一面まっしろな世界。
「この世界にこんなに寒い場所があったなんて!
うう~ もっと厚着しておけばよかったかも・・。」
冷たい風が私たちを容赦なく吹き荒ぶ。
「ゼシカ、ほら」
「ククール。 これ、あんたのマント・・」
「着とけよ」
「いいわよ。
かっこつけてる場合じゃないでしょ。
あんただって寒いのに・・」
そんな余裕、ないくせに・・
「マントなくてもお前の今のかっこうよりはマシだと思うぜ。
大人しくご好意に甘えとけって。」
「…」
こいつのこういうところ、すごいと思う。
ただのタラシじゃないっていうか。
足場が悪いところで手を貸してくれたり…、よく気がつくんだよね。
あいつのことだから、もしも相手が私じゃなくても同じことしてたんだろうけど。
…たぶん。
あれ? そういうのをタラシっていうのかな。
「もしオレが凍えたら、ゼシカが暖めてくれよな。」
「…バカ!」
でも、嫌いじゃないと思った。
「そうね…
メラゾーマくらいはしてあげるわよ。」
「よりによってメラゾーマかよっ」
END
最終更新:2008年10月22日 19:19