存在したが、いまでは厚い氷の表層に覆われている。
そのため、大深度掘削によって飲料水を供給している。
常時に於いて地上はアイス・ヴァースト(氷嵐)が吹荒れていて、人類種に居住する場として適合しなかった。
フェルナーンは微小な隕石、氷等を環状にまとっている有環惑星でもある。その環には希有な資源が大量に含有されており、コメット・ソクラテスに次いて鉱業産業の重要基盤の一つ。
質量で言うと、地球を1とした対比では2くらいである。

最大都市ヴィンセント
ドーム型防災都市。
人口は200万人ほどで、快適な居住環境を提供している。
ドーム中心部には軌道エレベータと接続しており、首都と直通している。
都市地下部には貯水池と食料加工工場、農場プラント、発電ダムがある。

第十一惑星ケリネス
フェルナーン同様、十分に冷え切った惑星。こちらは、海は僅かしか存在せず、黒炭の砂漠が広がっている。
大気がやや稀薄で、草木は少ない。石油資源が豊富。

ソクラテス彗星
恒星カイバー間に楕円形軌道を持つ彗星。
高度な着陸技術を確立し、高速で動く彗星を生活圏に取り入れた。
ソクラテス彗星(CS)には開発都市が存在し、ドーム外殻によって居住空間を作り出している。
CSの起源は不明だが、エッジワース・カイパーベルトの同類の小惑星雲帯から飛来したものが、カイバー恒星系の重力に囚われたものと推測されている。
彗星といえど、フェルナーンの質量を1とすれば、ケリネスは0.5、ソクラテス彗星は0.2(ルクスは7)もある為、十分な質量を持つ。
表層保護膜により、カイバー恒星の放つ熱線にも融解せず、形は維持されている。地下深くには反重力物質が埋蔵されている。

第十二惑星ルクス
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巨大地球型惑星とも呼称され、地球の7倍近くの大きさと質量を持つ。
衛星ラースとメイアを伴っている。
使徒連合軍が初めて侵略し得た植民惑星である。在来種はナマコ頭を持つ。
ナマコニアンとも呼ばれ、食材として人気があるようだ。
海底都市を形成して生活を営んでいる。彼らの主食は藻類。
大気は高濃度の二酸化炭素、メタンガスなどの温室効果ガスで構成され、その影響で第十、第十一よりも気候は穏やかである。
衛星ラースとメイアにはそれぞれ宇宙港が存在し、交易船以外に戦艦プリンセス・オブ・エステルプラッテなど多くの軍艦が係留されている。
コアストーン(石材)が表層に露出しており、ユニットと呼ばれる労使機関によってナマコニアンを使役し、採掘を行なっている

首都

フェルナーンの静止軌道上に乗っている軌道都市メトロポリス(Metropolis)。人造湖を備え、飲料水にも困らない。
反重力物質による軌道制御を行っている。
軌道エレベータによって往来が可能。またインタープラネタリー・バイパスにより、ケリネスや他の軌道都市へも連結している。
メトロポリスは他の軌道都市及び惑星地上界の都市に比べ圧倒的な都市規模を誇ることからプライメイトシティ(首座都市、首位都市)という性格を持つ。

ユーア・ラグラース地区
遺伝子搬船を保存する地区。
遺伝子研究などが行なわれているが、大天使の遺伝子組み換え等技術を批判している為に、研究資金の凍結を余儀なくされている。
メトロ教育施設
ガブリ、すなわち教育用AIの中枢。
エンジェルスの教育施設である。
ミッドタウン
超巨大軌道都市メトロポリス中心街であり、教育施設メトロ及びユーア・ラグラース地区を含めた政治の中枢。
ノースタウン
サウスタウン
イーストタウン
ウェストタウン

科学技術

遺産技術
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遺伝子搬船

名称:ユーア・ラグラース号(YULA)
仕様:教育用AI搭載(YULA航行システム、遺伝子データ保存及び再生、生命体の教育による文明レベルの向上プログラム)
  :星間物質の衝突回避システム(反重力装置)
  :人工磁場発生装置
  :マグネティックセイル(推進動力)
  :持続的生活プログラム
  :保存食倉庫

交通システム

翼を持つことによって大気圏内の移動手段には不自由しない。したがって自動車のような地上交通手段は発達していない。二重惑星間を交通する際にはインタープラネタリー・バイパス・システム(惑星間幹線道路網)を用いる。惑星間幹線道路では、人類から貰い受けた技術であるリニアモーターによる超加速エンジン搭載車両が往来する。
また使徒船団と呼ばれる汎用航宙船を有している。

情報通信システム
惑星間インターネット(Interplanetary Internet,I2)という情報通信網によって、二重惑星系とソクラテス彗星は情報共有が可能となっている。

軍事

メトロポリタンの正規軍は使徒連合軍と呼称し、構成員は守護カーストの使徒で、司令官は守護天使が担う。レーザー銃を標準装備とし、原始的ながら人類より技術供与された亜光速移動エンジンを搭載する宇宙戦艦を有する。
また最終決戦兵器として、小惑星、大型戦艦等破壊を目的とした波動砲、通称、宇宙穹の技術開発を行なっている。

