俺たちのパーティはボス戦後にいつものベルガラックのカジノで遊んでいた。
店内では吟遊詩人の精霊の歌が流れている。ドニの町でよく聞いていたゼシカとの思い出の歌。
当時からゼシカは負けず嫌いな女で、ポーカーなどで対戦をして俺がゼシカに勝つと
ゼシカは決まってすねていた。いまもあんまり当時とゼシカの性格は変わらないんだけど
そんなある日・・・
ククール「ゼシカ、そろそろ仕込んでいた連金釜の様子を見に行きたいんだけど。」
ゼシカ「あ、あのさ・・・」
ククール「なんだよ、ゼシカ?」
ゼシカ「ククールにあれとってほしいんだけど。」
ゼシカはUFOキャッチャーのホイミスライムのでっかいぬいぐるみを指差して言った。
ククール「ゼシカ~、お前子供じゃないんだから。ぬいぐるみなんていらないだろ。」
ゼシカ「・・・欲しいんだもん。」
ククール「バカ言ってないで、ほらゼシカ行くぞ。」
ゼシカ「・・・」
ゼシカはUFOキャッチャーの前から離れようとしない。まるで親におもちゃをねだる子供ようだ。
ククール「いいかげんにしろよゼシカ。みんな待ってるぜ。」
ゼシカ「あのホイミスライムちゃん、ラスト1個しかないもん。」
ククール「だからなんだよ。」
ゼシカ「ゼシカ、絶対欲しいもん。ククール、お願いとって。」
ククール「馬鹿馬鹿しい・・・俺、帰るから。ゼシカ、じゃあな。」
ゼシカ「・・・やだ。」
俺の腕をゼシカは強く掴んだまま離そうとしない。ゼシカの目は涙で真っ赤になっている。
普段は物をあまり欲しがらないゼシカが泣いちゃうほど、あのホイミスライムを欲しがっている。
最終更新:2008年10月22日 19:17