タイトルが興味深く、しかも豪華な執筆陣。 都市をどう描いたかというよりも、写ってしまったものをどう整理するのか、という問いの中に都市を見つめる眼差しがあるように思えた。
写真はその鮮明さから、実際の目で見て記憶しうる像の情報を超えて迫ってくる。深川雅文はそれを「写真における無意識」と名づけている。相変わらず切れ味のある写真論で気持ちがよい。
欲望渦巻く外的エネルギーと自己の世界の充実を図ろうとする内的エネルギーのせめぎ合いの接点がもっとも東京らしい風景だとして、自身の「東京窓景」を語る中野正貴のエッセイも面白い。2007-06-20/k.m