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6章 アストロダイナミクスの序章

衛星の軌道を扱う。6.1では古典的なケプラー軌道について、基礎用語、基礎概念を導入する。
6.2では3体問題、摂動力について論じる。6.3では主に惑星探査で用いられる軌道制御、軌道計画について述べる。
6.4ではロケット発射時刻、場所の目標軌道に対する依存性を、6.5では軌道補正について述べる。

6.1 ケプラー軌道

ヨハネス・ケプラーによって予測された惑星の軌道運動は、ニュートンによって数学的にその正しさが証明された。
ケプラーの法則とは
1. 惑星の軌道は太陽をひとつの焦点とした楕円である。
2. 惑星と太陽を結ぶ線が単位時間あたり掃く面積は、常に一定である。(面積速度一定の法則、角運動量保存則)
3. 軌道周期の2乗は、楕円の長半径の3乗に比例する。
の3つをいう。
6.1.1
ケプラー問題は、全系には2つの天体しか存在せず、それぞれが球対照であるような2体問題として扱う。
運動方程式は解析的に解くことができて、楕円解は
r=a(1-e^2)/(1+ecosθ)と書ける。
aは楕円の長半径、eは離心率、θは近日点離角である。
6.1.2
惑星と呼ばれる天体の太陽に対する軌道は楕円であるが、一般の天体の軌道は
その力学エネルギー(運動エネルギー+位置エネルギー)によって楕円、放物線、双曲線のいずれになるかが決まる。
これらは円錐曲線とも呼ばれ、「直」円錐の各断面である。
またエネルギーによってa,eの範囲が決まる(table6-1)。
放物線軌道はエネルギーが0であり、双曲線では正になる。つまり地球重力圏からの
脱出に伴うエネルギーは最小である。
E=V^2/2-μ/r=0 <->vesc=√(2μ/r)
6.1.3
運動方程式は3次元2階の微分方程式であるから、積分定数は6つある。
それらを相対初期位置、相対初期速度として解くこともできるが、それは
あまり見通しのよい方法ではない。古典的にはそれらを正準変換して得られる
「軌道の6要素」を用いるそのうち5つは定数、1つは時間によって変化する。
最終更新:2007年04月21日 02:35