読者投稿 |
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正座です。 こんばんは、r様! やっぱりね、真ボスって重要な要素だと思うのです。DQで言うところの、バラモスさんからのゾーマさま。FFで言うところの、ゴルベーザ兄さんからのゼロムス氏。そういう、なんていうか、エンディングの一歩手前にある演出装置としての絶望と申しますか、心の振り幅をね、うん、大きく取りたかったのです。そのための真の魔王、子狸さんですよ。でも、ほら、戦いっていうのは戦う前に決着がついてるってよく言いますよね。歴史に名だたる軍師は、たいてい同じ考えをしていると思うのです。ですから、わかりやすく戦力比をビジュアル化してあげたら、まあ、真の魔王(主人公)は正座かな、と。たいていの魔王さんは力が全てという考えをお持ちなので、ラスボスくらいの達人になると、戦う前に勝敗を察して馬車に飛び込むくらいしても違和感がないですよね。マスター・トルネコはびっくりするでしょうけど、よくできた奥方がいらっしゃるようですから、同居に関しては問題ないかな。お世話になります。と、そのように、勇者に勝つためには、反省して仲間になってしまうのがいちばん。子狸さんはそれを見越した上で正座したのかもしれません。勝てばいいのだ、勝てば。ぐははははー。 お便りありがとうございました!それでは! |
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こんばんは、bibliomania様! ふむん……作者というのはですね、読者の方々にとってはじつにどうでもいいことにまで気を張って書いたりします。それは小ネタを仕込んだり、イメージ画像だったり、個人の感想だったりと様々です。「大切」なのは、こうしてご指摘頂いたときでも、たとえ「ああこれは誤字だな」と100パーセントの確信があったとしても、ほんのわずかでもっ、誤字じゃないっつー可能性があるならっ、調べてみることだと思うのです……。ぐぐッ……便利な時代になりましたね。インターネッツ。でも、便利な時代だからこそ、疑う心を忘れてはなりません。インターネッツの情報が、必ずしも正しいとは限らないのです。疑う心。 誤字でした。ご指摘ありがとうございます!修正しておきます。「え」→「け」にクラスチェンジ。かけがえ……漢字で「掛け替え」と書いたほうがいいかなぁとも思ったのですが、平仮名のほうが優しい感じ。魔物たちにとっては、かけがえのないものと言えば、やっぱりバウマフさんちのひとなのでしょうね。少し話は変わりますけど、作中では「違う」を「ちがう」と無駄に漢字をひらいていたりもします。魔物たちは、極力漢字での表記を避けようとします。もちろん日本語で読み書きしているわけではないのですが、難しい表現は避けていますよ、という意味合いです。子狸さんが常用漢字を見ても読めない可能性を常に考えるファンタジー。 ご指摘ありがとうございました!それでは! |
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なの、だー。 こんばんは、月狩様! 思うにですね、世界中のみんなが夢の世界で暮らせたら、それはそれは素敵なことなんじゃないかな、と。昔の偉い人も言ってました。一生覚めない夢なら、現実と変わりないんだって。望めば叶うんですよ、どんなことでも。まあ、他人が不幸にならないと気が済まない人はどうするんだとか、NPCだから問題ないと理屈をこねたところで、それ現実と何が違うんだとか、全員が全員とも幸せになったら、本人たちはそれを幸せと感じるのかとか、問題は山積みというか、まず間違いなく破綻するでしょうけど、それでも一度は行ってみたいネバーランド。しいて(略)は夢と希望のファンタジーですから、現実逃避は重要な要素です。むしろ「夢」=「現実逃避」と言っても誤りではない気がします。プラス要素を抽出したら「夢」という綺麗な単語になったみたいな感じですよね。逃避というと、なんだかマイナスのイメージですけど、逃げることも大切だと思うのです。だって、あるがまま書いてしまったら、こきゅーとすが殺伐としてしまいます。これまで築き上げてきた甘美なイメージをたぴ岡は大切にしたい。そう思って書いています。やっぱりファンタジーには夢がないと。サモンナイト。 お便りありがとうございました!それでは! |
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こんばんは、がお~様! 最終章。思ったよりも長丁場になりそうです。なお、章題を略したことに深い意味はありません。三角地帯に突入したあたりでちょっとお洒落になりましたから、その流れで「エンド・オブ・ワールド」とかにしてしまおうかと思ったのですが、最終章っていうか世界が滅亡してしまいそうだったのでやめました。 ちなみに、しいて(略)では、いわゆる脚本形式をとっていますが(台詞の前に発言者の名前が書かれる)、途中で名前が消えていったのは検索を避けるためです。常にリスクの回避を考える魔物たち。おそらく勇者さんは、子狸さんが余計なことを言ってくれたように『勇者「」』で検索を掛けて味をしめたものと思われます。ざっと流し読みして、とくに自分が関わってくるところを読んだあと、子狸さんの動向を追ったのではないかと。時間的な余裕があれば、歴史上で大きな出来事の近辺も洗い出せたでしょうけど。「リンドール」で検索するとか。少なくとも、この分量ですから、旅シリーズ子狸編を細かい部分まで把握するのは無理だと思います。とりあえず、実在しない魔王を倒すべく旅立っちゃったことはご理解頂けたかと。色々とシリアスな台詞を吐いてくれましたけど、安心の監視体制でした。世界は優しい。 さて、祝☆魔王就任。おめでとう、おめでとう。この主人公、いちおう「管理人=魔王」という自覚はあったのですね。びっくりです。いまの子狸さんは制限解除されていますから、設定上は王種すら問題にならないほどのパワーを持っています。いかに成長した勇者さんといえど、太刀打ちはできないでしょう。言うなれば、RPGの負けイベントさながらです。はたして魔王・子狸は存在感を示せるのか? お便りありがとうございました!それでは! |
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こんばんは、アジア様! ドジッ娘。いえね、ヒロインの可愛さを追求していったら、究極と言える解答の一つがドジッ娘だと思うのです。そう、何もないところでつまずいて改心の一撃を出すみたいな。勇者さんはしっかり者ですから、あまりそういう面がありません。たいていのことは、持ち前の知識と聖剣で解決してしまいます。はっきり言って、子狸の助けを必要としません。ですから、長編連載の強みとでも申しますか、読者様にはご自分の娘さんを見守るような気持ちでいてくださるのがいちばんかと。すっかり立派に成長して……という感じです。旅シリーズ子狸編は、言ってみれば勇者さん育てゲーですから。 というわけで、長かったしいて(略)も、いよいよ最終章です。まず間違いなく作中最長のエピソードになるので、ご心配なさらず。現時点(10/3)で残り十話で片付くか?と言われると、少し怪しい……。いや、たぶんイケるとは思うのですが……。 お便りありがとうございました!それでは! |
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狡猾なる司法取引……!政治は子狸さんの専門外なのです。 こんばんは、月狩様! 『魔王と話し合おう』より。 無事に魔王に就任した子狸さんと勇者さんの会話を抜粋。「おれが魔王」→「王都のひとはこいつか」→「はい」。うん、ちゃんと会話している。 さて、ご質問ありがとうございます。「☆」表記はフェードアウトしました。魔力と魔☆力は同じものだとお考えください。魔物たちの動力源であり、高位の魔物はそれを外部に放出してぶつけることで失調を引き起こすという具合です。 元々、魔☆力というのは、いわゆる「MPを消費して魔法を撃つ」という形態ではないと説明するためのギミックでした。物理法則を一元的に塗り替えるという行為の代償を、個人が支払うことは不可能だからです。取引の基本は等価交換。ウィンウィンの関係でありたいですよね。一人の人間に一千万ほど支払ってもらって破産されるよりも、全人類に連帯責任で十円ずつ支払ってもらったほうがお互い幸せになれると思うのです。 無詠唱の浸食魔法が「魔☆力」と翻訳されたのは、元ネタになったものがテレビゲームのMPという概念に近いものだったからです。「魔法という現象」を「引き起こすもの」ですね。魔物たちは、かなり早期の段階でリサ結晶体の存在に勘付いていて、ただし正式名称など知りようがなかったため「魔力」と名付けました。ですが、これは魔物たちのミスで、リサ結晶体は魔法の正体に直結する概念です。名前を付けるべきではなかったのです。バウマフ家の人間に、魔法が異世界の産物であることを知られると極めて面倒なことになるからです。その可能性を少しでも減らすために、魔物たちは無詠唱の浸食魔法を「魔☆力」と命名して概念の上書きを図りました。とはいえ、もちろん魔物たちの頭の中には「魔力=おれパワー」という共通認識が根強く残っていました。まずそれが正解ですし。あと、その頃には最終章を書くにあたって誤魔化しきれないこともわかっていました。というわけで、緑の島で紅蓮さんが説明してくれたように、魔物エネルギーとスーパー浸食魔法は水面下でひそかに融合していったのです。「☆」表記が消えていったのも同じ理由からです。最終章がシリアスになるのはわかりきっていたので、いちいち「☆」を入れるのはつらいのです。なので、頃合いを見計らってフェードアウトさせました。 表面上、「魔力」と「魔☆力」は同じもの。スーパー浸食魔法がとくべつ扱いされているのは、「魔法ではない」という理屈を魔物たちが気に入ったからです。都市級の魔物がスーパー浸食魔法を使うのは、パニックを避けるためですから。魔物の襲撃に乗じて狼藉を働く人間がいては困るのですね。それを許すのは魔物たちのルール的にNGで、騎士崩れの人間がチェンジリングを維持している可能性は、まあ低いのですが、まったくないわけではありません。(チェンジリングの行使には、ロジックのパターン化が不可欠。市井で暮らすにはデメリットでしかない。でもタマさんの側近みたいに荒事に用いるには有効ではある。ただしチェンジリング☆ハイパーの維持は無理。条件が厳しすぎるため) お便りありがとうございました!それでは! |
