3-無題4

カラン…
最後の小石が落ちてきて、背中に当たった。
その刺激で我に返り、ゼシカはガバッと起きあがる。
ダンジョンそのものにガタが来ていたのだろう、慎重に進んでいたつもりなのに…
「ククールっ!?」
『下』から小さな呻きが上がり、慌ててどける。
目が合うと、彼が笑ったような気がした。
「ちょっ、怪我はっ!? ねぇっ!!」
「あー…、ずいぶん穴が小さく見えんな…、ここ、最下層じゃね…?」
心配するゼシカに対して、異様にのんきな返事が返ってくる。
「このままゼシカちゃんと二人っきりで…ってのも、悪かねーよな…」
のんきだが、…どこか虚ろな声。
「ほんと大丈夫なのっ!?」
ゼシカは悲鳴を上げた。
「エイト!!!! ちょっとエイト!! どこなの! 早く! ククールがっ!!!」
悲鳴が崩れかけたダンジョンに響く。
「………。」
沈黙があった後、転がっていたククールがむくっと起きあがった。
「大丈夫だっつーの…」
めっちゃふてくされた彼は、手早くベホマを唱えると、立ち上がりまた上を見上げた。






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最終更新:2008年10月23日 00:36
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