「ゼシカ?」
「なによっ」
「なに怒ってんだよ?」
「別に怒ってないよーだっ!
もう、どっか行ってよ!」
「えらいご機嫌斜めだな・・。
今日は姫様があのブサイク王子と結婚しなくてすんだめでたい日だろ?
パーッと行こうぜ!」
「…。
……。
ククールってデリカシーないよね」
「はい?」
「どこでもかんでもすぐに女の子口説いてさ。
一緒に旅してたときもそうだったけど、世界が平和になって開放的になってから
ますますひどくなったんじゃないの?
トロデーン城でも女の子はべらせてたし。
私たちにとっては嫌な結婚式だったけど、一応国的にはおめでたい儀式だったんだよ?
そんな神聖な儀式に女の子連れて行くなんて。」
「……」
「なによ?」
「あっはっはっはっはっは!!」
「何がおかしいのよ」
「おかしいんじゃなくてうれしーの」
「ハァ?」
「好きな子に焼きもち妬かれることがこんなに嬉しいものだとは知らなかったよ」
「バっ… あんたなんかに妬くわけないでしょ!」
「ふ~ん?」
「その笑い方やめて 誰があんたなんか…! バカバカバカ!!」
「素直じゃねえなぁ」
「もう!
…だいたい、あんたの言う『好きな子』って何人いるんだか。」
「確かになぁ。 オレかわいい娘はみんな好きだし。」
「ほらみなさい」
「でも本命は一人だぜ?」
「果てしなく信じられないわ」
「ホントホント」
「じゃ、誰なのよ?」
「……」
「……」
「ナイショ」
「なにそれっ」
「さて、オレの気分もいいことだし、今からどっかいこっか?」
「人の話聞いてるの?
……ていうか、なんで私があんたと出かけなきゃなんないのよ」
「デートだよデート」
「デ…!?
バッカじゃないの?」
「んで、行くの? 行かないの?」
……。
「…しょうがないから、付き合ってあげるわよ」
最終更新:2008年10月22日 19:18