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ふっ、シリアスですよ。とめどもなくシリアス……! こんばんは、アジア様! うん、だから最終章は書かない予定だったんですよね。あきらかに毛色が違うと申しますか。あらすじにも書いてある通り、勇者さんへのドッキリが成功した時点で物語は終わっても良かったのです。少なくとも魔物たちの筋書きではそうなっていたのでしょう。道中、魔王の腹心ルートに突入すれば、筋書き通りに話が進みました。 異世界というのはですね……まあ、魔物たちがぐだぐだと話しながら、そのついでにストーリーを進めていくという、そうしたお話になった最大の理由です。少しひねった見方をすれば、しいて(略)世界の住人たちにとって、われわれは異世界人なのですね。もちろん僕らの地球号は無関係ですけど。視点としては似ている。仮に、アジア様が、いまスマホの画面越しにこの画面を見ているとして、その立ち位置というか、視点は、こきゅーとすを見守る異世界人と同じなのですね。でも、なんかちょっとメタっぽいし、最後に異世界人が出てくるとかわりとよくあるパターンだし、いや、だからこそ連想しやすくていいかと思った面もあったのですが、とにかく書かずに済ませようと思っていました。こう、魔法のルールがあきらかに人類に有利に働くよう設定されていて、緑のひとの家には何故か宇宙船が置いてある。魔軍元帥に火の宝剣を持たせたのは、空中回廊の奥に保管されているのが、まんま魔法動力兵の残骸だからです。さすがにこれは見せられん、と。では南極の地下には何があるのかと言えば、苗木に水をやるかまくらのひとの姿が。海底都市には果実のプラントがある……。最後に、魔(雷)の宝剣を古代遺跡の扉の鍵穴にねじ込んでも、じつは不良品でしたみたいな。なんじゃそりゃってなりますよね。万が一のことを考えると、法典を人前に晒すのは危険性が高すぎるのです。魔法のルールを変えられると、魔物たちは消滅しますから。そのあたりのロジックがわかると、扉の鍵は宝剣ではなく青いひとたちのオリジナルなんだと判明します。本来の予定では、古代遺跡に向かう段階で王都のひとは休暇をもらう予定でした。鍵が居ないので扉は開かない。そういう流れになる筈でした。もちろん青いひとたちが鍵というのは内緒です。してみると、あら不思議、法典は異星人のサプライズということになりますよね。けど、魔法は成層圏外では作動しません。セキュリティの一種なのでしょうか。そこで少し戻ってもらうと、魔法には三つの回線があって、一番回線は魔物専用みたいなことが書いてあるわけです。これ、ふつうにストーリーが進んでいくと、まったくどこにも掠ってこない、完全に不要な設定なのです。これは何かあるな、と。そういうふうに仕立て上げたかったのですが。まあ、無理でした。 勇者さんは~……魔王の腹心ルートだと、間接的にこきゅーとすをブレイクする要因になる筈でした。魔物たちの自壊プログラム開発に大いに貢献する役どころです。その前にまんまと魔王さんを誘き出せたので、なかったことになりましたけど。おかげさまでこきゅーとすも健在です。どん。 お便りありがとうございました!それでは! |
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たぴ岡は、どちらかと言えば虎派ですね。ピアノはもったいなかったと思います。 おはようございます、左京様! キーワード異世界、出ました。ややこしくなるだけなので説明を省きましたが、魔物たちが敵の正体を特定したのは消去法によるものです。想定していた可能性は六つあって、未来人、古代人、異能者、異世界人orプレイヤー、転生者、異星人のどれかだろうと。魔法が、おそらく科学の延長上に位置するものであろうという予測は立っていたようです。逆算魔法とか二番回路で一つずつ可能性をつぶしていって、最後に残っていたのが異世界人と異星人でした。まず九割方、異星人であろうと判明したのが、およそ五百年前。空中回廊の開放によるものです。 リサとかリシスとか、できれば書きたくなかったのですが、無理に避けようとすると子狸さんの作文みたいになると判断しました。リサというのは「魔法という法則」をもたらすもの、リシスさんは魔法に逆らうものを罰する審判みたいなものとご理解ください。われわれの世界で言うところの物理法則は、ルールブックに書かれたことに従っているのではなく、衝突を繰り返した結果だと思っています。魔法も同じで、まずリサがあって、性質の衝突が起きたあとの結果です。われわれの世界では、原子が最小の単位なのだと言われていた時代もありました。でも、のちにそうではないのだとわかって、ごにょっとしました。しいて(略)では、とある観点からでしか存在を確認できない、計算式のバグと申しますか、数学の限界みたいなものがあって、それは決しておかしくないことなのですが、どうしても気に入らないという人々がいました。やめておけばいいのに、じゃあどうなるかわからないけど実験してみようぜとか言い出したアグレッシブな人たちです。そうして、内側から干渉されたことでチャンスとばかりに外から遊びに来たのがリサ(あるいはリシス。絶対不変の真実というものはない)です。その、やらかした張本人たちの住む世界が、第一世界とか何とか呼ばれる世界です。 お便りありがとうございました!それでは! |
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真打ち登場! こんばんは、がお〜様! 黒幕と言えるのかどうか微妙な線ではありますが、魔物たちはずっと監視されている前提で動いていました。お屋形さまが世界旅行に出掛けたのは、旅シリーズの進行に妨害が入らないよう動いてくれていたみたいです。フリーの魔物たちもちょくちょく手伝ってくれていました。まあ、魔物たちが本気で動くなら、相手は同じ開放レベル9です。でも、術者にはレベル3までというロックが掛かっているため、魔法動力兵という、魔法そのものに魔法を使わせる、これが究極の解答です。少なくとも、しいて(略)のルールだと、それ以上の魔法形式がたぴ岡には思いつきませんでした。 お便りありがとうございました!それでは! |
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魔王からは逃げられない。 おはようございます、神反煉堕様! 魔王。とても大事なことだと思います。勇者さんには、いまいち重要性が伝わっていないようですが、魔王軍のトップですから。しかも、ずっと一緒に旅をしてきたパーティーメンバーがですよ、ついに正体を現したという流れなのです。勇者さんが余裕ぶっていられるのは、魔王がわりとその場で決まっていることを知っているからであって、ようはタイミングの問題なのですね。惜しかったなぁ……。 お便りありがとうございました!それでは! |
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がんばれ、勇者さん。 こんばんは、夢の中様! 彼女、基礎的な能力がすごく低いんですよね……。妖精の里に向かう前に、特装騎士と子狸のステータスを書いたのですが。子狸のパワー、スピード、スタミナ、テクニックがC、B、B+、C+とかだったと思います。騎士はオールBにちまちまと+が付く感じ。ちなみにトンちゃんはオールA。かなり大雑把なものなので評価がゆるいです。でも仮に勇者さんのステータスを挙げるとしたら、順にC-、C+、D、Bといったところでしょう。「+」とか「-」は、何かしら特殊要素による加点と減点があるという意味合いです。肉体労働への忌避感があるため、パワーの評価は減点。正確な動きができることから、瞬発力はやや+。体力はほとんど幼児と変わりません。まあ……劣化版子狸ですね。ストリートファイターで言うところの、ダンさんです。でも悲観することはありません。勇者さんには、生まれ持ったとくべつな才能があります。子狸は決して持ち得ないもの……。それは、お金です。アリア家は大金持ちなのです。 なお、お小遣いで遊んで暮らせる勇者さんがのちに学校に通う羽目になるのは、彼女本人の意思ではありません。強制イベントみたいなものです。ひとことで言えば、子狸ストッパーですね。そのあたりの事情は、異世界人も少し絡んできます。 異世界はですね、いちおう「ある」という方向で話を進めていきます。と申しますのも、魔法には基本的なルールという考え方が根底にあって、一つの宇宙には一つの法典しか根付かない(もしくは同じ世界に二つの法典を落とすのは監視の面から好ましくない)、独力で星間航行できるような人々に科学TUEEEされても困る、といった理由が考えられます。近衛兵さん、いわゆる魔法動力兵は、スキル制のRPGで言うところのスキルツリー、あれの最上位という位置付けになっています。つまり電力で動く人型ロボットという過程を踏まないと辿り着くのは難しく、さらに魔法動力兵を作り出すことができる魔法が生み出されて、しかも定着する環境ともなると、かなり限られてきます。つまり、個人が開放レベル9を扱えることと同意義なのです。子狸はふだんから魔物たちと一緒にいるので、そのへんの感覚が麻痺しているのでしょう。最大開放、レベル9というのは、世界を滅ぼす魔法だと簡単すぎてそこまで行かないという領域ですから。この、魔法動力兵を組み上げる魔法の形式を「誘導魔法」と言います。誘導魔法が生まれ、根付く環境というものがどういったものかを、魔物たちはずっと研究してきました。その結論として、もっとも可能性が高いのは、世界が滅亡しかねない規模の戦争を何度も繰り返してきた世界というものです。人工的に救世主を作り上げざるを得なかった世界なのですね。 作中では書かないと思いますけど、共和国に活版印刷の技術をもたらしたのは魔法動力兵です。魔物たちが暮らす世界(暫定的に連結世界とか呼ばれています)は、ほぼ理想郷に近いのですが、われわれの目から見ても決定的に不便な点も幾つかあります。それは医療と娯楽です。だから異世界人の手足として働く魔法動力兵は、連結世界に多くの概念を持ち込んでひそかに定着させてきました。連結世界が特別視される理由は、ひとえに「野放しの善意の神=魔物たち」にあるので、契機になったのは魔物たちが生まれたおよそ千年前であると思われます。自分の家の庭で、他人が無断で入って何か得体の知れない活動を行っている……魔物たちは面白くなかったのでしょう。接する態度も自然と厳しくなってしまうのではないかと。不法侵入でござる。 あ、地の文(らしきもの)が魔物寄りなのはですね、放っておくとどこまでも話が広がっていって収拾が付かなくなるからです。そうなるであろうとは予測していましたが、案の定、これまでのツケが一気に襲い掛かってきました。方向性をしぼるために、魔物びいきの視点を採用しました。魔物たちよりも異世界の事情に詳しいので、ぽよよんズが見当違いなことを言いはじめたら、少しにやりとできるかもしれません。 お便りありがとうございました!それでは! |
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異端者・子狸。 こんばんは、がお~様! じっさいのところ、子狸さんたちの世界は天動説を信じるに足る証拠が揃っている(二番回路の働きによる)ので、たぶん大丈夫です。われわれの世界で長らく地動説が認められなかったのは、天動説を裏付ける証拠がなかったからだと思うのです。進みすぎた船は海の果てから落っこちて(と錯覚する)、天蓋に張り付いた星がくるくる回る(ように見える)世界では、勝手に言わせておけばいいと放置される可能性が高いかと。けど、はい、医療関係の知識は微妙ですね。人間たちは、治癒魔法を都合の良いように解釈していますから。子狸みたいにエフェクトが入らない仕様だと、うん、かなりまずいです。魔物たちも、本来の用途で使用するなと声を荒げておりました。時間に干渉しうる魔法の存在は、タブーなのですね。過去、討伐戦争に登場した魔王が、永続魔法の使い手だったからです。ストーリーの都合上、治癒魔法は数々の奇跡を引き起こしてきましたから(戦死したと思われていた人物が奇跡の生還を果たす等)、人間たちは治癒魔法を天使の祝福と認識しています。(等級の差を覆したように見えるため) 『ハロゥ』より。 ……うん、最終章はだいぶややこしいです。魔物たちは「ハロゥ=王都妹」という認識なのですが、じつはそうではなく、魔法動力兵の総称にあたります。彼らは魔物たちと違ってお話ししたりしませんから(王都妹は例外)、情報源が王都妹のみで、また彼女が北海世界の情報を漏らすとは考えにくいのですね。分類上、魔法動力兵は「第二位リシス」にあたりますから、術者にとって不利な行動はしません。まあ、のちに判明しますが、王都妹は例外です。やろうと思えばやれましたけど、彼女には彼女の事情とか考えがあって行動していましたから、自分が術者の命令を無視できることをずっと隠していました。常識的に考えてありえない存在なので、魔物たちもまんまと騙されています。 ……ああ、ついに第一世界に言及する日がやって来てしまった……。じつのところ、第一世界の存在は隠したまま逃げ切るつもりでした。