小ネタ2

「ククール!」
「お、ゼシカ…」
「なにやってるんだよ」
「見たら分かるだろ。着替えてんの。見んなよ」
「見てないっての。…めかしこんじゃって。どっか出かけるの?」
「ああ、まぁな」
「私、今日暇なんだけど」
「ああ、知ってるよ」
「……」
「よし!どうだ?この服。イケてるか?」
「女だ。女と出かけるんだ」
「そうだよ。わりいかよ…」
「デート…なの?」
「うーん。まぁ。俺としてはそのつもりなんだけど…な」
「……」
「そんなことより、どうかな?このカッコ」
「いいんじゃないの」
「ちょんと見てくれよ」
「…その上着。中のシャツの色と合ってないよ」
「そうかな…」
「そうだよ。あの、前に着てたビロードのマントみたいなやつの方がいいと思う…」
「あれ薄いから、ちょっと寒いんだよな」
「それくらい我慢しなさいよ」
「そうだな、そうするよ。せっかくだから」
「…楽しそうだね」
「そうか?」

「好きなの…?」

「はぁ?」
「今日のデートの相手のことだよ。あんたその子のこと…好きなの?」
「なに言ってんだ?いきなり…」
「どうなのよ」
「まぁ、な」
「…そうなんだ。付き合ってんの?」
「ちゃんと付き合っては…いない」
「そうなんだ」
「うん。…よし。これでいいか。このビロードのマントで」
「うーん…ビロードのマントより、騎士団の服のほうがよくない?」
「そうか?」
「うん、絶対そう。あんた持ってたよね、騎士団の服」
「ああ、持ってるけど…。着替えるからこっち見んなよ」
「見るわけないでしょ。でも、あのさ…相手の子はどうなのよ。その子はあんたのこと、どう思ってるの?」
「…どうかな。そんなこと分からない」
「分からないのにデートすんの?」
「分からないからデートするんだよ」
「ふーん。そんなもんなのかな…」
「そんなもんだよ」
「でも…なんかおかしくない?」
「なにがだよ?」
「相手の子だよ。好きでもないのにデートするなんてさ」
「そっか?」
「大丈夫?騙されてるんじゃない?」
「……」
「だってさ、おかしくない?どんな子なのよ。なんか、カルい女みたい」
「ゼシカ…そんなこと言うなよ」

「……ゴメン」

「もしかしたら…もしかしたら、相手の子も俺のこと好きかもしれないじゃないか」
「……」
「それに…」
「それに…?」
「…ホントはデートの約束なんてしていないんだ」
「えっ!?」
「ホントはこれから誘うんだよ。来てくれるか分からないけど…」
「…そうなんだ」
「うん…」
「ホントに…本当に好きなんだ。その子のこと」
「…あぁ。好きだよ」
「……」
「ずっと前から好きだった」
「そう…」
「久しぶりだなこの騎士団の服。…これでどうだ。完璧か?」
「うん。いいと思うよ」
「へぇ、ゼシカはこういうのが好みなんだ。…これなら、来てくれると思うか?彼女」
「大丈夫。絶対来てくれるよ。あんたなら…大丈夫」
「へへっ。サンキュ」
「…うまくいくといいね」
「ホントか?本当にそう思ってる?」
「思ってる…。思ってるよ」
「じゃあさ。着替えて来いよ」
「えっ?…なに?」
「……」
「なんでよ…」

「ゼシカ、俺と…デートしてくれよ」








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最終更新:2008年10月22日 19:17
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