13章 通信の基本設計概念
・リンクの整備やその操作、システム設計の要点
(注:良く出てくるTT&Cとは以下の機能を持つハードウェア
・地上局から直接またはリレー衛星を通してコマンドを受信し復調解読して各サブシステムに分配制御する
・各サブシステムのテレメトリデータを取得・編集・記録・変調して地上局へ直接またはリレー衛星で伝送する)
13.1 通信の基本設計概念
13.1.1 衛星と地上局の幾何によって設計を決める。
・衛星と地上局の幾何的な関係は図13-2に示されるようにさまざまである。
その長所短所については表13-2に書いてある
A:Store & forward 地上局と通信可能な範囲に入ったらためていたデータを送る
・長所:打ち上げ費用が安い。アンテナのビーム幅が広いので衛星のアンテナのサイズは小さくてすみ指向制御が必要ない。
・短所:アクセスするのに時間がかかり、伝送遅れも長い。
B:Geostationary 実質的にすべてのリレー衛星システムや気象衛星が使っている。静止軌道。
・長所:アンテナ指向制御がいらない。管制しやすい。衛星の切り替えが不要。
・短所:同期軌道との伝播遅れが0.25secある。
C:Molniya Orbit ロシアが使っている
・長所:北極地域をカバーする
・短所:アンテナ指向制御が複雑
D:Geostationary Orbit with Crosslink 2つの衛星と2つの地上局で常にデータをおろす。
・長所:常に受信できる
・短所:片方の地上局は外国にあることが多く、その安全性は保障されず維持費も高い。複雑。
E:Low-Altitude Crosslinked 20以上の衛星を相互に接続し、パケット通信でデータをおろす。
・長所:伝送手段が多いので冗長性が高い。低軌道なので、狭い範囲を指向することによる妨害伝播を防ぐ。伝送電力が少なくて済む。
・短所:衛星群の制御が困難
13.1.2 機能によって設計を決める。
・表13-3に衛星の機能とそれぞれのデータの流れが書かれている。通信には1:1通信と1:N通信がある。後者には地上局ですばやく切り替えて使う広ビーム幅アンテナと狭ビームアンテナのセット、か、もしくは多機能アンテナが必要。
・多くの地上局を含む通信システムの場合は、それぞれの地上局でデータを処理するのではなく一括して衛星で処理した状態でおろすほうがデータレートを下げることができ経済的である。(ヨーロッパのメテオサットの例
・通信の観点から見た、ミッションをコントロールする方法には二つある。
・地上局からのコマンドで行う方法。これは衛星が通信不可能域に入ったときは保存しておいた以前のコマンドでタイマーを使って動作する。シンプルで経済的だが、人間の誤りによる脆弱性が伴う。また地上局に関しては費用がかかる。
・衛星が自分でオンボード上のセンシングデータとプログラムされた意思決定処理によっておこなう方法。これにより先述の脆弱性はなくなり地上局装置や官制の費用は減るが不慮の変更が聞かず構成も複雑になる。またいくら自律性があるとはいえ一定の人間の関与は必要である。ただ、将来的には地上局への依存は減らすべきだ。
・衛星を運用するに当たって、通信リンクを再構築し電力やビーム幅を要求の変化に対応させる必要がでてくるかもしれない。この過程をネットワークコントロールという。これは、多くの狭ビーム幅アンテナやスイッチング回路を持っている衛星などに必要とされる。ネットワークコントロールは1つの衛星や地上局に集中させるよりも、冗長性のために複数に分担させるほうがよい。
13.1.3 設計を選ぶ基準
・軌道→地上局との通信頻度と衛星間通信が必要かどうかが決まる。
・RFスペクトラム(無線周波数)→衛星と地上局の送受信電力、アンテナサイズ、ビーム幅、衛星の安定性への要求がきまる。
・データレート→電力やアンテナサイズへの要求が決まる。
・デューティー比(衛星のリンクを運用する必要のある割合)→地上局がいくつの衛星をサポートできるかが決まる。(比が低いほど多くの衛星を扱える)
・リンクの可用性→装置の信頼性、冗長性、修理可能性、代替リンクへの要求がきまる。
・リンクにアクセスできる時間→軌道選定への要求が決まる。
・脅威→システムデザインへの要求が決まる。
13.2 データレート
・通信においてどういう情報をどういう伝送レートで送るかが大切。
・変調方式→送信されたアナログ信号はその周波数の2.2倍のレートでサンプリング、ビット化されデジタル化される。受信側は2進数計算をしてアナログ化する。そこで生まれる誤差はビット数を上げると軽減される。
最終更新:2007年04月23日 01:07