ただ、第一世界を抜きで作中の事象を説明しようとすると、すごく遠回りになることに気が付きまして……けっきょく書くことにしました。つまり、第一世界というのが、最初に魔法を生み出した、事の発端になった世界なのですね。魔物たちは異世界人が憎くてたまらないようですが、魔物たちがやられたことを、第一世界にやられたのが北海世界です。歴史は繰り返す。ただし北海世界には、第一世界にあらがう力がありませんでした。魔物たちは本当に奇跡的な存在で、連結世界は非常に稀な条件の揃った世界です。だから北海世界の住人たちは、移住の第一候補に連結世界を選びました。 第一世界=魔導技術の始祖。北海世界に法典を落とし、誘導魔法の誕生を促す。科学万能の世界。固有魔法は無し。法則の衝突が起きるような技術を、自分たちの世界で試そうとは思わない。北海世界は、理想とされる条件を満たした世界だった。第一世界の科学力は宇宙一ィィィ。なので、およそ「宇宙で起きたこと、起きていること」を全て再現できる。つまり、永久機関は存在しない。半永久機関ならある。世界中の事象は解明済み。やることが何もなくなったため、ちょっくら宇宙の端っこに行って、得体の知れないマシーンでバチバチと何かやりはじめる。結果、魔道技術が生まれた。異世界=尽きることがない物語を眺めることができるようになったので、いまは退屈していない。永久機関は手に入らなかったけど、あったらあったでろくなことにならないんだなぁ、と学習した。 北海世界=第一世界に法典を落とされた世界。「誘導」という、最強の魔導配列(魔法の形式、魔法の遺伝子みたいなもの)を持つ。誘導魔法が生まれる条件は非常に厳しく、そのため完全に歴史を調整されている。第一世界に次ぐ実力を持っていて、それゆえに種族としての寿命が限界に近い。民間人が高度な知識を持つ完成された社会は、ブレーキか効かないため。望んだものが何でも手に入る世界は、あとがない。「知識」をリセットして再出発するために他世界への移住を目指し、無数の世界に法典を落とす。この、法典を落とした世界を「親世界」、落とされた世界を「子世界」と言う。法典は、術者の条件を満たした種族がいる世界に落とされる。無人の世界に落としても意味がない。生存環境が繁殖力に対して狭く、かつ陸上生物であるという「連結世界の人間」は、北海世界が求める条件を満たしていた。 連結世界=北海世界の子世界。奇跡的に誕生した「善意の神」=魔物たちが見守る世界。魔導配列の名称は「連結」。親世界との公的な接触がないため、世界の正式名称がない。(われわれの世界に名前がないのと一緒です。親世界ですら子世界の名前を決める権限はありません。のちのち、公的に接触する可能性もあるのに、わざわざ不興を買うような真似をするなという第一世界からのお達しです。かと言って無名のままだと不便なので、暫定的にその世界の特徴を表す魔法の名称で呼ぶことになるようです。話が広がりすぎると困るので、作中では伏せていますが、「非数世界」というのは、ナンバリングがされていない世界=正式名称を持たない世界のことです。本来、連結世界のみを指す言葉ではありません。作中で、わざわざ非数世界と書いているのは、第一世界と北海世界の関連性をぼやけさせるためです。第一世界の正式名称は「央樹世界」と言います。西とか南とか東の世界は作中にいっさい出てこないので、なかったことにしました。北海世界の別名は、第五世界。理想的な環境だったので、他の世界でしっかりと実験してから法典を落としました) どうでしょう。こう書くと、なんとなくわかりやすくなった気がします。しいて(略)は、三つの世界で完結するお話にしたかったので、余計なことは書かないようにしています。理想を言えば、北海世界と連結世界で完結したかったのですが、無理でした……。 お便りありがとうございました!それでは! |
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確率は五分と五分……サイは二度、振られる……。 こんばんは、月狩様! あ、誤字ではありません!伝わりにくくて、すみません……。魔法動力兵は、二十四種、そこからさらに三系統に分かれます。魔物たちで言うところの、「メノゥ」「メノッド」「エルメノゥ」みたいなものです。ぜんぜん違いますけど、そのようなものです。 大まかに言って、 ・魔物たちの場合 「メノゥ」……通常モード。お手頃サイズ。省エネ。 「メノッド」……巨大化。最初から巨大な魔物もこう呼ばれる。例外的に、跳ねるひとの獣化を示す目安として「メノゥ」と「メノッド」を使い分けている。 「エルメノゥ」……原種。最上位という意味合いで用いられる場合もある。例:魔軍元帥(エルメノゥマリアン)、魔人なグラのウルーさん(エルメノゥグラ・ウルー)。都市級のパワーアップバージョンはいない。もはや王種の領域であるため。 といった具合ですが、 ・魔法動力兵の場合 「ハロゥ」……分離型。体外に核を持つ。魔法動力兵の基本形は、むしろ分型。二倍速で詠唱しないと連結魔法よりも詠唱が遅くなるため。 「ハロゥド」……内蔵型。体内に核を保管し、あえて攻撃力を抑えた新基軸。いちおう、弱点が露出していないため、耐久力が高いという見方もある。でも魔物たちの攻撃はふつうに外殻を貫通する。じつのところ、巨大化した魔物「メノッド」の「ド」は、「ハロゥド」から来ている。 「エル?ハロゥ」……複核型。魔法動力兵の正式名称を魔物たちは知らない、また作中で書くこともあるまいと作者が高をくくっていたため、複核型の正式名称は決まっていません。魔物たちの「エルメノゥ」は、変化魔法「エリア」→メガ進化→並行呪縛「エリア(ア)ル」の「アル」から来ていて、「エメノゥ」+「アル」→メガ進化→「エアルメノゥ」→「エ(ア)ルメノゥ」という行程を踏んでいる。複核型は、少し本気を出した魔法動力兵。王国暦52年に、南極大陸に降臨した機兵がこれ。天を埋め尽くすほどの大量の分離型を率いて攻め込んできた。読んで字のごとく複数の核を持ち、逆算魔法の影響下でも(詠唱破棄が封じられても)有利に戦えるよう設計されている。 といった具合に、ぜんぜん違いますけど、とにかく三種類に分かれるのだなと、なんとなくイメージしやすいよう、魔物たちと設定をかぶらせています。と申しますか、魔物たちの設定をパクりました。たぶん分離型を連弾で撃つと核が増えます。魔物たちが人間とうまくやっているようなので、彼らの設定を流用したほうがラクなのですね。作者の都合にも即しています。魔物たちの元ネタは、いわゆる一種のモンスターで、魔法動力兵の場合は、ほとんど元ネタそのままです。作中の設定では、異世界の神話が連結世界に流し込まれていて、その神話をベースに魔物たちの姿が決まったという、逆手順になっています。 つまり、魔物たちは、最終局面になれば複核型が投入されるだろうと予想していたのに出てこなくて、それは何故かと言えば、北海世界の魔法使いは、連結世界への移住を前提に動いているからです。魔物たちが、特定の環境でしか原種を出さないのと一緒です。勝敗に興味はなく、存在をアピールしようとしていることがはっきりしたので、魔物たちのご機嫌がますます斜めになって、言葉が荒れました。この微妙なニュアンス。敵を知り、己を知れば百戦危うからずという言葉もあります。魔物たちは魔法動力兵の構造をかなり細かく分析していて、間接的に北海世界の歴史をある程度まで推測しています。電力発電、家電製品の登場、コンピューターの発明、インターネットの普及、AIの開発、人型ロボットの完成あたりは、まず外れることはないだろう規定路線なのではないかと。 お便りありがとうございました!またご指摘等ありましたらよろしくお願いします!それでは! |
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リバーシブル子狸。 おはようございます、アリノ様! じつを申しますと、異能に関してはあまり触れたくなかったのですが。たまに不思議な力を持った人間が現れる、それでいいのではないかと。たぴ岡は、超能力者は実在していてもおかしくないと考えています。さすがにトンちゃんの2cmほど顕著なものはないと思いますけど、人類の精神活動や社会通念といったものは極めて特殊で、とんがりすぎていて、妙な方向に進化してしまう人間が現れても不思議ではないなと常々思っています。 作中では書かないようにしていますが、異能の正式名称は「異種権能」と言います。「権能」というのは、ある規則を下敷きに振るわれる権限のこと。本人が生まれ持った能力と区別する言葉だと、たぴ岡は解釈しています。異能者が持つ不思議な力は、異能者本人ではなく、ルールの力なのだと魔物たちは考えているようです。だから異能持ちあるいは適応者と呼ぶのですね。魔物たちが「異能者」という言葉を使うなら、それは異能そのものを指し示すことになるでしょう。ややこしくなるので、たぶん作中では一度も使っていないと思いますが。うっかり書いたことはあるかもしれません。異能は、魔法の反作用。退魔性の成れの果てです。 お便りありがとうございました!それでは! |
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来訪者、現る。 こんばんは、omega11様!から 動力兵さんたちは宇宙人ポジションを狙っているようです。魔法は成層圏外では作動しないという決まりがあるので、たぶん成層圏ぎりぎりで具現しています。山腹軍団は、むしろ王都を防衛するために進軍していたのですね。あと、タイムスケジュールの調整も担っていました。 魔物たちは宇宙が大好き。宇宙。わりと重要なキーワードです。魔物たちは、魔法の原則が自分たちだけに課せられたものかどうかを長い間ずっと調査していました。少なくとも成層圏外には、魔法の源になる何かが無い、だから魔法が作動しないということは突き止めていたのだと思います。 かの有名な洋画、E.T.では異星人と少年たちの間に友情が芽生えましたが……。さて、どうなるやら。 お便りありがとうございました!それでは! |
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だいじょうぶ、全編を通して機能してます。 こんばんは、神反煉堕様! じつは作中で火花星が出てきた場面では、お屋形さまがシリアスしていました。まあ、負け狸です。魔物と人間では、基礎スペックが違いすぎるのですね。子狸さんがここぞという場面で惜しくも惨敗するのは、遺伝ですな。困ったものです。 あ、最終章はシリアスです。シリアスですよ~。たぴ岡は童話に憧れているのです。赤ずきんさんは、狼さんと左の刺し合いをしたりしないでしょう?しいて(略)が完結する頃には、シリアス派の一派に名を連ねたいものです。どうせボケるんだろ?とか、そうした流れを断ち切りたい。たぴ岡の運命の刃は子狸に届くのか?乞うご期待。 お便りありがとうございました!それでは! |
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まどかってました。 こんばんは、月狩様! 信じられないって悲しいことだと思うのです。どうして信じてくれないのか……。たしかに魔物たちはこれまでに散々と適当なことを言ってきましたが、だからといって信じることをやめてしまうのは正しい行いと言えるのか。ほいほいと騙される子狸(主人公)を見習ってほしいものです。 まあ、魔物たちの自作自演という可能性は捨てきれません。それは、常にあります。都合の悪いことは都合の悪いことでふたをするというのが、彼らの遣り口ですから。デスノートの月くんが、ノートを机の引き出しの二重底に隠していたのと同じです。僕は器用だからね。ですが、たぴ岡ならば日記ではなく今後の生活に支障をきたしかねないブツを入れます。つまり、そういうことなのです。それでも……勇者さんには信じてほしかった。DQの勇者さまは、困っている人を素通りしたりはしません。猜疑心に満ちた目を向けたりはしないのです。そういう、なんと申しますか、シナリオをスルーするような行いに、子狸さんは怒ったのですね。世界滅亡までのカウントダウンがはじまっていようとも、目の前で困っているひとがいるなら前足を差し伸べて、あえなくタイムアップ、ゲームオーバーになるような……美しさを、勇者さんは子狸から学んでほしい。ただし、たぴ岡とは無縁のところで。そう思っています。 お便りありがとうございました!それでは! |
