ドラえもんはここ数年迷走を続けてきたけれど、やっと「新生ドラえもん」として1つの形に落ち着いた感じがした。作画は昔のそれとはかなり違ったものになったが、それでも安心して観られた。(例外。オープニング映像はちょっと暴走しすぎだと思った。)
ストーリー自体は勧善懲悪にお涙頂戴を加味した至極ストレートなものだったけれど、演出やディティールでとても面白い作品に仕上がっていたと思う。風の谷の雄大さ、美しさには目を見張ったし、また世界感がかなりしっかりしてる。特につむじ風で飛ぶざる(?)の発想は秀逸だと思う。素直にあの国に行ってみたいと思った。
そしてキャラクター。まずフー子。あまりの可愛らしさにアッサリやられた!すでに原作にある今回の映画の元ネタ話を知ってたので、ラストはフー子は消えるんだと分かっていたから、のび太とフー子が楽しく遊んでるシーンを見るだけで涙が出た。無論ラストは号泣。健気すぎです。
で、助演男優賞のスネオ。今作はスネオの負の面が実の良く出ていて目が離せなかった。特に冒頭でフー子がジャイアンをやっつけたシーン。表向きジャイアンを気づかって駆け寄るも、「あいつは使える」と黒い笑みを浮かべるスネオに「うわぁ…」と思った。執拗にフー子=力に固執する彼に微かな憐憫さえ覚えた。だからこそ最後の「フー子がんばれ!」が効くんだなぁ〜。
今回光ったキャラといえばもう1人。映画になると突然男前になる奴。そう、ジャイアン。とはいっても今までの映画はどこか1シーン男前エピソードが入るといったパターンだったが、今回は違った!ざっと数えても10シーンは男前エピソードがあったでしょう。なにせオイシイシーンはみんなジャイアンが持ってくんだから。もうやりすぎです!お腹いっぱいです!そんな活躍されると惚れちゃうじゃないですか!ああ!
最後に今回最高の笑い所。ドラ映画は恒例として、まず導入部分でのび太が何か困る出来事があり、「ドラえもーーん!!」と叫んだ後にオープニングテーマが始まる。しかし今回は「ドラえもーーん!!」の後にすごいダルそうなドラえもんが団扇であおぎながら「えぁ?」と振り返るシーンが挿入されオープニングへ。いやあ絶妙!ドラえもん万歳!!
最終更新:2006年09月13日 00:29