内容というかストーリーにはそれほど面白味を感じなかった。それは自分が猟奇だとか殺伐としたものへ影響されすぎているからかもしれない。それくらいシンプルな話だった。
もっとも。大きな城が動く。もうそれだけで十分なのだ。大小様々な歯車が動く。空を飛ぶ。その映像が全てなのだ。そうった意味ではとてもリラックスした気分になれた。とくに流れを追うような神経も使わず、ただ漠然とみているだけなのが楽しかった。
30歳前後の人たちはたいてい皆、いわゆる「AKIRA」世代ですから。だから、あの作品がどこか考え方の起点になっている部分は感じます。(ARTIT:村上隆インタビュー)
あの映画とマンガは起点なのだろうか。確かに特別な思いはある。そして同世代には確実にそれを共有していることを感じる。そのような作品が他にあるだろうか。きっとあるだろうけど。今は思いつかなかった。いや。宮崎作品は高校生の時以来、それほど夢中になれなかった。けれどナウシカにも同じような貫禄がある。
このように作品が自分のなかで貫禄をもってしまうのは、それが多感な年齢に見たためなのだろうか。だとすれば、今日見たこの作品がけっして「あれら」を越えていかないのは、自分の方に原因があるのかもしれない。そうだろうか。今ほど映画をみて響いてくることはないって思うことのほうが多いのではないか。
多感とは、白紙に近い状態でもあって、色が付いてきた時には違った響き方がきっとあるのだ。今はそこのとへ素直になっていれば良いのだろう。 2004-08-09/k.m
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