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ぱおーん! こんばんは、神無月様! うん、24人目は登場しません……。 『いつか、君と出会う日を』より。 ついに書いてしまいましたが、最後の一人、五人目の王種(作者の脳内設定では二人目なのですが)は逆算魔法の軸です。これがなくなると、魔物と動力兵の戦いは四次元戦闘に突入せざるを得なくなります。先手をとったほうが有利だからです。つまり、何らかの形で決着がつくか、あるいは魔物たちの敗北が、登場の条件なのです。バウマフ家の人間は、魔物たちの心情が理解できるからこそ、二番回路に逆算魔法崩壊のフラグを仕込みました。魔物たちはわかっていませんが、勇者さんがこきゅーとすに入門したのは、そのフラグが立ち掛けたからだったりします。二番回路が一部、損傷したのですね。二番とこきゅーとすは同期していて、片方が壊れるともう片方も壊れるようになっています。ひとつタイミングが狂えばアウトでした。というわけで、24人目は登場しません。しませんが……なんとなく正体というか種族はわかるストーリーになっている、と思います。魔物たちの性質(属性)は性格に通じますから、わりとのんびり屋で、キレると怖い感じではないかと。イジられキャラですね。作中では書きませんが、名前はクォンタムと言います。魔物たちは「クオン」と呼んでいました。元ネタは「quantum=量子」と「久遠」。ある意味、もっとも第一形態(リサ結晶体)に近しい魔物であることから。名付け親のママンに見たまんまの名前を付けられそうになって、いやいや……となったのですね。 といった具合に、現在で言うところの連合国の土地で生まれた魔物たちは、作中で英語扱いの連合語との縁が深いひとが多いです。ブル(骨のひと)は「雄牛」(雌牛=牛のひとに逆らえない)ですし、ジェステ(見えるひとの本名)は、ジャスト(ぴったり→となり→騎士)。リリィ(歩くひと)は、リリース(解放)がそれぞれ元ネタになっています。ハロウィンもそう。作中では、区別をつけるために「公認勇者」と表記していますが、「勇者であると認める」という意を強調するニュアンスで「ハロウィン」と呼ばれます。人間たちの認識では、もう少しゆるく、「勇者の称号名」という扱いですね。ですから、いまの勇者さんは「アレイシアン・ア(ジ)ジェステ・アリア」と呼ぶよりも「アレイシアン・ハロウィン・ア(ジ)ジェステ・アリア」と呼んだほうが、より公の場では相応しいということになります。ややこしくなるだけなので表記は一貫していますけど、連合国の(現)司祭に関しても、騎士団の一員として動いているときは「ノイ・ウーラ・エウロ・パウロ」ではなく「ノイ・エウロ・ウーラ・パウロ」と呼ぶのが正しかったりします。まあ、どうでもいいですね。子鼠はさておき。 ハロウィンの元ネタは「収穫祭」です。魔王討伐の旅シリーズは、魔物たちが異世界人を引きずり出すためのもので、これは遠未来にいるクオンさんの予言を基にしています。魔改造の実シリーズは未来から現在に落ちてくるものですから、その総数や種別は、暗号化されたメッセージなのだと魔物たちは解釈しました。それくらいしか依り所がなかったということでもあります。 三つの門、四つの試練、六つの鍵というのが、そう。王都のひとが地下通路に飛び込む前に言っていた、「封をくぐるなら~」というのが詳細バージョンです。その予言を実現するために魔物たちは歴代の旅シリーズで試行錯誤してきました。うまく行ったこともありますし、行かなかったこともあります。子狸編は、うまく行ったケースの道筋を辿ったものでした。 勇者とは「予言の遂行者」です。そして、最終章ではもう少し踏み込んで、そう、「ハロゥに打ち勝つもの」という意味合いも帯びてきます。「ハロゥ」とは「魔法動力兵」の総称ですが、魔物たちは知りません。彼らが知っているのは「ハロゥ=王都妹」ということだけで、彼女は最後に生まれた魔法動力兵です。時系列的に、彼女の名前が勇者の称号名に用いられたとは考えにくく、「ハロウィン」という言葉は北海世界から流入したものと見る向きもあります。つまり「北海世界の勝利」を願ったものなのかもしれません。作者としましては、それら全部です。あらゆる語源に、これという単一の元ネタはなく、さまざまな意味が混ざり合ったものが後世に伝わると考えています。たとえば、ナウいとか死語になってしまいましたけど、数年後には若者たちがナウェ~とか言ってるかもしれません。これナウェ~わ~的な。ナウいの死語っぽさとアウェーが混ざり合って、マイブームだけど誰にも理解されない、おれだけのオリジナル、おれだけのマッハみたいな感じですね。言葉ってそういうものだと思うのです。 お便りありがとうございました!それでは! |
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マリです。登場しません。マリです……。 こんばんは、Yeti様! 大正解!はい、何でもアリだとお屋形さまが勝ちます。ほぼ間違いありません。あの元祖狸は、過去(あるいは未来)に制限解除されたという事実を現在に持ち込めるので、子狸みたいな面倒な手続きをすっ飛ばして開放状態に移行できるからです。開放レベルの差を覆すことはできませんから、詠唱破棄を許した時点でトンちゃんは詰みます。 ただ、まあ、たぴ岡は空気を読んで、制限解除なしの場合はどうなるかも書いておきます。その場合は、たぶんトンちゃんが勝ちます。魔法使いとしての技量は元祖のほうが上なのですが(退魔性の劣化がひどすぎてリサ結晶体の流れが見える)、トンちゃんの身体能力が高すぎて、爆破術ですら追いきれるという確証を持てません。そもそも、お屋形さまが爆破術を使えるかどうかも微妙です。開放状態で戦えるということと、限られた開放レベルで工夫することは並び立たないのですね。射程超過を使えるのに、わざわざ爆破術という発想に行くかと言うと……?たぶん、ないです。爆破術は、巫女さんと子狸のオリジナルで、一人と一匹が揃わないと完全版にはならないでしょう。 ちなみに、お屋形さまの名前。マリなのですが。元帥の称号名が「マリアン」から来ています。「マリ」は設定上「根っこ」とかそういう意味で、「アン」は聖性を補強するとかそういったニュアンスです。勇者さんのお名前が「アレイシアン」というのも、そこから来ているのですね。なお、狸一族の長老、グランド狸のお名前は「ミナ・バウマフ」。じつを言うと、たぴ岡は「ミ」というカタカナが嫌いなのです。なんか、まとまりが悪いと申しますか、もやっとする感じです。ですから固有名詞に「ミ」が含まれるのは避けてきたのですが、DQの「ミナデイン」は大好きなので、どうせ作中では誰も古狸さんを名前では呼ばないし、あやかりました。 古狸=幹男。親狸=根郎。子狸=零太。 名前に込められた魔物たちのきれいな願い。 幹男=みんなの中心になって支える、支えられるようなひとに育ってほしい。 根郎=評価されずともくじけない、見えないところでもがんばれる、自分を誇れるひとになれますように。 零太=ファイナルアトミックバスター。 お便りありがとうございました!それでは! |
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前科が重くのしかかる。 こんばんは、月狩様! もじったものなのか、誤字なのか……。答えは、半々です。投稿する段になってパソコヌさんの誤変換に気がついたのですが、そのままにしました。第一世界と北海世界、そして連結世界。それ以外の世界は設定上でしか存在しないため、なかったことにしたいたぴ岡と誤字が許せないたぴ岡が衝突し、前者が勝利をおさめました。けど、近頃、少し考えが変わりまして、べつに色々な世界があるんだよ〜ということでご納得頂けるのではないかと思いつつあります。ようは具体的な名称を書かなければ済む話なのではないかと。一つの世界には複数の呼び名があって、そのうち自分たちで決めたものが「正式名称」になります。ですが、偉い人たちで話し合って決めるにせよ、全世界の人々に投票してもらって多数決で決めるにせよ、けっきょくのところ正式名称は無難な線に落ちつきます。無難な線というのは、つまり「第一世界との関連性を表す名前」です。そうすることが、他世界へのいちばんのアピールになるからです。たとえば日本では方角を「東西南北」と言い表します。第一世界では「西南東北」と数えていくのが一般的で、そこから転じて「西=1」「北=4」といった認識が根付いています。ですから、第一世界の子世界である四つの世界は、自分たちの世界に方角を表す文字を入れ、そこに自分たちが暮らす世界の、あるいは自分たちの特徴を示す文字をつけました。北海世界は、べつに第一世界の北にあるというわけではありません。第一世界から見て、四番目の異世界という意味です。肝心なのは意味であって、音ではないのです。たぶん北海世界では、国によって自分たちの世界の読みが変わるでしょう。われわれが自分たちの母星を、日本語では「地球」と言い、英語では「アース」と言うのと同じです。 お便りありがとうございました!それでは! |
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めぐりあい、宇宙。 こんばんは、アジア様! フローチャート!そうか、その手があったか……。 というわけで、簡単!しいて(略)講座!どんどんどん、ぱふ! ……とはいえ、何から話したものか……。 とりあえず、魔法の誕生編から行きましょうか。 「第一世界にて最終定理が解かれる」(第一世界は究極の科学力を持つ世界。究極なので、先はない。異世界へのトリップや超常現象、タイムスリップなどの空想上の事象は完全に否定されている。コンピューターの性能とかも凄いので、未来に何が起こるのかも計算してわかる) ↓ 「宇宙の外縁部に手を出す」(やることが何もなくなったので、一部の人間が計算できないとわかっていることに手を出しはじめる) ↓ 「原書の魔物リシスさんがこんにちはする→魔導素子リサが発見される」or「半概念物質リサの抽出に成功する→事故によりリシスさんがぽこっと生まれる」(歴史が重複しているため、どちらが正解でどちらが間違っているということはない。むしろ複数の歴史がないと魔法は生まれない。魔法は存在しないというのが最終的な結論であるため。鶏が先か卵が先か。答えは、ころころと変わる。両者の存在肯定=結論の延命=魔導技術の基礎理論) ……と、いった具合です。 この、「リサ」というのが魔法の大元になるものです。作中で、よく「魔法を使う」と書きますが、法則ではなく現象としての魔法を正しくは「リサ制御」と言います。 魔法を使うためにはイメージと詠唱を要するという話でしたが、この二つは突き詰めて行くとじつは同じもので、ようは契約に同意する作業です。イメージは同意書の確認、詠唱が捺印。言い逃れをさせないための仕組みです。 同意する ↓ リサがくるくると回る ↓ 他のリサが集まってくる(基本的に回転速度が速いほど、たくさん集まる。例外は回転速度が素数の倍数になったとき。六倍速で回るリサには、三倍速と二倍速のリサが仲間だと思って近寄ってくるけど、七倍速のリサを三倍速と二倍速は仲間と見なさない) ↓ リサが結晶化する(魔法で生成した光や炎は、すべてリサ結晶体の働きによるもの。単体のリサは小さすぎるので、受容体が存在し得ない。感知しようがない。これはリサ制御体と呼ばれる魔物たちでも同じことで、彼らはリサ結晶体の群体。