彼女がオレを見つめている。じっと見つめている。
だからオレも彼女、ゼシカを見つめ返す。
さくら色の頬、可愛らしい唇、目を伏せればきっと長く美しい睫毛、夕日のように赤い髪の毛、同じ色の大きな瞳。
その瞳にオレの顔が映っている。
ゼシカは目を逸らさない。こうして見る彼女の顔はあまりにも可愛らしくてオレは思わず目を逸らした。
「あっ!ククールの負け~」
「・・・クソ・・・」
「じゃ、よろしくね」
今夜は野宿だ。
少し離れた川までの水汲み係をゼシカが「にらめっこ」で決めようと言ってきた。他ならぬゼシカの頼みだし、オレは快く受け入れた。
で、今に至るワケだが。
良く考えたらオレがゼシカに勝てるわけねぇよな。あんな可愛い顔で見つめられたら。
オレとしたことが・・・。不覚。
終わり
最終更新:2008年10月22日 19:22