15章~地上システムの設計とサイジング
序章
地上システム(ground system)は
1.衛星およびペイロードをサポート
2.衛星よりのデータを受信し、ユーザに配信
することを目的とする。
衛星をサポートするには衛星の健康状態(テレメ)とmission dataを見てコマンドで制御。例:高度計で軌道を知る
地上局(ground station)の役目は衛星からのmission dataを得、ユーザにとどけること。
地上システム(ground system)は地上局(ground station)と管制塔(control center)からなる。
多くの場合、地上設備はユーザの希望を反映する。
例外としては通信衛星ではユーザにコマンドをおしえれないことなどがある。
情報公開度とコストはトレードオフになっている。
送信の長さと機会のバランスをとる。
複雑な地上局には透過性がない。
低コストで開発するには衛星及びペイロードと地上局の複雑さを何度もトレードオフしないといけない(イタレーション)。
Table15-1は地上システムの機能と設計をまとめたもの
15-1:地上システムのデザイン過程
Table15-2がデザイン過程をまとめています。ここを勉強するとよいでしょう。
全ての過程は衛星と地上システムとのバランスをとりながらイタレーションを行い決定されます。
またこのイタレーション過程で重要なパラメータが
- 地上局の場所、新しい地上局が既存のものかなど
- リンクのデータレート。これがゲインノイズ比(G/Ts)と有効な等方性の放射(EIRPs)を決める。
- データの処理についての要求。コントロールセンタの場所に影響。
- ユーザー地上システム間の通信。データの処理とバンド帯をしっかり決定。
です。
15-2:地上システムの主な要素
地上システムはmission elementsとfacility elementsで成り立っており前者は衛星およびペイロードの制御とそれらから送られてくるデータの処理、後者はmission elementに付随しサポートするものである。
具体的なイメージはFig15-2で得られると思う。
地上局は地球に設置され、衛星やペイロードとの通信を行う機関である。
地上局にはFig15-3で示されているような要素があり、各要素についてまとめると、
- antenna system:アンテナとその台からなる。アンテナは動き、衛星のほうを向けるようになっている。
- receive rf equipment:アンテナからうけとった信号を地上局が読み込めるものにして伝える。
- transmit rf equipment:地上局からの指令を衛星がわかるものに改変し伝える。
- mission data recovery equipment:ユーザや地上局にデータが行く前に整える。
- data user interface:mission data recovery equipmentとユーザの間に存在する。
- TT&C:受信したテレメおよびトラッキング信号を配る。また、地上局からのコマンドとトラッキング信号を認証し、調節する。
- station control center:地上局の各要素の構成、連結を行う。
地上局にはミッション要求を満たす正しい時刻を配布する部分が必要。具体的にはFig15-4を見てイメージをつかむとよいが、system timing elementが正確な時刻と周波数を配信することで地上局の各要素を同期させる。
コントロールセンターには三種類あり、それぞれSOCC,POCC,MCCと呼ばれる。
SOCCは衛星の制御を行う部分、POCCはペイロードの制御を行う部分、MCCはmissionの計画実行、地上と宇宙のシステムの統合およびスケジューリングを担当する。
簡単な地上局ではSOCCがPOCCを兼任することもあるが、複雑になるにつれそれぞれの複数になることもある。Fig15-5を見ると具体的なイメージがつかめるだろう。
また簡素な地上局の長所短所がP586あたりに述べられている。
15-2-1
上で述べられた簡素な地上局の具体例としてGOSATが紹介されている。Fig15-6にGOSATにもちいられた地上局のダイアグラムが示されており、今までの話を理解しているならばかなり有用な図である。
この図からもわかるとおり、どの要素とどの要素がかぶっているかなどをつかむこともできる。
15-3:典型的なの地上局システム
実際の地上システムは複数の衛星を制御したり、高いレベルの利用しやすさやセキュリティーが求められる。
実際の地上システムはFig15-7のように付属の地上局や遠隔地上局などメインの設備以外にも設備があることが多い。
それがゆえの問題もあり、それぞれの設備が別々のシンクロタイムをもっていることや、異なる管理機構の複数の設備のメンテナンスおよびネットワーク、複数であるためにコストが増加するなど厄介な問題も生じる。
15-3-1Communications Links
地上システムはあるバンド帯での長距離通信リンクが必要。われわれは通信オプションをどこに地上システムをおくか考える際評価する。いまや通信には通信衛星がこのまれれており、今使われている主な通信衛星をまとめたものがTable15-3である。通信衛星を使う場合、通信衛星の情報を得る設備から種種の地上局に配線をとおす。通信衛星を使うにしろその通信衛星にアクセスできるターミナルまでの地上配線は必要であろう。
15-3-2Optional Functions
前半うだうだ要求とシステムの複雑化についてのべているがこの章で言わんとすることはデータ処理についてであろう。データ処理のプロセスを紹介しているがあまりに膨大であるため簡単に紹介。