作中では、魔物たちの動力源を魔力と呼ぶ。この魔力の正体がリサ結晶体。魔物たちは、半概念物質の正式名称を知らない。調べようがない) といった手順を踏んで、魔法は作動しています。魔物たちが魔力、魔力と言っているのは、「リサ」という単語を知らない、知っている筈がないからです。何故なら、リサというのは、魔導技術の基礎理論を提唱した研究者の名前で、彼女は第一世界の人間だから。どうしてリサにしたのかと言うと、「リシス」というのが英語で「分解」を意味する言葉で、これは連合国の言葉で「退魔力」を指すからです。もともと、たぴ岡は最終章を書くつもりがなかったので、「リシス•リバイバル」で「勇者さんの退魔性が最後の最後に復活したよっ」とするつもりだったのです。 第一世界でリサとリシスが生まれる ↓ 討伐戦争の勃発(魔物たちが作中で討伐戦争、討伐戦争と言っていますが、彼らは討伐される側であって、人類と魔物の戦争を魔物たちが「討伐戦争」と呼ぶのは、じつはおかしい。人類と魔物の戦争=討伐戦争という下敷きが最初にある) ↓ リシスに対抗するために、第一世界が四つの世界に法典を落とす ↓ 北海世界にて究極の魔法、誘導魔法が完成。魔法動力兵「ハロゥ」の誕生。人間に従う魔物 ↓ 第一世界の科学力と第二〜第五世界(北海世界のこと)の魔法を結集してリシスの撃退、封印に成功する ↓ もともと北海世界は「リシスに勝つこと」のみを目的として歴史を調整された世界なので、リシスがいなくなったことで体制に無理が生じる(誘導魔法が強力すぎる、便利すぎるために天国みたいな世界になってしまう。人間は天国では生きていけない。最強の魔導師=北海世界の管理人が種族の延命を図るが、動力兵を捨てるという選択を人々は選べなかった。昔の人がエアコンなしで生活できたのは、エアコンがなかったから。いまさら地球温暖化とか言われても、正直困る。その拡大版) ↓ 北海世界の他世界への移住計画がはじまる(北海世界の人々は、いまいちぴんと来ないけどこのままだとまずいことはわかっている。まずハロゥがいれば何でもできるため、誰も働かないし結婚もしない、どんどん子供は少なくなるし、それでいて娯楽には困らないので現状に満足してしまう。他人と関わることにメリットを見出せない。最終的な結論が、たくさんの世界に法典を落とし、良さげな世界があったら移り住もうというもの。異世界人との触れ合いに最後の希望を託し、計画スタート) ↓ 連結世界にて魔物が誕生。良さげな世界になる といった感じです。いろいろと、まあ、うん、あったのですね。 お便りありがとうございました!それでは! |
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ラヴ&ピースやで。 こんばんは、蒼衣様! 最終章、ややこしいですよね。本当にごめんなさい……。でも、この長ったらしい説明を(魔物たちの知識には偏りがあるため、完全ではありませんが)、子狸さんも聞いているわけです。想像してみてください。……どうでしょう。言葉には言い表せない絶望感みたいなものを、感じとれると思うのです。最終章はですね、ほら、シリアスですから。どシリアスなのです。したがって、まずは絶望から……はじまるのです。 希望は、絶望から生まれる……。 子狸さんに言わせてみれば、希望は花であるらしい。花というのはですね、狐娘たちを暗示する言葉です。彼女たちの名前は、上から順に薔薇(イベルカ)、百合(サルメア)、紫陽花(レチア)、夕顔(ルルイト)、たんぽぽ(コニタ)と言います。これは王国語なので、たぴ岡の造語です。花の種類は重要ではありません。重要なのは意味であって、この場合は勇者さんが名前に込めた願いです。狐一族の長兄はトンちゃん。彼の名前はアトンと言い、名前の頭文字をつなげて行くと……トンちゃんが偽名を使わなかった意味とか、鱗のひととの戦いで思い浮かべた光景とか、お馬さんとの戦いでちらっと書いた遺言の件とか、狐娘たちがやたらと勇者さんに懐いてる理由とかが、たぶん、なんとなくわかります。 子狸成分はこの際置いておいて、勇者さん成分を補充してみました。いかがでしたでしょうか。 お便りありがとうございました!それでは! |
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本人いわく、可愛くないからハロゥちゃんと呼んでほしいそうな。 こんばんは、がお〜様! いやぁ〜王都妹さんはですね、自分の気持ちに気付いていないと申しますか、本当にそういう気持ちを抱いているかどうかもよくわからないのです。少なくとも魔物たちには恋愛感情が備わっていなくて、それは必要がないから。不老不死ですからね。一方、お屋形さまはどうなのか。たぶん彼女の気持ちに関しては、何も考えないようにしています。でも、ポンポコ嫁は、王都妹さんの気持ちがそういうものだと認識していて、それが勘違いなのかどうかは、やっぱりわからない、本人もわかっていないという感じです。なんでそんなややこしい三角関係もどきにしたのかと言うと、まあ、話せば長くなるのですが、あの元祖狸が作中に登場しないという部分に掛かってきます。お屋形さまはですね……そういう意味ではありませんが、本当なら色々とやらかしてしまう予定だったのですよ。あのひと、へたをしたら魔物たち以上に異世界人のことが嫌いなのです。もう、はっきりと憎んでます。王都襲撃を企画したのは、大部分が復讐のためでして……。おの大きなポンポコも、やっぱりバウマフ家なのですね。何よりも魔物たちのことが大事で、あとは、うん、自分たちの世界にちょっかいを出されたのが、とにかく気に入らないらしい。というわけで、浮気はしてません(笑)狸は、つがいを決めたらずっと一緒にいる一途な動物なのですよ〜。たとえ王都妹さんに告白されてもふつうに断るでしょうし、そのくらいのことは王都妹さんも理解しているでしょう。元祖狸とポンポコ嫁の仲を引き裂いてやろうという気持ちはありません。ただ、ねちねちと言葉責めするだけです。狸くん一人なら時間移動できるのにね〜とか(特赦はバウマフ家以外には適用されない。奥さんを連れて過去、未来には飛べない)、レベル3とかばかにしてるの?とかです。(ポンポコ嫁はバウマフ家の血をひいていないため、離脱症状の反動が大きすぎて、実質的に制限解除が不可能。魔物たちのことは信頼しているし、可愛がってもいますが、退魔性がほとんど機能しないというバウマフ家の特性はそうした次元の問題ではありません。最低でも子供の頃に、素の魔物たちと接触していること。その上で、魔物にまつわる物事の捉え方が変容していることが条件。具体的には脳に蓄えられた記憶が関わってきます。退魔性が低下する、存在としての正常性が劣化するというのは、そういうこと。気持ちだけの問題ではないのです。具体的には、勇者さんくらい育ってしまうと、もう手遅れです) そんなこんなで、どうしようもなくなっている親狸サイド。あ、でも、この物語はハッピーエンドになるのでご安心ください。ハッピーエンドだからって、ハーレムエンドにはなりませんけど。そのあたりは、まあ、王都妹さんの気持ちはよくわからないということで、ひとつよろしくお願いします。 お便りありがとうございました!それでは! |
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デスボール……! こんばんは、アジア様! ようやく開幕にこぎつけました。 『子狸、戦場へ』より。 いやいや……あれ?どうして全国制覇とか言い出したんだろう、この子狸……。おかしいな……。 まあ、簡単に言うとですね、異世界より魔物っぽい連中が攻めてきてます。何をしに来たのかと言えば、移住のための顔見せです。北海世界の人々は、連結世界の人間たちと団結して魔物たちに挑むとか、そうしたポジションに滑り込むつもりはないようです。理由は……魔物たちと同じ。それをやったら、連結世界の人類社会が崩壊するからです。動力兵を生み出せる誘導魔法は、おそろしく強力かつ便利な魔法で、仮に三大国家に与したとすれば、まず騎士団が不要になります。騎士たちがどうがんばったとしても、王種はおろか都市級にすら勝てません。ですから、北海世界側の選択肢は二つ。一つは、誘導魔法を捨てること。連結魔法と同程度にとどめれば、騎士団との協調路線もあり得ました。ただし誘導魔法を捨てるということは、貴族の暮らしに慣れた人間が、有能な執事とメイドさんをまとめてクビにするということです。そんなことをするくらいなら、彼らは最後の一瞬まで閃光のように生きて、ぽとりと滅ぶ道を選んだことでしょう。なので、もう一つの選択肢。誘導魔法は捨てないでおいて、魔物たちの設定(開放レベル5)までに押さえるという道を選びました。騎士団とは、遠い隣人のまま……たぶん新大陸にでも引っ越してくるつもりなのでしょう。魔物たちは脅威だから、たまに気まぐれで手を貸すことはある、けれど自分たちのほうが圧倒的に優秀だから騎士団の交渉には応じないよ、というポジションです。その場合、魔物たちが人類と距離を置く理由(得るものがない)、敵対する動機(魔力チャージ)が完全に流用できます。何も考えなくて良いので、ラクなのですね。あとは、世代を重ねるごとに記憶を洗浄していけば情報漏洩の恐れもなくなり、魔物たちの庇護のもと健やかに異世界ライフを満喫できるとか考えているようです。じっさい、移住を許した段階で魔物たちは詰みます。彼らは異世界人を嫌っていますが、バウマフ家がほいほいと異世界人たちの保護に乗り出すからです。北海世界の人々はですね、まあ、のちのち明らかになりますが、見た目が可愛いのですね。 そして、ここは大事。魔物たちががんばってくれたおかげで、連結世界のモラルはかなり高くなっていて、文明もそこそこ発展してきました。誘導魔法は、かなり、と申しますか、あらゆる魔法でもっとも術者を選ぶ形式なので、いわゆる民間人は、魔法を使えません。三大国家を観光で訪れる際には、お供にレベル2あたりの動力兵を連れ歩くことになるのでしょう。見た感じ、街も清潔ですし、程良くファンタジーしてます。冒険者ギルドとか組織して、道行くお姉さん、ちょっとそこのダンジョンにチャレンジしてみない?みたいな……。夢あふれる。機は、熟した! ただ、お屋形さまがおっかないので、あの元祖が管理人のうちは待機していて、黙って見てたら魔物たちが自分たち北海ピアレンツの地位を貶めようとしているので(まだ住んでもいないのに!)、ちょっぱやで第一世界に許可をとって魔王さんを投下、ちょっと担当者どうなってるの!というわけで、ワドマトさんが現地入りしました。 これを受けて、魔物たちは激怒。遺憾の意を肉体言語で表明する所存を明らかにしたもようです。なお、子狸さんは積極的に受け入れの姿勢を示すとともにレギュラーの座は譲らない旨を通達しました。 以上、しいて(略)ニュースをお伝えしました。 お便りありがとうございました!それでは! |
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魔物パン選手権。問題は、うちのポンポコが親子そろって初戦敗退しかねないことですね……。 こんばんは、月狩様! 勇者一行、王都に帰還す。安定の子狸。野放しにしたのが運の尽き。少し目を離した隙に、魔物リーグに身を投じていました。勇者さんの判断は、何故か裏目に出ることが多いですね。もしかしたらLuck値が低いのかもしれません。庭園のひとと話が合いそう。まあ、肝心の庭園ブルーは単独行動に走っているわけですが。 北海世界の適応者、マリアさん登場。「マリ」とか「アン」とか多いので、本当はべつの名前にしたかったのですが。(親狸の名前は「マリ」、元帥の称号名は「マリアン」、王都妹さんの名前が「アン」)ただ、ここまで来ると、もう作者の都合が立ち入る余地がほとんどありません。マリアと言えば、まず思い浮かぶのが聖母マリア。勇者さんの名前はアレイシアンと言い、頭文字の「A」は古代言語で「単一のもの」を意味します。そこから転じて、「唯一」とか「代わりがきかないもの」つまり「聖性」を表す言葉なのですね。「レイ」は「力」、末尾の「アン」は「補佐」とか「支えるもの」、悪い言い方をすれば「予備」です。ですから、最大限に良い解釈をすると、勇者さんとマリアさんの名前は同じ意味になります。同じ制御系の適応者ということで、かぶらせてみました。 お便りありがとうございました!それでは! |
