9章 ミッション機器の設計とサイジング
・実際の、あるいは潜在的宇宙ペイロードの種類や適用について述べている
9.1 ミッション機器の種類
・通信(民間通信、軍事戦術、中継 等)
・実用(地球観測、ナビ、発電、宇宙ステーション 等)
・科学(宇宙実験室、シャトル、生物学、天体観測 等)
・その他(軍事(戦略防衛等)、電子偵察、宇宙探査 等)
通信ペイロード
・通信はエラー率10万分の1から100万分の1程度で実現できなければならない
・TDRS(Tracking and Data Relay Satellite)…世界中どこでもいつでもさまざまな宇宙機器に連絡が取れる
・通信ペイロードの発展の余地はまだまだある
民間、軍事実用ペイロード
・通信衛星以外のペイロードはおおよそ、地球観測リモセン、ナビ、宇宙製造、太陽発電、探査の5つに分けられる
・ここで取り扱う地球観測リモセンは可視、赤外、マイクロウェーブ放射線とレーダー、散乱計の
組み合わせを使っている
・低軌道の観測衛星の多くは太陽同期軌道を取っている
・宇宙での製造ミッションはさまざまな可能性を秘めている
科学、特殊ペイロード
・最近、1300~1800kgといった大型の衛星に3個とか実験装置を載せていつものが増えているが、
経済的には、小型衛星に一つの実験装置を載せたほうがよい
・生物実験や月基地計画、火星探査などは人類の宇宙への適用性を調べている
・その他のミッションはほとんど軍事(防衛、攻撃)
9.2 ミッション機器の設計とサイジングの概要
STEP1:最上階層の目的を決める …1.3
STEP2:対象の選定 …9.3
STEP3:機器や大まかな波長、エネルギー、サイズなどを選ぶ…O:9.3.2、C:13.1
STEP4:オペレーションのコンセプトを決定する …O:9.3.2、C:13.1
STEP5:主要機器のサイジング …9.4.3~9.4.5
STEP6:STEP2~5のイタレーション
STEP7:設計上の特徴を選定する …O:9.4.6、C:13.3
STEP8:補助(バス)の要求を決める …O:9.4.7、C:13.4
STEP9:ミッションの目的の即したものになっているか考察する …3章、O:9.2、C:13.1
STEP10:STEP2~8をイタレーション
STEP11:根拠やパラメータ、結果を文書化する
O:観測衛星 C:通信衛星
・包括的あるいは最上級の階層のトレード…基本的思想の選択
・機器要素の選択 …コストの比較の前の機能による選定
- ペイロード設計での主な問題点 (Table9-3 抜粋)
1:目的 …宇宙の特性
2:対象 …何、どんなものが目的と関係あるか
3:機器数と種類…複数機器の効率、可能性
4:オペレーションのコンセプト…補償範囲、情報処理法、タイムライン
5:機器のサイジング …高度、bit rate、 指向性 など
7:設計特性 … 機械的コンフィギュレーション、詳細決定 など
8:補助要求 …ペイロードの大きさ、電力、姿勢要求など
- 各種衛星の主なトレードオフの表はTable9-4
- 各種衛星の主なトレードオフパラメーターはTable9-5
- 性能が低いところの性能改善は低コストだが、性能が高いところでの性能改善は高コスト。
コスト-性能曲線(Fig9-2)の接点がもっともコストパフォーマンスがよいところ
9.3 対象の選定
- GPSでいえばGPS受信機、FireSatでいえば光や煙、温度などが考えられる
- 選定の主なプロセスはTable9-6。
大体の流れは1)目的を決め2)可能性のある対象物を探し3)それぞれの対象の検知方法を決め、
4)設計可能かどうか判定して、5)特性や詳細を考えて、6)複数対象を考察して
7)文書化して、8)代替方法や副次的対象の使用可能性を考える
・設計可能な対象…放送、通信衛星の対象が多い。対象と衛星性能のトレードなどが存在する
・受動的対象…気象、天体など。それぞれの特性とミッション目的を考えた選定が必要
- ミッションによっては両種の対象が考えられるものもある。
・複数対象によるは性能的にはよくなるが衛星に対する要求が厳しくなる
9.4 観測ペイロードの概要
- 放送電力、スペクトル域、基本機器タイプなどを決める
- ここでは観測機器だが、大枠は他のミッションでも同じ
9.4.1 電磁スペクトル
- 大きく波長で分けて、γ線、X線などの短波(1Å)、可視、赤外(μm~mm)、
マイクロウェーブ(~30cm)、ラジオ波(数km)などがある
・(波長)×(振動数)=光速
・プランクの式(めんどくさいため略)
・(輻射放熱)=σ×T^4 σ:ステファンボルツマン係数5.67×10^8
