はじめの一歩(森川ジョージ)
byトクジ
あらすじ:いじめらっれ子の少年幕之内一歩が、ある日プロボクサーの鷹村守と出会う。
それから一歩は段々とボクシングに魅せられて、ジムに入門しボクサーへの階段を上っていく。
現在も週刊少年マガジンで連載中の古参漫画であり、看板マンガの一つである。
週刊少年ジャンプで云うところの、「こち亀」に当たる作品。「あしたのジョー」に並び、ボクシング漫画の代表作でもある。
TVアニメにもなり、総集編も何冊も出ていることから、その人気は伺うことができる。
内容的には少年漫画の王道を行く作品で、主人公の心身の成長を描きつつ、練習から試合、また練習と続いていく。
そして挑戦者やジムの先輩や後輩の試合、練習、背景にもスポットを当て、主人公である一歩以外にも話を広げている。
そのため気に入るキャラが一人は見つかるであろうし、感情移入がしやすくなっている。
試合描写や線の勢いも連載当初に比べたら現在は断然よくなっているし、試合内容も手に汗握るほど熱い展開になっているため面白い。
特に「鷹村 守VSブライアン・ホーク」は誰もが上げる名試合で、私もこれを読んだ後にはじめの一歩を読み始めた位である。
試合前のあからさまな挑発、ホークの予測不能なボクシング、厳しい減量による途中のガス欠、鷹村の眠っていた力の爆発、
最後の力を振り絞った一撃、そして各所で見られた会長と鷹村の絆。
森川ジョージの集大成、と言っても過言ではないその出来栄えに涙してほしいし、ここまでは何も言わずに読破してもらいたい。
だがこの後は正直盛り上がり所がないように感じる。そしてそうなると感じるのが、長くやりすぎたのではないかということ。
私は「鷹村 守VSブライアン・ホーク」までが面白さのピークであったように感じる。
その上最近の話ではやたらと天才というワードとその能力が、敵味方で目につくことから、
そろそろパワーインフレが起こるのではないかと思われる。
しかし物語的には主人公である一歩が国内から世界へと目を向けたことから見て、まだ半分程度しか終わっていないと思う。
これからどのように展開するのか、そして終わりは「あしたのジョー」のようになるのか、
リカルド・マルチネスを倒しチャンピオンになって終わりなのか、はたまた現実的に故障から引退なのか、先が気になる作品である。
最終更新:2011年01月29日 06:40