明治維新についてどうのと気になるところは今後補足(*1)するとして、映画としてはなかなか面白かった。トム・クルーズの話す日本語にはどうしても「にんまり」してしまい、「キル・ビル」のユマ・サーマンをも思い出すし、ハリウッド・スターへ日本語をたどたどしくしゃべらせるのは笑える。
先日ビデオで見たペキンパーの「戦争のはらわた」で感じたドイツ兵がみな英語を話している違和感と同じように、アメリカ映画ではいつもみんな英語を話す。今回も天皇陛下が流暢に英語で、しかも日本人と話していた。ほかにも渡辺謙が戦死する際に官軍側がみな土下座するシーンとか過剰と思える演出は多いが、そういった部分を差し引いてもそれなりに感動出来た。
武士道とかのサムライ精神についてどうのと喚起される訳でもなく、トム・クルーズが格好良く夕日をバックに刀を突いても「いいなサムライ」とまでは思わないけど、霧のなか鎧甲をまとい突進してくる姿には鳥肌が立ったし、銃撃を受け何人も馬から崩れ落ちていくのを盾にして進むシーンをスローモーションで見せられるのは恐れ入った。
「みせば」に対して手加減しない徹底した力の入りようは日本映画では見られない映画産業の巨大さを圧倒させ、アメリカ的なクールさでもって、日本精神をも再構築させられるのだろうかと、サムライというキャラクターを逆輸入するようなもどかしい気分にもなった。2003-12-31/k.m
カテゴリー-映画
*1 渡辺謙演じる勝元が西郷隆盛をモデルにしているとか、原田眞人演じる大村が大村益次郎をモデルにしているとか、こういった時代モノを描けばきっと色んなBBSネタになっているのだろうか。[[●:http://www.eigaseikatu.com/com/4132/61052/]]とか。