・温度ごとのエネルギー最大波長は温度に反比例する(Wienの法則)
9.4.2 観測機器の種類
可視システム
・紫外(~0.3μm)から可視の最大(0.75μm)
・太陽光のせいで昼しか観測できない
・カメラ(フィルム)と電子光学があるが、前者は最近は使われなくなった
・天候や雲により観測ができなくなる
赤外(IR)システム
・near-infrared(1.0~2.5μm)、medium-infrared(3.0~15μm)、far-infrared(20~100μm)
・昼夜を問わず観測できる。しかし昼と夜では見え方が違う
・悪天候でもぼやけるだけ
・熱放射が見える
・機器が複雑で高価
・赤外はエネルギーが小さいため分解能はよくない
マイクロウェーブ輻射計
・mm単位(20-200GHz)
・精度は可視より3~5桁悪い
・平面アンテナとパラボラアンテナの両方が使える
・程度は低いが、雲や雨、みぞれにより乱される
レーダー撮像装置
・cm~mm波長
・他の観測機と違って受動的に観測するのではなく、波を発信して反射波を観測する
・解像度がかなりよい(SLR:Synthetic Aperture Radar合成開口レーダー)
・強い雷雲とかでない限り阻害されない
・広角画像も取れる(SLAR:Side-Lokking Airborne Radar)
・消費エネルギー大
・大きな広い平面レーダーか、指向性電磁ビーム受信アンテナのついたパラボラアンテナが必要
9.4.3 オペレーションの機器コンセプト
・一般的な観測ミッションのデータ量は多い
・データの量は地上画の広さや機器のデューティ比も撮像装置と同じくらい影響する
・解決策は主に二つ
・地上局が見えるまで別の場所にデータを保存しておく
・データを中継衛星を使って転送する
・軌道も大きな設計要素。周期的な撮影が出来る軌道や、静止軌道など。
・静止軌道だといつでもダウンリンクできるため保存容量などの制限が弱くなる
9.5 可視、赤外線観測ペイロードの概要
9.5.1 可視、赤外線システムの特性
略
9.5.2 可視/赤外線システムの設計
・STEP1:要求
・STEP2:口径決定
・STEP3:コントラストとダイナミックレンジ
・STEP4:受信者の選択
・STEP5:工学的接続量=決定的NEΔTとS/N
・STEP6:焦点面構成要素
・STEP7:システム光学の選択
・STEP8:設計確認
9.5.3 ラジオ周波数システム設計
・マイクロウェーブシステム
・レーダーシステム
9.6 ペイロードのサイジング
9.6.1 データレート
・主に解像度、補償範囲、振幅の精度、センサーの数で決まる
・低軌道だと要求が楽になる
・データレート計算式が(9-34)。相対速度、センサースキャン幅、高度、ピクセルあたりのデータ量に比例し、
分解能の2乗、データ転送効率に反比例する
・静止軌道衛星からのデータレートは(9-35)。
9.6.2 大きさ、重さ、電力の推定
・既存のシステムからの類推…ミッションの特性や複雑さ、性能を考慮。大まかな類推。
・既存のものからのスケーリング…口径の似たものとの比率をRとすると長さはR倍、
面積はR^2倍、体積、電力、重さはR^3倍
・各要素の合計から計算…最も正確であるが、早期では物が決まってないためかなり難しい。
検波器やレンズ、光学台についてのリストがある
9.6.3 ペイロードの設計での主な問題
・あらゆるペイロードにはそれぞれクリティカルな性能要素がある。これを元に設計するとよい
- ペイロード設計者は衛星設計者の要求に対して、より合理的な解を求めるように働きかけるべきである
・詳細なバスの性能要求(指向精度、視野範囲、環境要求など)のリストを作る
・受け入れ可能なデータの処理量、貯蓄量、構成の要求
・ペイロードの支持に対する反応の要求(ON-OFF、ゲイン設定、指向、切り替え)
・供給電力の細かい制御要求
・熱構造上の要求
・バスのCPUの使用要求
・ペイロードの状態チェック
・ミッションやシステムの要求を満たす中で、単純で低リスク、コスト効率のよいシステムを妥協を許さずに考える
効率はライフサイクルやリスク、スケジューリングや性能要素を考える
・よく考えて配分した重さや大きさなどの各種使用は明確な指示があるまで絶対変えない
・変更があっても性能に余り変化がないように単純化する
・性能向上のための高価な設計変更の誘惑に負けない
・避けられない重量制約には初期設計時には10%マージンをとる
・ミッションの成功にかかわる要素のリスク配分は均等にする
9.7 FireSatのペイロード
略
最終更新:2007年04月21日 02:32