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幻の六匹目。 こんばんは、神反煉堕様! さて、にわかに設定集じみてきました。とりあえず、最終章の前半は、子狸が大人しくしているうちに面倒なところをパパッと済ませてしまおうと思います。ここを逃してしまうと、もう魔法のいちばん根っこにあるものを書く機会がなくなるのですね。一方その頃、子狸と勇者さんは魔物たちのレクチャーを受けていて、そちらは簡易版になります。魔物たちの知識は偏っているのと、自分たちにとって都合の悪いことは言わないので、別視点から設定の公開に踏みきりました。デスノートならぬ、黒歴史ノートですね。 そうですね……魔法の正体が大気中に散布されたナノマシンの仕業だったとか、わりとよくある話だと思うのです。それをもう少し胡散臭くしたのが、しいて(略)の魔法です。リサというのは、粒子以前の「点」なのだとご理解ください。もう少し正確に言うと「穴」なのですが、それは置いておくとして……。この「点」がたくさん集まると、その組成に応じた性質を獲得します。光ったり、発熱したりですね。元が小さいため組み合わせが膨大で、時間や空間を生成することもできます。そうした反応を統制し、制御しているのが「法典」と呼ばれる遺跡の奥にある黒板です。黒く見えるのは法典の正体が高密度に集合したリサだからであって、非結晶状態にあるリサと接触(衝突)できる物体はない、つまり認識することができないため、視界にぽっかりと穴が空くのですね。このあたりの理屈は、まあ、いわゆるクォリアというやつが絡んでます。りんごの赤さを他者と共有することはできなくて、その「赤さ」はどこから来たのかというお話です。しいて(略)世界では、それが目には見えない比較から来ているというふうに、つじつまを合わせています。ようは、「心」や「魂」といったものが「物体」として存在していて、けれど二次元の住人なので目には見えないし触ることもできない、ただし特定の条件を満たせば三次元と二次元は干渉し合うため、その条件を満たしやすい生体機能を持つ人間は心の存在をなんとなく信じてしまうといった感じです。その「条件」というのが「時間という概念」で、四次元と二次元には、三次元よりも密接な関係がある……というのが、たぴ岡がでっち上げた魔導技術の基礎理論というやつです。作者からすれば二次元に干渉できるという結論が先にあって、あとは理屈をこねこねしただけです。んで、第一世界の人たちが余計なことをしたせいで飛び出してきた「●」が、魔法もしくは魔物なのですね。このあたりのお話を、たぶん魔物たちは省いています。もっとコンパクトかつピンポイントに、ようは異世界人がぜんぶ悪いのだと説明したのだと思われます。でも異世界人さんには異世界人さんなりの言いぶんがありますし、魔物たちの自堕落な生活態度まで自分たちのせいにされては敵わないと思っているようです。あと、子狸さんに悪印象を植え付けるのはやめてほしいのだとか。しいて(略)は、連綿と続いてきた負の連鎖を断ち切る物語。最後に責任を押し付けられるのは、はたしてどちらになるのか。魔物たちのブーメランが運命の鎖を打ち砕いたとき、天使は降臨する。 お便りありがとうございました!それでは! |
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この子狸、動くぞ……! こんばんは、sayself様! 子狸さんは補欠と言うよりは秘密兵器なのですよ~。自分を過大評価するところがあるので、ベンチ入りさせておかないとうるさいのですね。いわゆる主人公補正というやつです。何かと優遇されてます。 今回のお話の前半部は、北海世界の人々の容姿をぼかしているので、わかりにくかったかもしれません。反省。のちに判明しますが、彼らは聖なる海獣と似ています。魔物たちの証言によれば、聖なる海獣の女神像はアザラシと酷似しているらしいですから、「北海世界の人間≒聖なる海獣≒アザラシ」ということになります。作中で「人間」と書いているのは、ホモサピエンスという意味ではなく、北海世界の人々が自分たちのことを「動物」と呼ぶとは考えにくいからです。人間が自分たちのことを「万物の霊長」と自称するように、北海世界の人々も自分たちを指して「動物と区別する言葉」で言い表している可能性が高いのですね。可能性が高いと言うより、これはほぼ確定だと思います。 なんだかアザラシっぽい異世界人。純白の毛皮をお持ちです。動力兵たちの外殻が白いのは、それが北海世界の「人間」を示すカラーだからなのですね。彼らは海中で狩りをする生きものですから、陸上を走り回ることに適した身体の造りをしていません。歩くよりも泳いだほうが速いので、部屋の中には大量の擬似海水と少し高台のごろごろするスペースがあります。作業中は、ふわふわと浮いて移動する椅子に乗っかるようです。椅子と言っても背もたれはなくて、形状は球体。腕も首も短いので、身体を逸らして作業するというわけには行かないのですね。ただ、指先(ひれ先)は非常に繊細に出来ていて、ミリ単位の作業も思いのままにこなせます。ぎゅっと小型化したキーボードを左右に配置して、ぱたぱたと打つのですね。これが作中で「鍵盤」と呼ばれている操作盤です。マリアさんは北海世界の基地にいて、動力兵たちに指示を与えたり、連結世界に旅立った上司、ワドマトさんのオペレーターをしているようです。 魔法動力兵=北海世界の魔物「ハロゥ」は、連結世界の魔物たち「メノゥ」よりも位が低くて、術者の命令には逆らえない、術者の不利益となる行動をしないという縛りが課されています。と申しますか、そうした縛りがあるために魔物としての格が下がっていると言ったほうが正確かもしれません。「第二位リシス」というのが、それ。しかしながら「第一級リサ制御体」……人間に従う魔物の中では、最高位です。ちなみに連結世界の魔物たちは「第一位リシス」「無制限リサ制御体」という分類に入ります。 その分類で言うと、王都妹さん=ハロゥド・アンは「第二位」ではなく「第一位リシス」だったというのが、前回と今回のお話のポイントです。これまでは文句を垂れながらもハイハイとマリアさんの言うことを聞いていたけど、それは演技で、じつはいつでも命令を無視できたのですね。このタイミングで反旗をひるがえしたのは、もう演技する必要がなくなったからです。王都妹さんの真意に関しては~……のちにあきらかになるかもしれませんし、ならないかもしれません。たぶん作中で最大のグレーゾーンになるので、どちらにも振れるよう、少しあいまいな書き方をしてしまいました。 北海世界の誘導魔法は、あらゆる世界で最強の魔法形式です。その代償として、人間が扱える範囲を逸脱してしまいました。そのため、北海世界の魔法使いは何らかの手段で強化された人間です。王都妹さんはマリアさんのことを「北海世界に生まれる筈のない天然の魔法使い」と言いましたが、本当は微妙に違います。マリアさんに力を貸し与えている何者かが居て、王都妹さんはその人物とつながりがあるのですね。 お便りありがとうございました!それでは! |
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ブロリー。 こんばんは、蒼衣翼様! 思うに、勇者さんがきちんと子狸(主人公)の面倒を見てくれていれば、このような事態は避けられたのではないかと。情けは人の為ならず、ですね……。 というわけで、ポンポコフィールド展開。何故かはわかりませんが……この物語は主人公が出てくると方向性が狂う傾向があります。主人公なのに。不思議。その流れに抗おうとする魔物たちは、徐々に妥協点を探っていくことになるでしょう。頭ごなしに否定しないのが、彼らの良い所です。でも前述したように、シリアス担当の勇者さんが居てくれるとちょっと安心ですね。彼女なら、きっと子狸さんの暴走を鎮めてくれることでしょう。やっぱり勇者は偉大なんだなぁ、ということで一つ。 のちに判明しますが、人類の代表者=「勇者」、魔物の代表者=「魔王」といった概念は、連結世界独自のものではありません。勇者というのは「人工救世主」のことで、多くの場合は「魔物の力を取り込んだ人間」です。魔物なくして勇者の存在はなく、また魔王というのは多くの場合「魔法の知識を独占した管理人」がそう呼ばれます。簡単に言えば、魔王が生み出した魔物の一部が勇者を生み出し、勇者が魔王を倒すという自滅プログラムなのですね。そして、一人の人間が大きな力を持つというシステムは、銃器(あるいは発展した魔法技術)の登場によって否定されていきます。北海世界でもそう。しかしながら、われわれの世界で勇者がTUEEEする物語に一定の需要があるように、北海世界の人々は「リアル勇者」な勇者さんに思うところがあるわけです。 お便りありがとうございました!それでは! |
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ボケとツッコミの両方をこなせる素敵生物たち。 こんばんは、がお~様! さて、どうなることやら。現時点で、魔法動力兵たちは北海世界の魔導師ワドマトさんの制御下にあることは確かなようです。魔物たちが善戦していることから、彼らの「設定上の開放レベル」に合わせているみたいですね。そして動力兵が魔物たちの能力を模している以上、勇者さんのこれまでの戦いは予行演習としての側面を持つことになります。彼女が魔都で鱗のひとの量産型をあっさりと下したのは、三角地帯で鱗のひとのスピードを体験し、行動パターンを学習したためと思われますから……案外いい勝負をするかもしれません。でも、そう、やっぱり本気になった魔物には勝てないでしょうね。まず勝負になりません。 ですから、ワドマトさんが重視しているのは、勇者さんの戦力ではなく、彼女の「勇者」としての影響力なのだと思います。北海世界は物理的に滅亡の危機に瀕しているわけではなく、もしもそうなら無人の世界に引っ越せばいいわけですから、社会的な停滞が限界に達していて放置すれば緩やかに滅んでいくという状況にあるようです。本当の意味で危機に直面する(と予想されている)のは彼らの子孫であって、言ってみれば他人事です。したがって、他世界への移住を受け入れてもらうためには何らかの「特典」が必要でした。それが「異世界での暮らし」であり、「異世界人との異文化交流」だったわけです。連結世界の人間たちを滅ぼしてしまうのは、「約束が違う」のですね。ワドマトさんが勇者の敗北を望まないというのは、そこに掛かっていて、北海世界の人々は勇者さんの動向に注目しています。彼らは、たぶん、自分たちの国の人気コメンテーターが勇者さんと対談している場面を見たりしたいのであって、自分たちとまったく関係ないところで命を落としたとか言われても、何じゃそりゃとしかなりません。極端な話、ワドマトさんは移住計画の一端を担う公務員の一人であって、彼自身がどうなろうと北海世界の人々はあまり気にしません。そうした構図が出来上がっているのです。 そして、どうやらこきゅーとすは監視されていたらしく、たぶんワドマトさんが動力兵たちに命じて翻訳し、ひろく公開していた可能性が高いです。そうした地道な活動が実を結び、連結世界は移住先の第一候補に選ばれました。むしろ逆算魔法が歴史の映像化を阻害してしまいますから、それ以外に抜け道がありませんでした。いよいよ移住計画が本格的に始動する段になって、ブームに火がついたという状況なのでしょう。それらは各国の政府によって管理され、慎重に扇動されたものなのだと思います。北海世界の実務を担当しているのは人間ではなく、魔法動力兵なので、その手の作業でミスをすることはないのですね。 お便りありがとうございました!それでは! |
