夜の不思議な泉にて
「こんなとこでなにやってんだよ。」
「あんたこそ、なにしにきたの。」
「それよりお前さ、さびしいんじゃねえ?」
「なによいきなり。私は個性的な仲間と楽しい旅があるから、
ぜーんぜんさびしくなんてありませんよーだ。」
「ホントかよ。」
冷たい風がぴゅうっとふいた。
「ほんとは・・ちがうかも。ほんとは・・・さびしい・・・かも。」
「私、元に戻ったミーティアひめは、とてもきれいだと思うよ。けど・・
この旅終わったら・・みんなばらばらになって・・・、二度と会えないかもしれない。
私、一番復讐復讐っていってたけど・・本心を隠してるね・・・。」
ゼシカの目が潤んでいる。
「二度と会えないってわけじゃないさ。」
「はぁ?」
「世界なんて、狭いもんさ。ドルマゲスを倒しにいく俺たちにとってはな。」
「ククール・・・・。」
「じゃあな。俺、疲れてるから寝てくる。早めに帰れよ。その格好に夜風は冷たすぎる。」
去っていくククールに、
「まって!」
「ん?」
「ねえ、ククール・・・・・・。あ、やっぱりいい。なんでもない。」
「そうか。おやすみ。」
おしまい。
最終更新:2008年10月22日 19:16