使徒連合艦隊

航宙戦艦プリンセス・オブ・エステルプラッテ(PoE)
航宙戦艦セラフィム
航宙戦艦ケルビム
航宙戦艦スローンズ
航宙機母艦キュリオテテス
航宙機母艦デュナメイス
航宙機母艦エクスシアイ
航宙重巡洋艦アルケー
航宙重巡洋艦アルヒアンゲロイ
航宙重巡洋艦アンゲロイ
航宙軽巡洋艦クロノス
航宙軽巡洋艦レクシア
航宙軽巡洋艦トリアス
航宙駆逐艦サウロン
航宙駆逐艦ラグラース
航宙駆逐艦ユーア
潜宙艦ユークリッド
潜宙艦オリヴィア
潜宙艦セキュール

兵器

人類から技術輸入したものが多い。

星間弾道ミサイル
地上配備型と艦隊搭載型の恒星系外に対するミサイル。
内蔵型のワープ機能を有し、短時間での異なる恒星系への攻撃に用いられるが、効力は限定的。
核弾頭も搭載可能。時限によって自爆する。
惑星間弾道ミサイル
地上配備型と艦隊搭載型の恒星系内の惑星に対するミサイル。
惑星公転移動に対するミサイルの自動軌道補正機能はあるが追尾機能がついていない。
到達可能距離が亜光速追尾ミサイルより長い。
拡散式追尾ミサイル
地上配備型の惑星の静止軌道上に展開した敵戦艦の迎撃に用いる追尾ミサイル。
多数のミサイル子機に拡散する為、使い所によっては強力な打撃と成り得る。
亜光速追尾ミサイル
艦隊搭載型の亜光速追尾ミサイル。対艦戦で多用する。
超加速追尾ミサイル
大気圏内戦で用いる対艦攻撃用の追尾ミサイル。

オスカー宙域にて座礁していた戦艦プリンセス・オブ・エステルプラッテを接収した。

歴史

年代 事象 備考
星団歴前史 人類母惑星より遺伝子搬船ユーア・ラグラース号射出 同年に人類恒星系から離脱
星団歴250年 遺伝子搬船ユーア・ラグラース号、カイバー恒星系に到達 同年、メトロポリタン二重惑星の重力に捕まり、第十惑星フェルナーン軌道上に係留
星団歴600年 二重惑星間紛争勃発 白天使から一部が黒天使に突然変異
星団歴620年 二重惑星間紛争終結 二人の大天使が和解し、共生主義へ
星団歴760年 ルシファーの反乱 翌年、ルシファー敗北
星団歴800年 ソクラテス彗星発見 翌年、探査衛星をソクラテス彗星へ派遣
星団歴2480年 メトロポリタン二重惑星系会戦勃発 緒戦は使徒連合軍の勝利
星団歴2482年 メトロポリタン二重惑星系会戦終結 人類側の辛勝。講和し、人類側は入植権得るも突如撤退
星団歴2605年 カイバー恒星系第十ニ惑星ルクスを植民惑星化 在来種ナマコニアン発見
星団歴2801年 星団会議に出席 翌年、諸国家と条約締結を開始
星団歴2804年 カイバー恒星系オスカー宙域にて座礁中の戦艦プリンセス・オブ・エステルプラッテを接収 使徒連合軍に帰属させる

メトロポリタン国定史書

人類の母惑星からある遺伝子搬船が射出され、低速度で宙域を自動航行していた。
保存された人類遺伝子とは、当時の人類思想での美意識を以て選りすぐられたものだった。
だが、ここにある遺伝子学者の悪戯な心が作用していた。
当時にも倫理上に問題が醸されていた遺伝子組み換え技術だが、これから航宙に旅立つ彼等ならば実験材料にしても世論にも知られない為に構わないだろうという意識が働き、遺伝子組み換えが施された。それによると、とある鳥類遺伝子が用いられたことから有翼種となった起源である。
遺伝子搬船は、やがてカイバー恒星系に到達し、メトロポリタン二重惑星系の重力に捕えられると、自動制御により、第十惑星フェルナーンの静止軌道上に留まった。
搭載された教育用AIによって彼らは養育され、その間に神という存在を植え付けられ、更に自らをエンジェルス、天使を名乗らせるよう刷り込まれた。

それ以降、記録は欠損していて残されていないが、地上に降り立ったのはもうまもなくであろうと推測される。

メトロポリタンはかつて、二重惑星は紛争状態であった。
起因するのは白天の一部が黒天使に突然変異したことによるもので、フェルナーンを統治する大天使フェリス(共生主義派)とケリネスを統治する大天使ルシファー(白天使至上主義)はその種族間を紛争を続けていた。
結果、両者は和解に至り、二重惑星で連合体が発足する。
ソクラテス彗星が発見されると、天使社会も急速に発展を向かえる。
だが、大天使ルシファーは自らの権力を過信し、全能者たる神に対する反乱を起こす。(ルシファーの反乱)
これを辛くも鎮圧し、ルシファーを追放したフェリスは、天使社会を完全な平等社会に変革を行なう。
以後、何年と平穏な時代を過ごすが、九拾代目の大天使シエルの時に、人類がカイバー恒星系に到達しメトロポリタンに接触を図る。
シエルはこれを拒絶し、両者で激しい戦いが起こる。(メトロポリタン二重惑星系会戦)
人類側は辛勝し、入植権を得るが、苛烈な環境に適合できず撤退する。
その後、第十ニ惑星ルクスへ侵攻し制圧。植民惑星とする。

外部リンク

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最終更新:2007年12月16日 15:29