「今日はリーザス村の記念祭だな、ゼシカ」
『ギクッ…。なんだか嫌な予感がするわ』
「何でだよ。めでてーじゃん。夜通し二人でお祝いしようぜ」
『その夜通しでってのがますます不安なんだけど…』
「考えすぎだって。俺は祝日を、ゼシカと二人で楽しく過ごしたいだけだよ」
『…この前も、私の誕生日祝いとか言って私に…その…、恥ずかしい事したじゃない…』
「なんだよ。愛し合う二人の、極当然の、愛の営みだろ?
まあゼシカの誕生日って事で内容はSPバージョンだったけどな」
『真顔でそういう事言わないでよ!──それだけじゃないわ。
ククールの誕生日の時だって、せっかくの誕生日だから、
私の事…じっくり味わいたいとか言っちゃって……』
「だって他に欲しいもん何もなかったし」
『お母さんの誕生日の時もよ』
「あれはだな、俺なりにアローザさんが健康に生きてくれている事への、喜びと感謝の気持ちをこめて…」
『その感謝の気持ちを、なんで私にこめる必要があるのよ…!
何かと理由をつけて毎回変な事しようとしないでちょうだいっ。
考えてみたら、ポルクやマルク、メイドの子の誕生日や村の子の結婚式の時もそうやって………』
「まあまあ。祝い事は盛大に楽しく、がセオリーだろ?」
『何が盛大よ?それに楽しんでいるのはククールだけじゃない!もう知らないッ』
「………ゼシカは俺とそういう事するの、嫌なのか…?」
『え…?』
「考えてみたらいつもそういう事求めるの、俺からばかりだし、ゼシカはいつも嫌がったりするし…」
『ク、ククール?』
「なんか俺ばかり勝手に盛り上がっちゃってたみたいだな。ごめんなゼシカ、いつも無理強いして」
『あの…?』
「もう金輪際こういう事はしねーよ…。とにかく悪かった…。じゃ」
『待って…!…違う、違うの…。確かに恥ずかしくて、心臓潰れそうになるから…
苦手な部分もあるけど…』
「……」
『私だって………私も、ククールと一晩中一緒にいたいって…思う時もあるの…
だから……たまにだったら……』
「ゼシカ!!!♪」
『だけど、だからって、今日はさすがに…』
「よし、今夜はずーっと一緒に記念祭のお祝いしような!」
『~~~立ち直り早すぎるわよッッッ』
最終更新:2009年04月02日 17:17