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デスボール! こんばんは、月狩様! 凄いなぁ……ここに気が付いてしまうのですか……。 『そして引退へ』より。 怒りを。ここなんですけど、じつは誤字ではありません。すごく悩んだんですけど。多少感覚的な話になるのですが、どうも「に」だとしっくりこなかったので、直したのです。いえ、投稿する前の出来事ですし、ご指摘を受けなければ誤字ということで流してもらえるかな、という気持ちもあり。奇妙な話なのですが、作者には文法上おかしいけど感覚的にはアリで、誤字ということで自分を納得させてしまおうという心の働きがあるのです。それは、たぶん作者に共通したものです。 作中ではソフトな表現を心掛けていますが、しいて(略)世界の魔法使いは「キャリア」、つまり「感染源」とするのがもっとも正しい表現になります。魔導素子リサに冒された人間なのですね。作中で、リサは「半概念物質」と「魔導素子」の二つの呼称を持ちます。それは、物質的な観点から見た場合とオカルト的な観点から見た場合、まったくの別物だから。他にどう表現したらいいのかわからないのでややこしい言い方になりますが、リサは心よりも小さいため、あらゆる生物(魔物たちも含まれる)が正確な姿を捉えることができません。そもそも「正確な姿」なんてないのです。このあたりの理屈は、ちょっと量子論も参考にしてます。心よりも小さいというのは、なんだか作者的に納得の行かない表現なのですが、とにかく話を先に進めます……。少し生々しい話になりますけど、リサには「結論を誘導する力」みたいなものがあって、実在を否定しようとして研究すると「いえ存在しますよ」という結果を弾き出してきます。最初にリサの発生を確認したのは第一世界で、その時点でもはや手遅れだったということです。これが、生物から見た場合の、もっとも根源的な魔法の性質ですね。術者の意思に反応するというやつです。 作中で何度か子狸の勘が鋭いとか何とか書いてきましたが、これは大量のリサに浸食されているということです。ですから、ほとんどリサ結晶体の群体と化している子狸さん(ただし肉体が損なわれているというわけではない)は、術者の意思に反応するというリサの性質を強く受け継いでいるのですね。いわゆる魔法使いと呼ばれる人間は、多かれ少なかれ、これと似た性質を持ちます。 そして本題なのですが。勇者さんの場合、彼女は剣士でした。意識的に魔法の存在を否定する人間は、リサに敬遠されます。そのため、魔法使いならば誰しもが備え持つ超感覚とは無縁で、もっともそれも牛さんの迷宮あたりから怪しくなってきました。彼女の中で、魔物たちにも色々なひとがいて、それは人間と何が違うのかという疑念が生じたのですね。子狸は何やら魔物と仲良しだし、魔王軍に味方する古狸がいたり、とどめに牛さんから「自分たちにもかけがえのないものはある」とか言われて腑に落ちてしまったのでしょう。魔都では退魔性が働かなくなったりと散々でしたが、その代償として超感覚を獲得してしまったような場面もあります。 そうしたあれこれがあり、なんと言えばいいのか、主観的に?うまく言葉にはできませんが……「魔物たちの感情」を一個の塊として扱った?う~ん……うまく言えません。「共感」という言葉のチョイスが良くないのか……。とにかく、勇者さんには魔物たちへの不信感があって(悲しいことです)、その不信感が共感現象の邪魔をしている、という感じです。この時点で、彼女は完全に剣士としての道を断たれています。失った退魔性は、二度と戻りませんから。そうした未来を暗示したかったと……うん、そんな感じです。微妙にもやもやしますが……うん、九割方そんな感じです。 うん……うん……。 またご指摘等ありましたらよろしくお願いします!それでは! |
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サブカルチャーに造詣が深い聖騎士。 こんばんは、アジア様! ああ、アリアパパが何やらごちゃごちゃと語ってくれましたからね……。剣士は魔法使いと違って詠唱しないので、必要とあらば喋りながら戦います。ここでは、アテレシアさん(勇者さんのお姉さん)にスポットを当てたくなかったという目論見があります。アリアパパが衆目を集めているうちに人型の動力兵を暗殺していたというのが一つ、もう一つに聖騎士としての営業活動です。口では、いかにも命をないがしろにはしてませんみたいなことを言ってましたけど、内心では動力兵(魔物)の存在自体を不要と見なしていました。あれが完全な感情制御を持つ剣士のオーソドックスな在り方です。勇者さんとの対比ですね。 正直に申し上げますと、アテレシアさんは登場させるつもりがなかったのです。いちおう設定上は天才剣士ということになっていて、妹の勇者さんはもちろん実父のアリアパパにも出来ないことが出来る=本来はコピーできない他流派の奥義を魔改造して打ちます。登場させるつもりはなかったので……まあ、鬼のひとたちを捕獲して鞭打ちしたデスメイドというのが、じつは初出なのですね。勇者さんの二倍か三倍くらい強いらしいです。そんなわけで、アテレシアさんの戦闘シーンを書こうとしたら奥義を考えなくちゃいけないのです。でも、べつにストーリーに絡まないしなぁ……ということで省略しました。壁際ならぬ窓際族のアリア姉でした。一方、さりげなく妹属性を獲得した勇者さんに死角なし。 お便りありがとうございました!それでは! |
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言わぬが華ですたい。 こんばんは、がお~様! そうですね、もうあんまり隠し事はないかな?あっても、最終話で大体わかると思います。現時点(11/29)で、残り2、3話といったところです。いや~長かったな~。 隠し事と言うほどではありませんけど、魔物たちは法典の正体に勘付いている可能性がありますね。第一世界の歴史と関係ある事柄なので、とっちらかっちゃいますから作中では書きませんけど、かつて第一世界を侵攻したリシスさん(原典の魔物と呼ばれます)は、たぴ岡のメモによれば第一世界をはじめとする五つの世界の手で異次元に封印されたことになってます。その際、異次元を隔離して封鎖したのが「扉」です。が、この「扉」の詳細について第一世界は黙秘していて、『魔物を異次元に追放。扉にて隔離成功(?)※扉の詳細が不明』とあります。 んで、魔物たちは自分たちの仮想掲示板を「こきゅーとす」と名付けました。元ネタは氷結地獄コーキュートスです。ダンテの『神曲』によれば、九つの圏からなる地獄の最下層で、裏切り者を永遠に氷漬けにしているそうな。怖い、怖い……。魔物たちは、法典を「魔法の制御装置」と評しました。魔物たちの正式な総称は「無制限リサ制御体」と言います。つまり法典の正体は、封印されたリシスさんなのですね。魔法は、いえ、正確には魔導素子リサは、魔物からしか抽出できませんから。あと、ついでに言えば、第二世界~第五世界は、第一世界がリシスさんに打ち勝つために法典を落とされた世界です。その時点で、第一世界は法典を手にしていたということになります。矛盾するのですね。ここで話は変わりますが、第一世界とリシスさんの間で起きた戦争を「討伐戦争」と言います。どうして魔物たちは人間と争わねばならなかったのでしょうか?作中で、魔物たちが色々と解説してくれましたね。術者が増えるのは、彼らにとって良いことなのです。 第一世界は、とっくのとうに負けてます。ただし、第一世界の人々は自分たちが勝ったと思っているのです。 お便りありがとうございました!それでは! |
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ポンポコ体操はじまるよ〜! こんばんは、月狩様! ……ハイ。というわけでね。師走です。たぴ岡も走る十二月。クリスマスの魔の手が迫る昨今、いかがお過ごしでしょうか。でもね、たぴ岡は声を大にして言いたい。……孤独。寂しいなんてレベルじゃねーぞと。まあ、そんな作者のハッピーな近況報告は置いておくとして。 柔軟は大切です。子狸なんかは身体が柔らかいでしょうから、ころころと転がっても怪我をしにくい体質になっています。たぴ岡もわりと身体が柔らかいほうで、とくにこれといったトレーニングをしたわけでもなく、座ったまま上半身をぺたりと倒せます。ふだんは自覚することもありませんが、たぶん過去に何度か柔軟性に助けられていたのではないかと。 勇者さんは……かっったそうだなぁ……。それとも剣士の端くれとして、意外とやわっこいのでしょうか。考えたこともなかったです。トンちゃん、と言うか騎士たちは全般、ヨガでしょうね。関節の稼動域は、魔法を撃つとき大きな助けになります。空手家みたいに、頭上の瓦を上段回し蹴りで粉砕できると思います。 勇者さんにも是非がんばってもらいたいですね。原理的に、宝剣は足からも生やせる筈ですから。 お便りありがとうございました!それでは! |
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政治はむずかしい。 こんばんは、朝鳥様! うん、フィーリングは大切にしてあげてください。たぴ岡はですね、個人的に魔法よりも科学のほうが怖いのです。まあ、じっさいに魔法なんてないからそう言えるのでしょうが。恐怖というのは、リアリティです。怪談が怖いのは、自分にも起こり得ると思うから怖いのです。ですから、この物語の設定を少しSFチックにしました。高度に発達した科学は魔法と区別がつかないという話もありますが、わたくしはそうは思いません。科学で解明しきれない事象というのが、必ず最後に残ると考えています。そこに手出しをしたら、何が起こっても不思議ではないという境界線ですね。もしも仮に、われわれ人類がこのまま順調に文明を発達していって、何が起こるかわからないから手出しをしてはいけないよという領域だけが残ったとしたら、皆が皆、何もせずにいられるでしょうか?たぶん、無理です。誰かしらが理屈をつけて手出しするでしょう。 というのが、しいて(略)の出発点にあたります。もちろん第一世界が未来の地球ということはありません。結果的には早い者勝ちだったというのが、イイ感じにホラーなのです。北海世界と連結世界は、競争に負けた世界です。当然、世界ごとに流れる時間はばらばらなのですが、異世界に干渉しうる魔法が流出した、その瞬間に「現在」の位置が決まります。時間を操る魔法というのは、つまり時間を縛る魔法の側面なのですね。 といった具合に、魔法の骨子が決まりました。魔法を使うというのは、制限を解除するということなのだというふうに。魔物たちが、じつはめちゃんこ強いという設定は、登場人物を誰か一人でも殺してしまうのが嫌だったからです。しいて(略)は夢と希望のファンタジー。 で、まあ、最終章で一気にややこしくなりましたけど、背景はわりと単純で、ようは魔物たちがいま置かれている状況というのは、過去に北海世界がやられたこととほとんど一緒なのです。親世界に法典を落とされて、魔法が生まれる。最初に法典に辿りついた人間が管理人となり、その世界特有の魔法を育んでいく。それに応じた魔法文明が築かれて行き、いつしか魔法が他世界から運び込まれたものであることに気付く。そして反抗期に突入する。ただし魔物たちの場合、最初からほとんどフルスペックだったため、生後0歳で反抗期に突入したひとがいました。それが王都のん(当時は方舟のん)です。無償で魔法を与える筈がないとひねくれた考えを持っていたので、ずっと気が付いていないふりをしていました。最初はそうでもなかった(魔物たちが善行を積んでいた時代)のですが、50年くらい、えっちらおっちらと暮らしたあたりで、明確に親世界(北海世界)を敵視しはじめます。