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20章 コストモデリング

  ・コスト見積もりの計画方法、高度なシステム計画に役立つコストとその見積もりの関係、コスト見積もりにおける不確定な部分の評価方法についてのべる。

20.1 コスト見積もり入門

20.1.1 見積もりのポイント
表20-1にコスト見積もりの概要についてまとめてある。中でもCBS(コストの分析、分解)は、データをまとめ重要な費用を確認し、私たちが今扱うシステムとほかのシステムとを比較するのに役立つ情報を与えるという大切な役割を担う。その詳細について表20-2にまとめてある。
また、費用分配はスケジュールやマイルストーンにそって行われる。このスケジュールはコスト評価とトレード情報を早く見ることには必要ないが、計画し資金を調達する上で重要である。そして見積もりには、トレード情報と費用概要、資金調達情報などの典型的な想定が必要なだけでなく、政府の提供するデータなども必要。このようにしてコストを理解しほかのプログラムと比較することができる。
コスト分析とシステムコンセプトはどのコストモデルを適用すべきかを決める。コストモデル結果は、それぞれのシステムのコスト見積もり、ライフサイクル、スケジュールによって構成される。たとえば、ほかのシステムとのコスト比較、主なコストドライバー、ライフサイクルコストに最大の影響を与えるミッション要求、重要な想定と要求に対してどれほどライフサイクルコストが敏感であるか、コストとリスクデータの比較、、などの要素を含んでいる。ライフサイクルコストは3つの主な段階に分けることができる。
「調査・開発・試験評価(RDT&E)」→設計、分析、ブレッドボード試験、ブラスボード、プロトタイプ、資格品を作るまでを含む。
「製造」→フライト品を作り打ち上げるまでを含む。
「管理」→運用し、メンテナンスを施し、取り替えるまでを含む。

20.1.2コスト見積もりの方法
コストモデルを作るのには3つの方法がある。
1.詳細上昇型見積もり:システムを作る上での低い段階から確認してその材料や労働力にかかるコストを見積もる。しかし時間がかかるので、前もったシステム勉強に使うべき方法。
2.アナログ見積もり:類似項目のコスト情報を使ってサイズや複雑さを変えて適用する。どの段階に対してでも使えるがトレードの際に融通がきかない。
3.パラメータ見積もり:コストを設計、機能変数(performance variables)、あるいはパラメータとして表現する「CER(Cost Estimating Relationship)」を用いる。この手法はトレードの際にとても有用である。
主な有用性は
  • 伝統的な上昇型見積もりよりも時間がかからない
  • コストトレードを行うときにより効果的
  • より一貫性をもって見積もれる
  • そのモデルが適用できる宇宙システムのカテゴリをたどることができる
主な制限は
  • 歴史的なデータのパラメータ範囲にしか適用できない
  • 新しい技術要素に欠けているので新技術を使っているハードウェアにCERを適応させなければならない
  • CERを行うのに使われるデータから費用をも積もる要素において複数のものからなっているためCERを適用不可能なものにしてしまう。
  • 入札書ほどには厳密ではない
もしこれらのモデルが特定のコンセプトに適用できない場合は、新しい関係性を得なければならない。その方法は、まず
1.歴史的なデータを条件として設ける(一貫性があるから)
2.コストとパラメータとの関係性を仮設して、標準的な回帰プログラムで評価する
20.1.3ドルのタイプ
コストについて述べるときの一貫性をたもち、コスト分析結果を評価するときの混乱を避けるために、一定の価値のドルを使う必要がある。次の2つのプロジェクトを例に考えてみる。2つとも3年計画で、1年ごとの必要資金が違う。
A:1000万、500万、100万
B:100万、500万、1000万
合計資金は同じだが、バイヤーはBを好む。なぜか?公定歩合を計算すればわかる。公定歩合は一般的に10%。20-1式で計算すると、Bのほうが安く済む。公定歩合もパラメータとして考慮すべきである。

20.2 パラメータを用いたコスト見積もりのプロセス

コストモデルを使ってパラメータによるコスト分析を行う手順の概要が表20-2に書かれている。
システム設計に必要な情報は、FireSatの例のため作られた基準にそって表20-3に書かれている。
CERはシステム全体とサブシステムレベルにおいて、RDT&EとTFU(理論上最初に作られる部品)製造のために生まれる。TFUとは製造における多様な部品のコスト計算の基礎となるものである。

20.3CER(コスト見積もりにおける関係性)

20.3.lセグメントごとのコスト
CERは主に重量に基づく。この関係性の利点はコンセプトやミッションの設計段階において、重量と電力見積もりは利用できること。欠点はもっとコスト見積もりを行うべき他のパラメータが含まれていないこと。
コストの基本的なカテゴリはハード・ソフト・プログラムレベル、もしくはwrap-aroundsからなる。wrap-aroundとは見積もりがハードのコストの占める割合に基づいていることを示している。
発展的な技術と設計遺産要素に関わるコストはRDT&Eに含まれる。
また、全コストはTFUコストを学習曲線のL要素にそって掛け合わせることで求める。
民間衛星にCERが使われるとき、0.8の定数を使わなければならない。CERが政府と民間のまぜごちゃのコストデータ(それでも政府のほうに重きを置いているが)に基づいているためである。
ソフトウェアにおけるCERは表20-8に示す。
バスにおいてCERでは2通りのコスト概算方法がある。
あるサブシステムの重量軽減が行われる場合、2.1-2.4の選択肢にあるもっと詳細なCERを使う。
ひとつのCERにおいて1つ以上のサブシステムが関係している場合、見積もりパラメータとして総重量を使う。
20.3.2地上局セグメントと運用のコスト
地上局:表20-8からソフトウェアにかかるコストを計算し、20-9とあわせて概算する。
運用:表20-10.11参照
20.3.3打ち上げ費用
表20-12参照
ただしここには既存の打ち上げシステムにおける関係性しか書かれていないので、新たに開発するときなどは、打ち上げ費用がコストに多大な影響を与えることを考慮して最低限のコストに抑えられるようにミッションコンセプトを熟考すべきである。

20.4 その他の話題

20.4.1リスク判断
この章ではコスト見積もりにおける不確定要素を判断する方法について述べる。まず不確定要素を明確にして、それらをプログラムレベルでの不確定要素まで落としこめるようにあわせ、結果を解明する。
主な不確定要素は技術開発のリスクとコスト見積もり方法の2つがあげられる。
新技術が考案されると、失敗や、多大な時間と労力をそこに注いでしまうというリスクが生まれる。また、この不確定はコスト見積もりの不確定にもつながる。その技術の区分けとそれぞれのコストリスクの関係性について表20-13にまとめられている。20-2の式においてサブシステムの不確定性を測る基準を得ることができる。ただサブシステムは相互に関係しているので、システム全体を見渡すとこの標準偏差の根を求める方法では複雑になる。つまりサブシステムを開発するに当たってイタレーションが起こるからである。よっておおまかに不確定性を算出するには
  • それぞれのサブシステムで不確定性の標準偏差を足す
  • その和の平方根をとる
  • 上の二つを足して2で割る

20.4.2コストの時間的広がり
時の経過でコストがどれだけ大きくなるかを見積もる。

20.4.3見積もりコスト額のオーダー
表20-14に例がある。

20.4.4学習曲線
ユニットの規模が大きくなるにしたがって、生産力が向上することを示す曲線。

20.5 Firesatの例

省略
最終更新:2007年04月28日 22:16