時をかける少女


  • 監督:細田守
  • 声の出演:仲里依紗 、石田卓也 、板倉光隆

「タイムリープ」という感覚が、SFでも何でもなくって、あの世代特有の時間感覚だったのだと、改めて実感。そしてアニメと実写の差について思ったこと。

季節のうつろいやありきたりな日常の風景など、時を感じさせるカットを要所に挿入させることで空白をつくり話の展開を落ち着かせ、見る側へ租借する時間を与える。

ただモノを映し出す眼差しと、文脈を生んでいくつながりは見る側との関係であらかじめ想定されている。

撮る側の意思以上にそれが普遍的に感じられるのは、表現であると同時に現実とかリアルな対象でもある物質感によるものではないか。

そんな実写映画での演出を、アニメーションで行われてもやはり物質感には差があって、効果は違う。けれど全てが記号的な表現として割り切って見ているわけでもない。その間をゆれ動いていることを感じる。

SF的な効果が実写映画での物質感を損なう反面、アニメーションの中ではそのヒエラルキーに差がない。そんな実写映画との差を考えてしまうけど、これは充分に完成度の高い作品なんだと思う。むしろ映画的な側面が分かりやすく浮かんでいるので、すがすがしいほどだ。2007-05-04/k.m

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最終更新:2008年04月11日 08:14