Demultiplexing:衛星から送られてくる一連のデータを異なるユーザに配信するために分解する。
encrypted:衛星でデータを暗号化
decrypted:地上で暗号を解く
encoding:デジタルデータのノイズを減らすためエンコード
decoding:地上でデコード
Data comoression:データをたくさん送れるように圧縮
multiplexing:圧縮できないときはつなぎ合わせて少しでも小さくする。
timetagging:衛星に時間の情報をおくる。
data storage:衛星内でデータをためる。
data quality monitering:とあるビットの情報を見ることで衛星から地上に下ろされたデータの品質を検討する。
処理ではないがほかの機能として
simulation/verification:衛星にテストデータを流してチェック。
後半はのデータの処理を考えつつどのような形で地上局およびユーザにデータを配信したらいいのかの案がかかれている。
地上局で全て情報を処理してからユーザに流す方法には多くのメリットがある、しかしいくつかの地上局を持つ場合それぞれにリンクを張る必要があるため実践的でない。よって複数の地上局を持つ場合は中央のハードにまず情報を送り、蓄積などわずかな処理をおこなうだけでユーザに流す。逆に地上局を一つしか持たない場合は前者の方法がよいと思う。
simulation/verification:
15-3-3Influence of Spacecraft Autonomy
自動化はSOCCやPOCCやTT&Cのタスクをへらしてくれる。しかし時には自動化のためにその分ほかの地上局を使うこともある。
15-3-4The DMSP Example System
DMSP(気象衛星)は典型的な分散地上局システムの例である。Fig15-8よりわかるように通信衛星と地上線を用いてさまざまな地上局を結んでいる。
15-4:特別な地上システムを設計するか既存のものを利用するか
地上システムを新しく作る代わりに既存のものを使う方法もある。既存のものは結構優れており、事実ミッションを既存のシステムやほかのミッションの制限に合わせることもある。
主な通信リンクは地上局とユーザミッションのPOCCやSOCCやMCCがある中央設備につなぐ。
その際、既存のサービスプロバイド地上システムを使うならさまざまな地上システムをアレンジ、ハイブリッドすることになる。
既存のものを使うことには重要なメリットがあり、それはコストを節約できること、またコストの見積もりをしやすいこと、高い信頼性、使いやすいことなどである。
また欠点も存在し、それは既存のシステムにあわすことで効果が下がることである。
既存のものを使うか新しいものを使うかを評価するにはミッションのキーパラメタからくる要求を吟味することである。
できたら特別なシステムをデザインしているときも既存のサービスシステムを検討したほうがよい。
すべての可能性のあるホストシステムをそのとき評価する。つまりあらゆる情報を検討するのだ。
既存のものを検討するときはどのくらいのミッションを既存のシステムにあわせるか、どのくらいの設備をユーザが提供するか、どのくらいの頻度でアクセスするかを考える。
そしてかかるコストをミッション生命時間より判断する。
15-4-1から15-4-3は既存のシステムの例が書いてあります。(たとえばNASAで用いられているシステムとか)
まあ単なる例なので内容は割愛します。
15-5:デザインするさいにおいてキーとして重要視すること
地上局を検討する際にキーとなるものが二つある。
一つがCoverage Required per Spacecraftでもう一つがNumber,Location<and Variety of Data Usersである。
それらを検討することにより、地上局の数、場所、複雑さが決まる。
15-5-1Coverage Required per Spacecraft
地上局を設計する上で重要となるCoverage Required per Spacecraftについて述べてある。
Coverageとはどのくらいの頻度でどのくらいの時間地上局と通信する必要があるかを表す。
静止衛星などでは一つの地上局でよいがLowEarthOrbitの時は地上局が複数必要となる。
多くのミッションコマンドやテレメは少量のデータでTT&CのLowDataRateでもよい。
しかし蓄えたミッションデータを落とすには時間がかかり、少ししか通信可能時間がない場合はくるしい。
(15-1)式で必要データレートの計算方法も示されている。
改善するには多く地上局を持ち、通信時間を確保するしかない。
多くの地上局を持つとデータを多く蓄える必要もなく、またアクセス頻度もあがりリアルタイム性も減る。
まあ多くの地上局を持つのはまたコストとの兼ね合いになるのだが、完全に新しい地上局をつくらなくとも一部分既存の地上局をつかうハイブリッドな方法も検討できる。
15-5-2Number,Location<and Variety of Data Users
データユーザの欲求は配信システムの複雑さを決定する。
ユーザデータを送る際に必要な過程のダイアグラムを書いて検討をすすめるのがよい。
そのダイアグラムの例がFig15-11である。(3つのonboardCOMからのデータを統合して地上に降ろし3つのユーザに配信する例)
ユーザの場所や種類は個々の地上局と中央設備(SOCCなど)のどっちがデータ処理をするかを決める。(15-3でも同じことをのべていた)
これもまた新設備の製造にかかるコストや維持にかかるコストなどをけんとうして決定する。
最終更新:2007年04月21日 16:12