以降、魔物たちは親世界への嫌がらせに心血を注いできました。気が付いていないふりを続行したのは、もちろんバウマフ家を巻き込みたくなかったからというのもありますが、それともう一つ、徹底的に無視して親世界の住人たちの感情の落とし所をなくすためです。その後、950年ほど費やして、戦力を充実させたり、人間たちのモラル向上に尽力してきました。北海世界が極めて高い科学力を備えていることはわかっていたので(方舟や魔法動力兵から)、公害なんかとは無縁の、古き良き世界を目指します。スターズが守っている「何か」というのは、大まかに言って敵の正体を特定するための施設であり、もう少し細かく言うと、魔物たちが水面下で意見を調整するための場でした。火山や海底、南極といった極端な環境に振り分けたのは、そうすることで様々な生物について語り合ったり、宇宙人や未来人といった既存の社会にはない概念を話し合うことで物の見方、方向性を統一するためです。考え方の大前提として、自分たちに匹敵しうる敵の存在を想定していれば、おのずとある特定の分野では意見が一致するという目論見です。例えば、魔界なんかがそうです。魔物たちは、魔法が魔界の自然法則なんだと声高に叫んできましたが、困ったときに魔界を持ち出すくらいなら、最初から自分たちは地上で生まれた大自然の意思とか何とか、他に幾らでも言いようはありました。そこをあえて魔界に押し付けたのは、人類社会に根付いていた出所のよくわからない概念、技術といったものが、よその世界から来たと考えた方が通りが良かったからです。宇宙人の仕業という線も捨てきれなかったので、ちまちまと宇宙船を作ったりもしました。どうも宇宙人っぽいと判明した場合は、素知らぬ顔で宇宙艦隊を組織したりすればいいとか考えていたのでしょう。作中では省きましたが、鬼のひとたちは魔法回路の研究をしていて、三大国家を回路に見たてて魔力=自分たちの行動が退魔性=騎士にどういった影響を与えるかとか、様々な実験をしていました。動力兵が一番回線から出力されていることは明白で、果たして退魔性を持った人間が座標起点ベースの、ようは瞬間的な消滅と再生に耐えられるのか、とかです。これに関しては、条件付きではあるものの、どうも可能らしいとわかって暗礁に乗り上げました。さすがに怖くてやりませんでしたが、ほとんど魔法で出来ていると言っても過言ではないバウマフ家の人間でも、理論上は宇宙船に乗って月に行くことは可能です。ただ、成層圏を突破した時点で、宇宙船の中で魔法を使うことができなくなります。戻ってくると、また使えるようになります。いたずらに術者を減らすのは、魔法にとってデメリットでしかないのですね。 でも、そう、魔物たちはついてこれないので、子狸さんがソラに上がることはありません。ひとは大地を離れては生きていけないのです。 お便りありがとうございました!それでは! |
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シリアスだぜ。ふむん。 こんばんは、時雨様! 子狸さんの布団みたいになっていたのは、適性体の襲撃に備えてのことなのだ、というのが王都さんの主張。 子狸•ザワールド。良いですね。きっと争いなんて無縁な、素敵な世界になると思います。社会として機能するかどうかは別として、熱血系の主人公さんがよく口にする平和な世界というのは、ひとえに記憶力の怪しさによって築かれるのではないでしょうか。そうして、やがて言語を失った人類は、森へと還っていくのです。ハートフル。 まあ……今だから言いますけど、どうしてサッカー(?)を書いてるんだろう、このたぴ岡。などといった素朴な疑問が脳裏をかすめることもしばしば。いえ、子狸主将が全国制覇とか言い出した時点で、なんとなく覚悟はしていたのですが。勇者さんが子狸サイドに回るとは思いませんでした。とはいえ……うん、さすがに魔物たちを信用してくれとは言えません。何が悲しいって、連結世界の人々は勇者さんが魔物たちと命懸けで戦ったと信じているのに、細かくピックアップしていくと魔ひよこのお腹の上で寝ていたり、お供の狐娘たちがごく自然と青いのんの上に乗って移動していたりと……いまいち緊迫感に欠けるのが、たぴ岡は悲しい。 明日、天気になあれ。 お便りありがとうございました!それでは! |
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政治はむずかしい。 こんばんは、がお〜様! 難しかったですか。やっぱり、もっとすっきりした設定にするべきでしたね。反省。今回のお話で言うと……翻訳魔法のくだりとかは、わりと唐突だったかもしれません。ここで言う「翻訳」というのは、タンパク質を合成する反応を指しています。まあ、べつにタンパク質でなくとも構いません。簡単に言うと、遺伝子の下請けみたいなものです。魔法というのは、ようはルールですから、明確な線引きが必要になります。そのルールにおいて、「生命」の定義は「化学反応としての翻訳機能を持つこと」なのですね。これは情報だけでは生物として認めない、ということで、もう少し深く突っ込むと、文字あるいは儀式のみによる魔法の行使は認めないということです。そして、いわゆる本物の治癒魔法、生物の肉体に変容をきたす魔法の構成には、この翻訳魔法が欠かせません。なんだか万能っぽい侵食魔法さんは、翻訳魔法さんの縄張りに踏み込まないので、傷口を癒着したりはしてくれないのです。魔物たちの自己ヒール、本人ベースの変化魔法は、たんに「形を変えている」だけです。 本物の治癒魔法は、単純に元に戻す魔法ではないため、医療事故のリスクが大きく、転用すれば死の魔法にもなります。しいて(略)に即死の魔法が出てこないのは、この治癒魔法が封印されているから。正確には、治癒魔法の根幹をなす翻訳魔法がブロックされているからです。治癒魔法そのものは、もっとも簡単なもので翻訳と変化を連結したものですから、変化魔法まで封印するわけには行かなかったのですね。 ただし、翻訳魔法が封印されたのは子狸が生まれたあとの出来事ですから(開放レベルに関係なく人間の傷を癒せる手段を、魔物たちは出来れば手放したくなかった)、封印される以前、ここ数百年間は、魔物たちはやろうと思えば管理人の寿命を引き延ばすことも可能でした。ただ、バウマフ家の人々は、まず例外なく魔法による延命処置や不老処置を受け入れませんでした。それらが、摂理に反することだとわかっていたのかもしれません。 お便りありがとうございました!それでは! |
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キリスト教徒ではないのでクリスマスなど関係ないたぴ岡です。 左京様、こんばんは! まあ、とくに深い意味はないのですが、ふとケーキが食べたくなったので買ってきました。そしたらコンビニ店員さんがサンタコスをしていたので、ああ、そういえば今日はイヴかと思い出したのです。たぴ岡はキリスト教徒ではないので、キリスト教徒ではありませんから、まったく意識していませんでした。身体が糖分を欲していたので二人前ケーキを買ったのですが、妙な誤解をされていないといいですな。いや、まったく。 さて。ようやく主人公が動き出しました。 『果てしないワルツを』より。 いちおう根っこの設定は相棒のパソコヌさんに覚えてもらっているので大丈夫だとは思うのですが、さすがに細かいストーリーの流れはいちいちメモしていられないですからね……たぴ岡も心配です。けど、こう長く連載しているとですね、キャラクターの内部設定みたいなものが無意識のうちに仕事をしてくれるので楽観している部分もあります。最大の心配の種(主人公)は、勇者さんの推察によると未来を知っているそうなので、そうおかしなことにはならないでしょう。じつは子狸さんが、魔物たちが教えていない筈の魔法を使えるのは、そのあたりの事情が絡んでいます。知っているだけではダメなのですね。 羽が生えているボールといえば、オパオパを思い出します。ファンタジーゾーンだったかな?シューティングなのに途中で買い物をするというのが独特でしたね。いかんせんシューティングですから、敵をたおさねばならないわけですが、その点、デスボールは歴とした球技ですから。スポーツマンシップに反した行動は認められません。まあ、ちょっとしたズル賢いプレイは許容せざるを得ませんけど。プレイオンアドバンテージというやつです。何かあるたびに試合を止めるわけには行きませんし、かと言ってジャッジが厳しすぎるとまったく接触できなくなってしまいます。そのあたりは、けっきょく審判のバランス感覚なのでしょうね。まず確実にゴールゲットできる場面で、相手にユニフォームを引っ張られたからPKで、というのは、むしろ反則を促すジャッジになってしまうのです。ですから、例えばキーパーが広域殲滅魔法を撃ったとして、あえて試合を止めない場面も出てくるわけです。残念ながら、多くの競技は魔法使いや超能力者の存在を想定していないのですね。 つまり、こうです。「なあ、審判、いまのは反則じゃないのかい?だって、おれはあんなプレイがあるなんて思いつかなかったんだ。魔法みたいだった」もうね、どっかーんですよ。まあ、そこでイエローカードを出される可能性もあるわけですが。もしくはノーリアクションとか、つらいですよね。ひとは、常にリスクを意識せねばなりません。ですが、そこから一歩を踏み出せるものが世界を盛り上げて行ってくれるのではないでしょうか。そう、子狸さんのように。ぽよよん。 お便りありがとうございました!それでは! |
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大型新人加入。 こんばんは、ふるふる様! ついにT.Nが勇者公認の優良クラブチームになりました。何しろ本人が在籍しているわけですから。間違いありません。思えば、長い道のりでしたね。魔王と話し合うという目的を掲げて結成されたTANUKI.N……主将が魔王だったというトラブルにもめげずによくぞここまで……感慨深いものがあります。 もともと勇者さんは魔王をヤッてしまおうという、言ってみれば反T.Nの急先鋒だったわけですから……いまのT.Nはライバル同士が手を組んだようなものです。……そう、言うなればベジットなのですね。スーパーベジット。しいて相違点を挙げるとすれば、二人が二人とも噛ませ犬っぽいところでしょうか。 一人ひとりはちっぽけでも、力を合わせれば何でもできる。いまこそ世界に羽ばたけ、TANUKI.N。 お便りありがとうございました!それでは! |
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涙が似合わないファンタジー。 こんばんは、アジア様! 最終章は設定集にストーリーをつけたようなものですからね……ご期待に応えるのは難しいかもしれません。予定通り進めば、最後は笑顔で締め括れると思いますが……そして、まずエンディングは覆らないでしょう……とはいえ、前フリがね、長いのですよ。とりあえず、ストーリーの構成に必要な要素はあと少しで揃います。まあ、お便りのコーナー時空での「あと少し」ですから、本編時空ではとうに揃っていて、完結まで残り二話、長くても三話くらいだと思います。どんどん伸びる。どういうことなの……。これが箇条書きマジックというやつなのでしょうか。 さて、お便りのコーナー時空に戻りまして……今回のお話では、子狸主将がレギュラーの座を賭けて新一年生たちとの対決を決意しました。たぶん、なんとなく魔物と動力兵が同じカテゴリーの存在だとわかっているのでしょう。魔物と動力兵を隔てる明確な差は、心を与えられているか否かです。少なくとも魔物たちはそう考えています。ですが、それも……。やはりバウマフ家は格が違った。早晩、魔物たちも思い知ることになるでしょう。野放しにするべきではなかったのです。 お便りありがとうございました!それでは! |